ブレーキ抜けは決着す
昨晩のこと。トヨタの技術者から電話をもらい、本当の意味で「プリウスのブレーキ抜け」の内容が判明しました。といってもリコールになった状況や内容は、私がWebなどで書いてきた通り。間違いないそうな。最大の感心時である「リコール対応の制御コンピューターの内容」について聞く。
まずABSの稼働までは従来の制御と同じ。稼働すると回生を終了することも同じ。ちなみに対策前のユニットだと0,46秒後に、ほとんど減速Gを感じさせないような「緩い」ブレーキが立ち上がる。9日に行われた佐々木副社長の説明を受け、技術に詳しくないメディアは0,46秒後にブレーキが立ち上がると理解したらしい。
つまりNHKなどは通常のABSならブレーキ掛かるまで0,4秒。プリウス0,46秒と解釈しちゃったワケ。プリウスの不具合の本質は、0,06秒の遅れでなく「0,46秒後に減速感を感じないくらい緩いブレーキ」が立ち上がるということです。リコール対応の制御は、ABS稼働後に別の油圧系統へ切り替えるというもの。
この油圧系統を使うとABSが稼働する直前の減速感に、0,4秒より早い時間で復帰するという。気になる燃費の悪化だけれど、システム的には全く変わらないハズ。この点、問うてみたら「ABS稼働まで従来と同じ制御のため燃費には影響ありません」。ということで私もリコール対応済みのソフトに書き換えます。
リコール対応でどういった変更を行ったかという情報は、速やかにディーラーに伝えるようにするそうだ。これでブレーキ抜けについちゃ本当の意味で決着した。後はユーザーの怒りをどうやって納めるか、ということでしょう。されどディーラー網の違いによる対応の差も出ているようなので、一部不満が残りそう。
また、アメリカ側は公聴会に豊田社長の出席を要求し始めた。この席に豊田社長が座るような状況になったら、豊田社長を支えるスタッフの能力が決定的に足りないということです。2週間もあれば様々な手を打てる。
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いつも業界内部の適切な情報を提供して戴きありがとうございます。
私も30型プリウス乗りなので、今回のソフトの書き換えで燃費が悪化しないのか気になっていたので国沢さんの情報で安心してリコールを受けられます。ただ、燃費に悪影響を与えないのであれば、何故最初からそのような制御にしていなかったのかをトヨタに聞きたいですね。
トヨタ車に対するクレーム件数は、マーケットシェアの割に少ないという米メディアの報道も出てきました。バッシングは終息に向かうかもしれませんね。
プリウスのブレーキは複雑すぎて良く分かりませんが、とある報道記事を見て、
開発者の方々はプリウスの回生ブレーキを生かした「従来型より優れたABS」として旧設定をセッティングしたのではないかと思いました。
その記事によると、ABS後の弱い回生ブレーキによる制御だと、一般ABSがまだブレーキを強めたり弱めたりを繰り返しているのに、プリウスはロックしないそうです。
また従来型ABSにあったペダルの振動なども無いそうです。
HTさん>ABS稼働後は回生ブレーキを100%キャンセルします。誤情報に気を付けてください。ほとんどの記者は知らずに書いてます。
2月9日の国沢さんのコメントでは『実際、そのままのペダル踏力だと弱い減速Gのまま長い距離を走ってしまう。また、エネルギーモニターの回生バーを見ていたら、一旦「チャージ」が無くなった後、ジンワリと回生を行っている表示になってます。』とあり、ABS動作後にも回生が働いているようですが、この点はどう解釈したらよいのでしょうか?
ソフトウェア一つで終わるようなリコールで騒ぎ過ぎですね。
工業製品なんて少しづつ改良されて完全に近くなるもんです。改良の余地があればそれでいいと思います。
改良の余地がなければ設計ミスで問われる問題ですけどね。
「リコール隠し」が問われなかった事で、国内でのプリウス騒動は無事収束するでしょう。今はマスコミが「旬のネタ」を見つけて騒いでますが、そもそもが「ワァー!と騒いでサァーっと潮が引く」国民性なので一ヶ月もすれば「そんなコトあったっけ」な感じになるでしょうね(笑)。しかしアメリカではそう簡単には行かないみたいですね。「社長を公聴会に呼び出して吊し上げる」とは穏やかでないですね。でもまぁ「官僚や政治家は自国の利益のために働く存在」という当たり前のコトを彼等はしている訳ですが。それにしても「アメリカ」という国はとことん自国の利益や繁栄のために突っ走る国なんだなと改めて感じましたね。個人的にはそういう相手はパートナーにはしたくありませんが…(笑)。
ひとつだけ判らない点があります。
なぜ最初から改修後のやり方にしなかったのか?
