ホンダの利益の3分の1は2輪部門。電動化で遅れ新興勢力にヤラれるかも
何度か書いてきた通りホンダの収益の3分の1は2輪部門からのもの。なかでも稼ぎ頭になっているのが新興国市場の「働くバイク」達です。例えばベトナムの2輪の収益でホンダ全体の10%を占めるというから驚く。1台あたりの利益こそ少ないけれど、膨大な台数を販売したら儲かるのだった。ホンダにとって働くバイク部門は最も重要な防御ラインということになる。
そんな2輪事業ながら客観的に見ていると「大丈夫か?」と思える点があります。電動化だ。モーターショーにコンセプトバイクを出展したり、郵便配達用の電動バイクを出したりしているけれど、性能的にイマイチの上、冗談のような価格設定。下の原付バイクで43万3千円ときた。航続距離43km。こんなバイク出したって普通の人は買わないでしょう。
下のバイクは台湾の雄であるキムコ(ルーツはホンダが出資していた光陽工業)が出してきた電動スクーターだ。台湾、キムコに代表される台湾のメーカーが強く、ホンダは2017年に台湾市場へ再進出したものの、小型バイクについちゃ全く歯が立たない状況。品質も性能も高いのだった。そんなキムコ、ついに本格的な電動バイクを作り始める!
スイングアームにモーターをセット。2段変速
素晴らしいのがスペック。125ccバイクに相当する13馬力のモーターを搭載し、0~50km/h加速3秒の最高速110km/hを発揮。航続距離120kmという十分な性能をもちながら、車両重量107kgに押さえてきた。リチウムイオン電池の容量3,8kWhとけっこう積んでいる。価格が不明ながら、高くないという。車両価格+燃料コストでエンジン車に近ければ売れるだろう。
今やリチウム鉄電池は安くなってきた。キムコのような新進気鋭のメーカーがベトナムなどでカブの代替になるような電動バイクを出してきたら驚異だ。今やホンダの課題は決断の遅さ。本来なら先頭切って電動バイクを作って行くべきだと思う。キムコの電動バイク、日本で売る予定ないようだけれど、30万円台で出してきたらけっこう人気になることだろう。
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