バンコクモーターショーで中国勢にアタマをぶん殴られたような気分になりました。こらマズい

今までタイのモーターショーといえば、展示商談会に毛が生えたようなものだった。展示会に毛は生えないですけど。なのになのに! 今回は中国勢が怒濤のようにやってきた。イキナリ展示スペースど~んと増えたって感じ。そしてプレスディ&特別招待日から大賑わい。自動車メーカーの数で言ったら東京モーターショー改めJMSなどお話にならないレベル。

その中国勢が大暴れだ! 下はMG。このメーカー、御存知の通りオリジナルはイギリスなのだけれど、VWやGMと組んでいる上海汽車がブランドを購入。VWやGMの技術を盗んでMGブランドのクルマを開発し販売しうている。早いタイミングで海外進出しており、なかでもタイは順調に販売台数を伸ばしてます。そんなMGがついにスポーツカーを出してきた。

聞けばデザイナーもプランナーも欧州の人だという。道理で垢抜けており、素直にカッコ良い! 今のイギリスがロードスターを作ったらこんな雰囲気になることだろう。インテリアだってキラキラだ。しかもお金掛かってそう。日本勢だと無理だと思う。そして電気自動車である。こういったクルマ、今の日本じゃとうてい作れないと思う。今出しても売れないでしょうけど。

とにかく攻める! 遊んでいるし楽しい! 昭和50年代後半の日本を見てるようだ。当時、欧州の自動車メーカーは次々とギミックも含め新しい技術を投入してくる日本勢を見てたまげたもの。驚くことにデザインも洗練されてきた。特にグリルレスのデザインに付いて言えば、欧州勢よりずっとスタイリッシュ。セダンもクーペもSUVも私が見たって「悪くないねぇ~」。

日本勢の電気自動車はホンダの「プレミアム エレクトリックSUV」のみ。フロントはプレリュードと同じトヨタ風でまとまっているものの、ヴェゼルと思われる全体のシルエットと合っていない。インテリアだってNonキラキラ。どういった基準でプレミアムなのか聞きたくなるほど。ホンダも売れるとは思っていないらしく、レンタカー専用車だという。狙いは悪くないか。

というのも電気自動車ブームに沸くタイながら、充電インフラ整っていらず。お金持ちがセカンドカーや奥さん用のクルマとして買っている状況。すでに販売台数は右肩下がりとなっており、今後も厳しいと考えます。タイの国民性、日本より熱くなりやすく醒めやすい。ということでタイについちゃ焦る必要ないのだけれど、日本勢の存在感の薄さが気になる。

上も中国車のインテリア。お金掛かっているし明るいしキラキラしている。質感もじっくりチェックしてみたけれど(コ・ドラの木原さんがいたら、と思った次第)、私の眼力だと「いいなぁ」としか感じない。スイッチの節度やシート地の感覚、樹脂の質感、色の使い方を含め「苦しゅうない」なのだった。これは200万円級の安価がクルマも同じ。中国市場で勝てるワケない。

<おすすめ記事>

4 Responses to “バンコクモーターショーで中国勢にアタマをぶん殴られたような気分になりました。こらマズい”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    力(お金と言ってもいい)を持っている中国勢ですが、気になるのは「デザイナーもプランナーも欧州の人」という点です。
    もし、インドネシア・タイが力を付けてきてこういう人をひきぬいて車を造りだしたら、中国はどうするのでしょう。またパクリになるのか、BYD・ATTO3のような筋肉質でうねうねしたインパネばかりになるのでしょうか。
    しょっぱいかがらも自力でやっている日本が少しは現実的でよい気がしてきました。お金さえ積んで人を呼んで来ればいいのであれば、日本に来て作ってもらっても同じかも。

    むしろ中国人が作って売っている紅旗の民生版のほうが絢爛豪華な「中国」を感じさせるデザインでいいと思うんですがいかがなもんでしょう。
    ヨーロッパ、アメリカそれぞれのお国柄がわかるのが車の楽しさであり、わざわざ欧州車っぽい車をデザイナーまで連れてきて作らせることに意味はあるのでしょうか。

  2. トリシティライダー より:

    いつも楽しみに拝読しています。
    MGのCybersterは、東京モビリティショーで一番目立ってたモックアップのマツダICONICがインスパイアされた(=パクった)原型としか思えないほどカッコいいです。
    こんなクルマが間もなくタイやイギリスを始めとした欧州を走り回るのに、日本での発売情報無くてザンネンです。
    ハナシは飛躍しますが、これってもしかして、日本の「右ハンドル+CHAdeMo(+単相3線100/200V)」というガラパゴ諸島置き去り確実な規格に起因しているんでしょうか?
    だとすると日本は、(北米がCCS1を捨て去るように)瀕死のCHAdeMoを捨て去り、同じ右ハンドル国のタイ、オーストラリア、イギリス等と同じくCCS2に移行すれば良さげに思えます。
    そうすれば日本自動車OEM各社も開発コスト削減できたり、中古車輸出ビジネス(+日本の新車買い替え促進)の生態系が成り立つのではと考えます。
    今のままでは、業界団体が鎖国するつもりに映り、日本のユーザーは永久にCHAdeMoを強いられるのではないかと危惧してしまいます。
    茶でも飲んでいる間に世界から益々取り残されそうです。

  3. TOM より:

    EVに関しては中国一強になりつつありますね。魅力的な車を出してくる元気(現金)は、どこから湧いてくるのか不思議です。MGなんて米国で馬鹿売れしているとも聞かないし。かたやテスラは中国から追い出されるか撤退が近いかもしれませんね。次の打つ手が見えず株価はダダ下がり。(アップルに似ている気もします。株価は下がっていませんがw)
    古い人間としては、魅力的な車が続出したとしても、マーケットが薄っぺらくなっていく気がしてなりません。EVの寿命なんて5年以内の消耗品化する気がします。けっして旧車・名車なんて出ないでしょうね。

  4. JZ より:

    2、3枚目のオープンカーはジャガーFタイプとコルベットのキメラですし、6枚目の内装はCX-60の丸パクリに見えます。

    確かに勢いは感じますが、未だ中国車のデザインにはどこか胡散臭い印象を受けるのは私だけでしょうか。

コメントを残す

このページの先頭へ