油圧のポンプを稼動させると振動が伝わり不快であるとの説明だったのですが、ABS作動などという緊急時に振動などどうでもいいと思うのですが・・その辺の理由、判りませんか???
今回の件で分からないのは、回生ブレーキってロックするほど強くないはず。なのに滑った瞬間回生ブレーキを外すってどういう事でしょうか。詳しい方お願いします。
前原国土交通相は米国のルース駐日大使と会談し米政府に冷静な対応をとるように求めた」といった内容の新聞記事を見ました。日本としても何とかしたいと思っているのでしょうね。
個人的には、今回の件で国沢さんの説明や、みなさんの投稿などのおかげでブレーキの仕組みが多少なりとも理解でき勉強になりました。
トヨタに限らず他の日本メーカーにとっても、いろんな意味で勉強になってると思います。がんばれ日本メーカー!!!。
ワイドショーネタになるくらい、プリウスは、凄い!4プリは、リチウムイオン電池で、ユニットを、コンパクトにする為、1.5リットルV4エンジンの、アトキンソンで、40キロ迄、完全モーター走行、さらに、100%エンジンを、発電に、まわして、モーターで、100キロ迄、走れる、パラレルモードを、設定、航続距離は、短くなりますが、お好みの、ハイブリッドで、お楽しみくださいって!っていうの、どうですか?
もうちょっと教えてください。
「対策前のユニットだと0,46秒後に、ほとんど減速Gを感じさせないような「緩い」ブレーキが立ち上がる。」とのことですがここで言う「緩いブレーキ」とは回生によるブレーキでしょうか?それとも油圧ディスクによるものでしょうか?
作動の遅延が少なく、ブレーキペダルの踏み込み量に依存せずに利用できる「別の油圧系統」とは、先日自分が疑問として残していたVSC作動のための油圧系統・メカニズムですかね…他に考えられないですし。
このVSC作動のための油圧系統を使うことによる作動音発生を嫌って意図的に問題の仕様に決めていたとすれば、安全面の思想に疑問が残ります。少なくとも問題の油圧系統がペダル操作量に依存する構成になっているというのは簡単に分かることですし、誰もが直ちに踏み増すことに期待するという「肝心な所で人任せ」の仕様は、事前に説明されていない高齢者などがパニックに陥る可能性が大きく、危険だと思います。
昨日に対応して100キロ位走ってきました。
車は8ヶ月乗っていますので、感覚の違いは分かるほうです。
対応後のブレーキの感覚が非常にスムーズになって好みです。
しかし、国沢さんの解説では、ABSに関するところだけが修正とありますが、それ以上に通常の回生の時でもブレーキの感覚が格段に良くなっていることは、ブレーキ全体について修正したということではないのでしょうか?
それでも回生は影響受けないという説明なのでしょうか?
国沢さんの説明で理解しました。
なぜ改修後の設定に最初からしなかったのかとコメントもありますが
旧設定でも保安基準は満たしていたのでしょう。
現在、自動車も含めてソフトウェアが重要になっていますが
メーカーでは、ハードウェアの開発が先行するので
ハードウェアの仕様が決まってからソフトウェアの開発が進められます。
ハードウェアの開発が遅れると、しわ寄せがソフトウェアの開発にくるので
検証(感性も含めて)が不十分になる可能性があります。
これは他業種でも問題点として指摘されています。
ABS稼働前は従来と同じ=燃費は代わらない
理解できます。
しかし、改修後にブレーキ(回生?油圧?)が停車直前に滑らかになった気がします。気のせいでしょうか?
教えてください。頭が良くないので理解出来ません。
1.朝日新聞の図解では、ABSが作動する0.4秒間は速度が落ちずその分制動距離も延びる(当然)として有りました。0.06秒の話は置いておきます。
Q1:その間はブレーキ力は0(4輪共)ですか?
