会社規模(時価総額)がホンダの3倍だったソニーは最初からホンダを下請けだと考えていた

ホンダとソニーが協業で電気自動車を作るというニュース、当時は皆さんポジティブに評価した。いや、直近までダメ出しした記事は見たこと無い。以下、プロジェクト発表直後の2022年3月7日に書いたことなのだけれど、最初からソニーとホンダは噛み合っていなかったし、良いクルマが出来るという素地すらなかった。そもそもソニーは今でもホンダを下請けだと考えていると思う。

2022年3月時点で「楽しみだ!」という記事が溢れている中、批判的な主張は無し。以下、そんな流れを受け、書き出しは少し大人しい(笑)。ちなみに三部さんが社長になったのは2021年4月。就任後、1)エンジン全廃宣言。2)ソニーホンダ。3)GMと電気自動車共同開発。4)中国市場の日本主体戦略。5)カナダに巨大電気自動車工場を計画。6)南デザイナーを復活。書き切れない(泣)。

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100%私の意見のため無視してもらって全くかまわないけれど、成功する確率は低いと思う。○×判定なら瞬時も迷うこと無く「上手く行かない」を選ぶ。ホンダもソニーも個性が強く、両社を知っていると「絶対譲り合えないブブンが出てくるでしょうね」と思うからだ。

記者会見は全てソニーが先

そもそも時価総額14.4兆円のソニーは、時価総額5.8兆円のホンダに「自社が企画した電気自動車の生産を委託する」くらいの気持ちでいると思う。記者発表を見ても対等の関係であれば「並びをソニ-上位」にするのなら「発表会場はホンダ」という配慮をすべき。けれど会場までソニーだった。おそらく今後もソニーはホンダを「クルマ作りを委託した会社」という位置づけにするだろう。

一方、ホンダは営業職こそビジネス的な成功をおさめているソニーに敬意を示すだろうが、技術側は誰1人としてソニーが優れていると思わないだろう。実際、いつも私の悪口の矛先になっているホンダながら、技術力は世界TOP級だと疑っていない。F1の競争力あるパワーユニットを作れる技術力持つ企業って、自動車以外を含め世界で10社もないかと。

ソニーの製品、見事に残っていない

しかもトヨタより圧倒的に少ない技術者の数で、クルマからバイク、飛行機、汎用機まで扱い、いずれのジャンルでも世界TOPと戦えている。そんな素敵なホンダがなぜ伸び悩んでしまっているかといえば、商品企画や営業など技術系以外の役員がクルマを全く理解していないからだ。日本国内の車種選定や価格戦略を見ただけで誰だって「こりゃアカン!」と思う。

ソニー、肝心の製品開発じゃゲームしか優位を保てていない。もはや技術を売りにする企業に遠い。そんなソニーが、電気自動車の開発になったら様々なリクエストをホンダにしてくることだろう。もちろん納得出来る要求なら問題無し。でもデザインやインテリアの素材、装備内容に至るまで、ソニーの意見を通そうとしてくるに違いない。ソニーってそんな会社です。

ホンダのソニー担当、大変だと思う

以前、ソニーの自動車製品を取材したことがある。通常の取材だ。なのに編集部に対し「記事を検閲させて欲しい」と連絡してきた。すぐ編集部から連絡あり「お金貰ったんですか?」と厳しく言われた。もちろん「見せる必要無し!」と返事し、以後、2度とのソニーの記事を書かないと決めた。この記事で、私はもうソニーの電気自動車の取材から省かれると思う(笑)。

ソニーってそんな会社です。ホンダなんかこれだけ悪口書かれても試乗会に呼んでくれる。なぜかといえば、良い話ばかり聞いていると良いクルマを作れないという、考えてみたら当たり前の認識を持っているからだ。ホメてくれるメディアとしか付き合わないと、やがて競争力のある製品を作れなくなります。そうやってソニーの電器製品は競争力を失ってきた。

