ホンダ、電気自動車用の電池は韓国の企業と協業。なぜ日本の企業と組まないのか?
2022年8月29日に韓国LGエナジーソリューションとホンダから「本日、北米で生産販売されるHondaおよびAcuraのEV用リチウムイオンバッテリーを米国で生産する合弁会社の設立に合意しました。新たな合弁会社は、関連当局の承認やその他の手続きを経て、2022年中に設立される予定です」というリリースが出た。その後の動きは驚くほど早い!
1ヶ月少々しか経っていない2022年10月11日にLGとホンダは「両社の合弁によるEV用リチウムイオンバッテリー生産工場を、米国オハイオ州の州都コロンバスから南西約40マイルに位置するファイエット郡ジェファーソンタウンシップに建設することを発表しました」。設立を発表した8月29日には工場の場所や生産開始の時期まで決まっていたと言うこと。
そして1月13日に、LGエナジーソリューションとホンダは「電気自動車用リチウムイオンバッテリー生産の合弁会社を正式に設立した」と発表した。社名は「L-H Battery Company, Inc.」。合弁会社による新工場を2024年末までに竣工させ、2025年中に北米で生産販売されるEV用にリチウムイオンバッテリーの量産を開始。全量をホンダの北米工場へ供給する。年間生産能力は40GWh。
1台の電気自動車に80kWh積むと50万台分。2026年にホンダがアメリカで販売しなければならない電気自動車の台数はおよそ30万台規模になるため、全量をLGとの合弁工場でカバー出来ると言うことになる。ホンダ専用の合弁工場なら調達コストも競合社並で済む。これでホンダも辻褄があってきた。あとは売れるデザインの電気自動車を開発すればいいということ。
自動車メーカー的には「めでたし!」となるが、日本的に考えると「なんで韓国のメーカーと組んでアメリカに工場を作るのか?」。パナソニックはテスラと組んでアメリカにギガファクトリーという大規模な電池工場を作った。本来ならホンダと組むべきは日本の企業じゃないのか? それこそソニーや、GSユアサ、日立など、リチウム電池の技術を持ってる企業は多い。
ホンダだって出来れば日本の企業と組みたかったことだろう。なぜダメなのかといえば、おそらくリスクを嫌ったんだと思う。参考までに書いておくとパナソニックが参画している30万GWhの電池工場は投資額6000億円! 40GWhなら8000億円! LGとホンダで半々出資するとしても4000億円になる。日本の企業はこれだけの投資をする決断が出来ないのだろう。
世界最大の半導体企業TSMC(台湾)は熊本工場立ち上げに掛かる費用を1兆円規模に上方修正した。なぜ日本の企業が半導体を作れないのかと言えば、1兆円投資する度胸を持っていないからに他ならない。ホンダがLGと組むしかなかった理由と根っ子は同じ。遠からず日本は下請け工場の集まりになってしまう。いろんな意味で残念だけれど、日本の実力かもしれません。
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そんなのは国が後押してバックアップしてもらえれば良いだけなんですが岸田よ聞いてますか?
アメリカでは補助金を出すBEVについて、インフレ抑制法のためどこまでを米国製にしなければならないかでもめているらしいです。
ヒュンダイ(ヒョンデ)は、韓国製も認めてほしいと言っていますが、ホンダはさっさとすべて米国で済ませられるようにしたかったのでしょう。同じ韓国のLGなんだからhyundaiにも供給したらよかったのに、とはいえ真相は分かりません。
一時期売られていたクラリティPHEVは中国のCATLの電池だったらしいですがどうなんでしょう。その頃からずっと、安価に抑えられそうなメーカーを探していたのかもしれません。
半導体については、アメリカはTSMCに来てもらいたそうなことを言っていましたが、バッテリーの会社にも来てもらったらいいのに。アメリカにも半導体メーカーも電池メーカーもあったはずなのになんで出てこないのかな?とちょっと不思議に思っています。
ホンダはただ納入価格が安ければ良いのです。
部品メーカーがロットごとに違ったり市販車でも今までにあったので、今回はLGが安かった。
高ければ即切りして別メーカーになるでしょう。
7割近くが海外生産のホンダや日産は海外企業です。国内生産に拘っているトヨタは立派でね。トヨタは下請け虐めと揶揄されるが海外生産のホンダや日産なんて調達先が海外ジャン、国内に下請けが少ないホンダや日産は楽ですな。
気の毒だけど
沈む船からはネズミが逃げ出す。。。
ホンダには、『売るクルマ』がありません。