ホンダ、2027年度は初めての赤字になる可能性が出てきた。関係者は台風に飛び込む準備を!
ここにきて複数のメディアでホンダのベトナムに於ける販売台数減が報じられるようになってきた。ホンダも少し認識しているらしく、2026年上半期(2025年4月~9月)までの決算説明会で「ベトナムの販売減少で」と何度か表記している。なぜベトナム一国の2輪販売台数減がホンダの決算に関係してくるのか? おそらく財務担当者は相当の危機感を持っている。
上は上半期の数字である。4輪事業は730億円の赤字! アメリカでクルマを売るときに得られる金融サービスで1432億円の利益を生んで730億円の赤字をカバーしているものの、4輪の黒字は702億円しかない。一方、2輪の黒字は3682億円だ。上四半期はホンダの収益の81%が2輪ということになる。ホンダの4輪部門の開発費やF1予算も2輪事業が支えてます。
ホンダの世界2輪販売台数は2024年度で2057万台。ベトナムといえば215万台で、10%を占める。ベトナムは利益率が高いため、2輪の黒字の10%以上となる。ホンダの決算説明会で「ベトナムの販売減少で」を繰り返すのは、極めて重要な市場だからに他ならない。そのベトナムでホンダの”負け”が堤防の穴のように広がりつつあるから深刻である。
ベトナムの販売減少は、ビンファストというベトナムがバックアップしている企業が安価で高い性能を持つ電動バイクを作る一方、首都ハノイで都心部のエンジンバイク乗り入れ規制を始めることを決めた。今後、ホーチミンも乗り入れ規制を始める予定。そんな動きを反映し、エンジンバイクしか作っていないホンダの売れ行きが急減しているのだった。
三部さんを筆頭にするホンダ経営陣はベトナム政府に「規制はやめてほしい。ホンダのベトナム工場を閉めることになり失業者が出るぞ」とプレッシャーを掛けているけれど、そんなこと聞かない。ビンファストがホンダの工場を買い取ったっていい。唯一の対応策はホンダも安価な電動バイクを作るコトながら、現時点で全く危機感を持っていない。
そもそもホンダは依然として熱に弱く高価な三元系リチウムにこだわっている。三元系リチウム、沖縄ですら寿命が短いと言われ始めた。東南アジアじゃ無理! 今日からLFPに切り換えたって2年は掛かる。その間、ビンファストが今のペースで成長したら、もはやホンダはシェアを取り戻すことなど難しい。ホンダ(日本)が得ていた利益、ビンファスト(ベトナム)に入るし。
ベトナムの状況はホンダの2輪が売れている他の国も見ている。深刻なのは工業生産力を持つインドとタイ、インドネシア、マレーシアだ。こういった国も2輪の排気ガスによる大気汚染防止と二酸化炭素削減を迫られている。すでにインドやタイなどは2輪の技術が育ち始めている。燃えないLFPなら生産のハードルだって低い。中国も喜んで出張ってくると思う。
もちろんホンダの2輪事業は深い根を持つため2年くらいで赤字になるようなことなどない。ただ収益は確実に落ち始めることだろう。そのタイミングで現在進行形で巨額の投資をしている中国の4輪が撤退も考えなければならないほど困窮する可能性大。欧州は復活の見込み無し。東南アジアも中国勢に抑えられそう。日本はミナミンデザインが4年は続く。
ホンダを売ってるというので「しまむら」デビューしました!
アメリカはカナダとメキシコ工場の問題を抱えつつ、元気なトヨタや台頭する韓国勢と激しい戦いをしなければならない。三部さんは小澤参謀のアドバイスを忠実に実行し、ミナミンの素敵なデザインを武器に強い台風のど真ん中に突っ込んで行こうとしているのだった。ホンダファンとしちゃ、いや日本の自動車産業のファンとしちゃ「そっちは危ないぞ!」と言いたい。
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三部さんを降ろそうという動きはないのですか?
次の社長も三部さんが指名すると思うと悪夢でしかない。
いや、悪夢の始まりは八郷さんからだったか
ベトナムの気質って難しい所があって、「中国人よりイデオロギーを信じてて、また少数の付き合い以外では組織的に纏まれず、さらに妙な裏切り癖がある」という不可解なモノなので、日本人には理解に限度があって「過剰に期待せず損得で程々に付き合う」位で良いのではと思います。
あの気質周辺には、南北で別れてポルポトが出た根源みたいなモノを感じます。
入れ込んで、彼ら自身でもどうにもならない部分に期待すると大ヤケドします(笑)
純粋に「Z」やり出すのは彼らの病根です。
どこもカントリーリスクが増大してる環境の中、今後付き合う所を考えるには、安直に「偏見」とか言われてタブー視され易い「国民性と信用」の部分をより現実直視するしかないんではと。根っこですから。
昔の人は一方で持っていた部分ですね。今の反知性界隈では「頭の悪い扇動感情論」にしか成らない部分ですが。
程度が悪くなり過ぎてジャミング効果というか、「そのネタ取扱い注意」という本末転倒な「次元の狭間」に陥ってる気はします(笑)
短文反知性、組織的ティクトックネット工作の時代なので扇動する側はやり易いでしょうね。話大分逸れました。
追伸。
つまり「ビンファスト」は彼らの「Z」の可能性が高いです。今までの付き合いや信用を発作みたいなイデオロギーで急にめちゃくちゃにします。悪癖。
トドメが足りなかった(笑)
ベトナムの2輪市場は急速な転換期を迎え始めていますね。
エンジン屋のホンダとすれば、世界一の技術力とシェア・生産供給体制を自負しているでしょうし、品質に関してもまだ概ねリードを保っているのは事実かと思います。
とはいえ、政治の動きとも関連し、潮流の変化を慎重に先読みしておかないと、あっという間に足元をすくわれる可能性も否定できませんね。
個人的にはホンダの2輪(現在)と4輪(過去)を所有した経験からすると、やはり2輪に比べると4輪の商品力はちょっと弱いかなと感じています。過去にはライフ、シビック、アコード、初代NSXなど、傑出した車もありながら、現在の売れ筋はほぼN-BOXのみ。今年のカーオブザイヤーで新型プレリュードが2位に入ったようですが、実用性や価格からしてそんなに売れるとも思えないですし、収益の柱となるような登録車を出していかないと経営的に厳しいですね。
F1で得た名声と蓄積した技術のフィードバックはどのように活かされるのか?肝心の欧州でシェアを伸ばせないとなったら、夢とロマンだけでやっていけるのか?
会社としてどんなビジョンを描いているのか、興味深いです。