今や私の家にソニーの製品は1つもない。世界と競争出来る技術力を持っていないソニーが世界と競争出来る技術力を持っているホンダと組み、世界で競争力のあるクルマを作ろうとしたら、ホンダの技術力を尊重し、ソニーが得意とするソフトの魅力を上乗せすることだと思う。それが出来れば面白いクルマ作りになることだろう。果たしてそれが出来るか?<2022年3月7日の記事

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7 Responses to “会社規模(時価総額)がホンダの3倍だったソニーは最初からホンダを下請けだと考えていた”

  1. 陸アヴィエイター より:

    アップルカーも雲散霧消して、ソニーホンダも無残な結果に終わり、IT関連企業主導のEVは、この先はもう出てこないでしょうね。
    デザイン見るまでは結構楽しみにしてたんですが、昭和のコンセプトカーみたいなデザインじゃ、ま、売れませんわね。

  2. RED より:

    え!?… 6)南デザイナーを復活。 …だったんですか?
    つまり、悪霊退散で封印していた御札をはがしてしまうようなことをしたと?どうりで元気になれないようなデザインばっかりですから疫病神かなんかですね。まあ、登用したのが現社長なら失脚の際には道づれににするのが当たり前でしょう。ジョブ・ローテーションとかいうのでもいいからデザイン現場から離してもらいたい。

  3. RED より:

    追記 F1やプレリュードに使われている新ロゴマークもやめて元のに戻してもらいたい。まったく良いと思わないし、会社の状況からしてCIの変更などしている場合ではないでしょうに。

  4. フランス車が好き より:

    昨日の記事と合わせて思ったのは、経営陣の見通しの甘さ、SDGsやら流行りものに踊らされた感がありますが、私としてはEVだけでなく自動車全体で価格や仕様装備など複数の問題がある中でデザインや質感の魅力のなさが特に問題だと感じています。
    数年前にもここでコメントさせてもらった内容なんですが、ミナミンのことを初めて認識したのはFIT3のエクステリアデザイン統括としてのインタビュー記事でした。

    当時、デフォルメイラストのように不自然に釣り上がったインテークダミーダクトや、角が多い形状かつ質感の低いクリアレンズ素材のようなグリル、強調しすぎのキャラクターラインなど、私にとっては違和感だらけでした。その際に読んだ記事で、他の自動車デザイナーの顔や名前はほとんど知らないのですが、ミナミンだけはしっかり記憶されました。

    そこからデザインセンター長まで登りつめたわけですが、いったい何が評価された結果なのか見当がつきません。ここまでホンダが苦戦している背景には、戦略とともにデザインのセンスのなさが大きな原因だと私以外の声も散見される中、社内評価軸は違った観点なのでしょうね。

    改めて当時のインタビュー記事を確認しました。
    https://s.response.jp/article/2013/07/19/202477.html

    「たぶん次期型フィットについてこられない人にとっては、今後も全くついてこられなくなる」

    「すべてのエクステリアデザインはまず僕が決めて、それを伊東孝紳社長や、野中俊彦常務執行役員が了承すれば終わりというスタイルに変わった」

    「デザイン面でもホンダは大企業病になっていた」と認めた上で、「格好良いもの以外は造らない。ただ、ヘイトは出てくると思っている、それはもう覚悟でやる。丸いものを造って万人に受けようとは思っていない。スポーティーなホンダにこだわりたい」

    個人の判断に依存する組織構造にしてセンスがないのに検証もせず、フィードバックも受け入れず、万人に受けなくてもいい前提だから、フィットもステップワゴンもCR-Vもアコードもレジェンドも存在感なくなっちゃって、誰もついてきてなかったんじゃないの?と思ったと同時に、13年経っても続けてるんだからそりゃこうなるよなというのが感想です。

  5. KUMA より:

    らためて、アフィーラのHPを見ましたが、「プレイステーションとYoutubeが見られるTesla」じゃん、という印象を受けました。きっと、それ以上でも、それ以下でもないんでしょうね。