Q2:ABSが作動する0.4秒間と有りましたがなぜ0.4秒ですか?(車速20KM/Hの条件は知っています)ABSは各輪の回転数の差を検知して作動(ブレーキ力解放によりタイヤのスリップを防ぎ駆動力を保持)し、車のハンドル操作を助けるものと教わってきたものですから、路面の状況(各輪の)で変わるのではないでしょうか?ある状況での一例ですという説明があればいいのですが各情報共あまり見かけないものですので。
Q3:この車の場合はABS(他のブレーキコントロールシステムは良くわかりませんが)が作動したら、必ず少なく共0.4秒間はブレーキペダルを踏んでいるにもかかわらずブレーキ力が車〜抜けるのですか?(そんなことはないですネ)
Q4:もしQ3が正解だとしたら0.4秒は長くないですか?
また、正解じゃないにしてもABSが作動しているうちは効かないのですか?(新聞ではそうも読めたし、車速20KM/Hで走る人って少ないですし)
Q5:回生ブレーキは前輪だけですか?後輪は油圧のみですね?
Q6:この症状は低速域でのみ発生するとありますが、具体的には何KM/H以下〜かご存知ですか?
決着した話にトンチンカンな質問で申し訳ですがもし教えていただけるとすっきりします。よろしくお願いします。
今回のリコール車種から電源が落ちた時のバックアップのキャパシタが廃止され、
ブレーキの踏み込む力のみで電源なしの非常時は止まる事を想定していますが、
今回のリコールでABS作動時もポンプ圧力を使う系統に変更になりましたが
何らかのトラブルで電源の落ちた場合は、踏みこむ圧力で止まる油圧系統に切り替わるのでしょうか?
tsさん>極端な低μの路面では、通常考えられない程に簡単にロックするような場面があります。そういう場面だと、回生程度の制動でもロックするという事ではないでしょうか。
自分は旭川在住で、新型プリウスも試乗程度ですが運転したことがあります。
冬の北海道は通勤時間帯の渋滞で30キロ以下の流れになることはよくあります。
そして、一番滑るのが交差点手前の10m位。発進、停止のスリップで磨きがかかるからです。
プリウスをBレンジにするとかなりの減速感があります。冬道では強すぎるくらいです。なので回生ブレーキだけでもスリップします。
回生ブレーキ中にABSが働くと片輪のスリップでも両輪を解放するしかできません。回生ブレーキなのでもちろん後輪にはブレーキがかかっていません。油圧ブレーキの場合なら1輪の解放なのに回生ブレーキだとノーブレーキになるのです。
油圧ブレーキだとABSが作動するとすぐ分かるのでとりあえず踏み込むのですが、プリウスだとABSの動作が分かりにくいので余計に抜けを感じると思いますよ。
自分の愛車はFFのMT車ですがシフトダウンでスリップすることも有りますよ。
ABSが作動してからのプログラム変更なのに、通常時の制動感覚とブレーキシフトの感じが明らかに変わってるのは何故なんでしょう、やはり通常時の回生と油圧の使用領域を変えてますね。
トヨタのディーラー等で確認した内容とともに私が解釈した内容を図式化しました。
間違っている点があればご指摘ください。
http://d.hatena.ne.jp/atomisedcross/20100215
騒ぎの渦中、テレビの取材を受けました。
ブレーキが1秒も利かないという、初期の「誤報」を延々とユーザーに叩き付ける誘導尋問でしたけど、
恐らく凍結路面でもギリギリで強いブレーキ掛けて止まる人が事故起こしてるんでしょ、
雪の上でスタッフで抜けの体感実験してはどうですかと提案しました。
コスト削減のため、ABSシミュレーターを外したせいとか噂はありますが、
ともかくブレーキが利かないのではなく、
ATで言う緩やかなエンジンブレーキが一旦入っている(ジワジワとは減速している)が、
フットブレーキの瞬間強制解除される感覚が、
予め判っていないと焦るといった感じでしょうか。
指定されたリコール対象箇所では無く、また不具合ではなく仕様で、最終的に停止している、
という判断微妙な状況で、この不景気に大規模自主回収するのかどうかも、厳密にはメーカー判断。
1月製造分からのプログラム変更で対応していたが、
結局情報を米国メディアが肥大化させてしまい、世界的に対応する形に。
切り替えが不具合なのか微妙です。意地でも不具合ではない事を重ねて主張して欲しかったですが、
現状では不具合を隠し、米国メディアに突かれて慌てて公表したと一般に見られてしまいます。
レクサスですが、米国の物はかなり現地部品なのか、実は米国レクサスは酷いです。米国部品はボロボロです。
米国トヨタ・レクサスは可哀想です。