フランクフルトショー改めミュンヘンショー、中国勢が怒濤の出展。日本勢は出展無し
2019年まで『フランクフルトショー』だったモーターショーが場所を変え『ミュヘンショー』になった。興味深いことに、いわゆる”モーターショー”のメイン会場は屋外。そして入場無料。室内展示といえば明るくて華やかなモーターショーというより「勉強館」のようになっており、入場料何と2万4000円! 2400円と間違えたかと持ったほど高い。入場者数の大半が無料エリアです。
いわゆる「モーターショー」は屋外&無料
日本と同じく欧州もモーターショー人気が陰りが出ており、ドイツは思い切った方向に舵を切った。聞くところによれば東京モーターショー改め『ジャパンモビリティショー』も、華やかでワクワクするクルマと綺麗な人達を見せるというより、勉強させる展示になるようだ。こんな時期だからこそ華やかなショーにしたらいいと私は思うのだけれど、果たしてモビリティショーやいかに。
ミュンヘンショーでした。ドイツ人も覚悟していたようだけれど、中国勢が怒濤のように押し寄せてきた。何と出展社の40%以上が中国企業。BYDのブースなんかメルセデス以上の面積というから驚く! なんで中国を容認するかと言えば、ドイツの自動車メーカーは中国無しで生きていけない状況になっているからに他ならない。ドイツ勢、世界中の市場でシェアを失いつつある。
VW、日本で大失速し、販売台数急減。世界一利益率の高いアメリカ市場だって厳しい。欧州ではステランティスやルノーにジワジワとシェアを奪われている。これまでVWが得意としていた新興国も韓国勢や中国勢の進出で防戦一方。中国市場を失ってしまうと、もはや縮小均衡策をとり続けなければならないことになる。したがって中国勢をドイツから閉め出すことは自らの首を絞めようなもの。
しかも電気自動車とPHVをキラーコンテンツにしている中国勢は環境意識高まる欧州市場のニーズと一致している。2重の意味で制限出来ない状況。やがて中国勢が欧州に電池工場など作り、クルマ全体の生産も始めることだろう。工場は欧州に作るため、労働者は減らない。そうなったら欧州勢は打つ手無し。真綿で首を絞められるが如く、中国勢にシェアを奪われて行くことになるだろう。
中国勢が欧州勢より良い雇用条件を出せば、欧州としちゃ問題無し。単に欧州の自動車メーカーが衰退していくだけですから。しかも移民の多い欧州だと、中国車に対する抵抗だってない。コストパフォーマンスの高い優れた製品であれば躊躇わず買うことだろう。欧州勢、電気自動車のコストダウンで大きなハードルを超えなければならないが、中国勢は楽々越えてくるに違いない。
日本導入を決めたBYDシーガル
欧州は「パンドラの箱」を開けたのかもしれない。たくさんの混乱が飛び出し、残ったのは中国ということになりかねない状況。幸い日本の場合、中国ブランドを買うことに躊躇する人が多いけれど『シーガル』という小型電気自動車が200万円少々で出てきたら大いに厳しいと思う。すでにトヨタは開発にドライブを掛けており、マツダやスバルもギアを切り換えた。ここからは時間との勝負です。
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まことしやかな都市伝説的な論では「欧州(EU)は日本車(特にトヨタ)潰しの為にEV化を推し進めた」というのがありますが、仮にそれが真実だとしたら結果的にある意味で共存可能な日本車を叩き出すよりもっとタチの悪い中国を呼び込んだ挙句、腹の中から食い破られる結果になるんでしょうかね。
それはさておき、私はEVを否定はしませんが礼賛論者ではないです。ただ正直BYDには魅力を感じてます。
それはEVやエンジンといった部分ではなくてこれからのし上がって行こう」とする勢いというか「若さ」的な魅力とでも言いましょうか。
確かに「中華製品」のブランドイメージは良くないですし、実際日本車や欧州車のような「老成」した信頼性には程遠いでしょう。
中国という「ズルをして急成長した」国の自動車メーカーという印象の悪さもあります。(もっともBYDに限りませんが)
ただBYD車、デザインに少し(?)粗削り感はあるものの、ウィスキーなどのような「ブラインドテイスティング」的な事をもしクルマでもできたら意外と人気を集めそうな気はします。
天の邪鬼な私はリチウム電池だろうがリン酸鉄だろうが全固体だろうがクソ重たくて充電というメンド臭さを気にしなきゃいけない上に普及に補助金頼みのバカ高くイデオロギー的主張が強いEVは嫌いではないですがあまり魅力は感じていません。
しかしBYD車、いつの間にか日本車から感じなくなった「坂の上の雲」感を感じさせてくれます。
補助金なしで200万円台で買えて自宅充電設備とカーポートがあればドルフィンやシーガルなら乗ってみたいと思います。あくまで写真レベルではありますが。
シーガル、カッコいいと思います。
デザインは好きなので実車が出て値段に満足いけば、我が家での「初めての電気自動車」になり得ますね。
事前準備が必要で、航続距離と出先での充電を考えねばならず、価格も高い電気自動車に魅力を感じていません。
しかし、安ければ色々我慢できるので(笑)
国内外問わず(ホントはHONDAに頑張ってほしい・・・)、そういった電気自動車が増えてほしいです。