    クルマにエンターテイメントを、と言ってますが、どう楽しむのか?移動中に楽しむのか、移動した先で楽しむのか、それとも、家に駐車している時に楽しむのか、全く、イメージが持てませんでした。

    任天堂がトヨタと!Netfixがテスラと!K-POPがヒョンデとコラボ!となったほうが、全然面白くなると思いますし、株もほしいですねw

  6. アミーゴ5号リリボーン より:

    ホンダは中古の初代ライフ、ソニーはカセットウォークマンから、長年お世話になってきました。

    あらためて記事を読んで、「人の真似をせず、人や社会ののためになるモノづくり」を目指してきたホンダもソニーも、もはや別モノなのかと感じ入っております。

    でもですよ、
    かつては猿マネ上等の80点主義で、楽しさよりも儲け優先で、会社の危機には創業家に責任を取らせようとした腐れ会社のトヨタが、こんなに素晴らしい会社に変貌しました。

    今やホンダ技術者は、パワポ技術者なんて揶揄されているけど、オイラ、ホンダの復活を信じたいデス!

  7. Carばる より:

    ホンダ車だけを乗り継いでいるホンダファンです。

    同時に、初代ウォークマンから何台も買い継ぎ、ビデオも終盤までβを併用していたソニーファンでしたが、応援のつもりで買ったスマホが、夏でなくても熱暴走して長時間は使えず、電池が膨れて壊れたのを機に、「ゲーム・映画と金融の会社になった」のだと納得し、以降は購入を止めました。

    中国へ外注していたPCやスマホの商品企画と品質管理が、日本の通信系の会社と比較しても上手く出来ずに縮小し続けた実力なのに、単機能のプレステ向けLSI(Cell Broadband Engine)を構想し、スマホを作れるノウハウがあると甘く考えて参入したから、時代に取り残されたし、ホンダとも上手くいかなかったのでしょう。

    1987年に創業した通信機器・ITソリューションメーカーHuawei(ファーウェイ)は、5Gの通信機器の圧倒的な開発力とコスパで世界を席巻し、米国の意向で西側ではメインストリームから外れましたが、自動車ブランド「問界(AITO)」でも、欧州EVやBYDを凌ぐ性能を圧倒的な低価格で提供しているのとは対照的。

    この状況を察したトヨタと日産はEV開発を現地化しましたが、判断が遅れた他社やホンダは撤退や低迷の憂き目に。

    ソニーには、複合的なノウハウを含むSDVを構想し開発・実装する能力はないので、アップル同様にクルマからの撤退が正解でしょう。

    エンジン、バイクとクルマとから撤退できないホンダには、数人のインナーサークルだけで重要事項を決めるのではなく、トヨタの様に全部門の意見と知恵を入れ、持てるリソースで叶えられる顧客価値を深掘りし、承認基準になるまで鍛える機会を与えて、新たなワクワクする提案のある商品企画・開発・発売を期待します。

    尚、バブル崩壊後のマツダのM2に於ける公開リサーチにて、『米国向けばかりで国内向け提案がない』ホンダ社員へ、私がした提案が、①センタータンクレイアウト・大型モーターが使えないならDCTで走りのHV・ワクワクゲート・普通車超える軽自動車などを作り、②利益出し、③EF型の一括企画を復活・レベルUPし、F1よりラリーに出てクルマを鍛え、もっと走りの良いホンダらしいクルマづくり「価値提案」を! ④無理なら生き残りへ『似た』状況の日産と早期提携を。

    ①で得た「現実的な提案」以外、30~20年以上も独自提案が的外れで、残る②利益をF1に費やし、目的の③ホンダらしい「価値提案」と④合理化・生き残り策を取らずに大幅赤字へ転落させた、『情報収集・リスク見積・対処戦略・企画構想・計画・実現能力の低い経営陣』の早急な刷新と、それを生み出した仕組みの改革をお願いしたい。

    ファンとしては、再び、持てるリソースで叶えられる「現実的なアイデア提案」させていただきたく思います。

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