パナソニック、テスラに賭ける?

テスラをどう評価するか、ギョウカイでも意見が二分している。クルマに詳しい人ほど辛口で、クルマのことを少し知っている
新興勢力は絶賛してます。そんな中、パナソニックが絶賛側になった? 何と! テスラと一緒にアメリカで1000億円投資し電池工場を作るらしい、という情報を日経Webで報じている。

なるほど米国に於ける販売台数を見ると、昨年はボルト、リーフに続く電気自動車の3位。今年1月はテスラ
がリーフを僅差で破り電気自動車の1位。GMとニッサンが社運を賭けて開発したボルトとリーフを、テスラを圧倒するディーラー規模で売っていることを考え
れば、テスラって大成功してると言って良い。

パナソニックの経営陣は「これだ!」と考えたに違いない。ここで気になるの、どういった電池
の工場なのかという点。電気自動車用のリチウム電池の工場なら理解出来る。けれどテスラが使っている汎用の18650電池だとしたら、おそらく中国に代表される新興国のリチウム電池に価格で勝てなくなる。

ちなみに高い信頼性が要求される電気自動車用のリチウム電池の工場と、すでに中国でも
量産できる18650電池の工場の品質管理は全く次元が違う。簡単に変更出来ないと考えます。ちなみに私はテスラが大化けすると思っていない。もちろん高額車のシェアをキチンと確保できるだろう。

しかしテスラの技術で量産車を作るとなれば、価格と電費と品質という3つの高いハードルを越え
なくちゃならない。18650電池を使うのなら、寿命の問題も出てくるだろう。モデルSのように1回400km走れるほど大量の電池を積めば、500回の充放電寿命で20万km走れるから必要にして十分。

されど航続距離150kmの普及モデルを作ると、500回の充放電寿命だと7万5千
kmになってしまう。かといって電池をもっと積もうとすれば、大きく重く高額になる。電気自動車用のリチウム電池ならそういった心配は少なくなる反面、ライバルの電気自動車と同じ土俵で戦わなければならなくなります。

つまり今のポジションと市場規模がテスラにとってちょうど良い。スケベ根性出すと、ホンキになって電気自動車やPHEVを出してくる大手の自動車メーカーと戦うハメになり、たちまち厳しくなると思う。ということをパナソニックが認識していればいい。ソニーのようになって欲しくないです。

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