ホンダ、23年ぶりにジェットエンジン工場認可

久しぶりの明るいニュースである。米ノースカロライナ州にあるホンダのジェットエンジン工場が、世界のスタンダードとなっている米国連邦航空局(FAA)から製造認定を得た。これでホンダは自動車と同じく自由にエンジンを製造出来る、ということ。

トラブルを起こせば大きな事故に繋がる航空機のエンジンは、非常に厳しい基準を定めている。材料の選定に始まり、加工精度の徹底的な管理、そして部品の検査などを、長い期間評価されるという。一度監査を受けて合格すればOKという一般的な認定と全く違う。

2013年に型式認定を受け、空を飛べるようになった試作機のジェットエンジンは、当初、GE(ジェネラルエレクトリック=B787のエンジンなど作っている世界TOPのメーカー)の認定工場で生産され、その後、2014年11月からノースカロライナのホンダ工場でFAAの監督下で生産されていた。

今後、前述の通りホンダが自由に生産出来るようになる。ちなみにFAAがジェットエンジン工場の製作認定を出すのは23年ぶりということで、世界の航空業界からも大きな注目を浴びている。

ホンダ製ジェットエンジンの特徴は、圧倒的な燃費の良さと信頼性の高さ。エンジンを翼の上面に搭載し空力特性を向上させていると合わせ、競合機より最大で40%も燃料消費率が低い。

エンジンのオーバーホール(分解修理)サイクルも5千時間で、競合エンジンの2倍近い。ビジネスジェットの平均的な年間稼働時間は350時間と言われているため、クルマのエンジンと同じくらいの寿命を持つということ。ユーザーからすれば大いに魅力だろう。

ホンダジェットのスペックは乗員数最大6人。最大巡航速度778km/h。最大航続距離2600km(羽田~福岡往復というイメージ)。最大運用高度13100mとこのサイズとしては十分。自慢の燃費は自動車式の表記で3,5km/L程度というから素晴らしい。

年間生産可能機数70程度。すでに100機以上の受注を受けたため現在は新規商談を中止している。飛行機業界に詳しい人によれば、400~500機の「すぐ欲しいお客」が待っているという。納機開始は来年初め。日本にも飛んでくるだろうか?

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