ホンダから出てきたベンチャーが作った特定小型原付に試乗してみたら‥‥

ストリームならぬストリーモの発表回が行われた。7月1日から始まるいわゆる『特定小型原付』となるモデルです。先行発売では300台の限定枠に1200人も購入を希望する人が居て抽選になったという。価格は30万円。金額を見て「高い」と思うなら、すっかり忘れていい。「超おすすめ!」という乗り物じゃありませんです。以下、欲しいと思った人に。

買う気がなくならないよう、課題から先に書いておく。まず走り出して一番「う~ん!」なのが、60歳以上の人なら覚えているだろう茶色の国電的吊り掛け式直流モーターのフィールです。走り出しで明確なコギングを出す。ゆっくりアクセル開けて行くと「カリカリ」という振動まで出ている。中国製のナインボットですら走り出しは滑らか。モーターと制御技術、日本は遅れた。

ブレーキレバーの品質や利き味もイマイチ。これまた7万円くらいで買えるナインボットに届いていない。30万円という価格からすれば、もっとクオリティは必要だと思う。また、この手の乗り物が持つ「超低重心。人が乗ると重心が高くて移動する」という特性も変わらない。速度出して急に転舵しようとした時の挙動や、ライントレース性は自転車に遠く及ばず。

何より心配なのが斜めの目地を通過するときのハンドルの取られ。東京都内で路肩を走ろうとすると深い目地がたくさんある。私が自転車で激しく転倒したのも水たまりで見えにくかった目地です。前輪は10インチでこの手の乗り物としちゃ大きい方だけれど、目地は厳しい。開発担当者に聞いてみたら、そのあたりの認識は無いという。都内走ったら解ります。

ということを抜きにして評価したら面白い乗り物です。なかでも「いいね!」なのが車速低い時の安定性。後輪2つで自立機能を持つ。ステップに立って停止中、両手を離しても安定して直立している。車速低い時は前述の「危険」や「繰安」も無視出来る。6km/h以下の歩くような速度で移動している限り、2輪の電動キックボードと全く違う安心感です。

ただ10km/hを超えたあたりから徐々に2輪の電動キックボートと同じような操安性になっていく。20km/h出せば”ほぼ”同じ。試乗会で他の人の走りを見ていたが、やはり10cm幅のライントレースは出来ないようだ。速度遅いときは「ハンドル切って走る乗り物」なのだけれど速度上がってくるとスノーボードのように重心でコントロールする乗り物に切り替わる。

ということで使用環境次第だと思う。八丈島のように道路がキレイで交通もノンビリしているような地域での移動手段として考えるなら、電動キックボードより可能性ある。20万円を切ってくれば商品として成立することだろう。もし売れ行きが伸び悩むようなら、いくつも打つ手はあると思った次第。私は価格次第で買おうと考えていたものの、見送りました。

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3 Responses to “ホンダから出てきたベンチャーが作った特定小型原付に試乗してみたら‥‥”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    私は2輪には乗らないのですが、近所の買い物で軽自動車でももったいない距離の時に原付があったらいいかもと思うと気があります。そんなときには50㏄の原付よりこちらの方が親和性があるかもと思います。
    ただ、6㎞/hで歩道を走っていいと言っても、歩道へ乗り上げるときは前輪がとられるでしょうし人を避けたりするとき6km/hは少し速い。
    おもしろい乗り物ですが、初期のEVやFCVのようにこれから育っていく乗り物なのかは少し迷いますね。

  2. 国産大好き より:

    なんかホンダらしい独創性が感じられないですね。
    はっきり言って中国製にありそうな感じです。ホンダが作るのなら小径タイヤでも段差を気にせず走れるとか何かの新しいアイデアが欲しかったです。
    しかしなぜこのタイプの3輪はFが1輪、R2輪なんでしょう。シニアカーがその配置で転倒するということで4輪になりましたが、F2輪、R1輪だといけないのですかね。駆動輪がリアだからでしょうか?
    FFのホンダだからこれもFFなら面白かったのに。

  3. z151 サンバー愛好者 より:

    電動キックボードと全くカデゴリーが違うのですが、先日健康診断に行った際、凄くかっこいい電動車椅子に乗っていらっしゃった方がおりまして。
    最高速度こそ恐らく6km/hに抑えられているものの、バスケットボールのピポットターンばりの小回り性と応答性がちょっと印象に残りました。

    https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/3AD1B1C5C725419CB2DDEBD34AD24272?utm_source=google&utm_medium=pla&campaignid=19338168922&gclid=Cj0KCQjwtO-kBhDIARIsAL6Lord3qnjfbU3xj-SDJM4AHgZ65EnlH7Mg184CIvEHkEpgE8vlB9XO-9waAunnEALw_wcB%20#

    お値段約50万円をどう捉えるかというところですが、シニアカーと考えるとおよそ12万円くらい安いとなるし、ベーシックな電動車椅子と考えると4倍くらい高い。
    ただね、カッコイイ。
    介護保険でレンタルして貰うと月2900円とか。
    こうなってしまうとメンテナンスも考えて「安い」とさえ言えそう。
    何より乗っている人が人生前向きに見えます。コレ凄く凄く大事!!
    ちなみにFF駆動です。
    母が難病に掛かり手足の動作がおぼつかないので奨めていこうと画策中です。(笑)

    こういうの、ホンダから出して欲しいんですよ!
    勝利の女神・ニケの翼を全ての人に!
    ホンダがんばれ!!

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