ホンダの社長記者会見、中身無し。ブレーンいない? もしかして裸の王様なのか

上海ショックを目の当たりにしたトヨタの中嶋副社長は帰国するなり「このまんまだとトヨタは終わる!」と危機感全開になって大暴れ状態と聞く中、ホンダが『2023ビジネスアップデート』という電動化を含む企業変革に向けた取り組みを発表するそうな。行方不明がウワサされる三部さん登壇とのこと。御尊顔を拝察出来るというので伺ってきた次第。

本物の三部さん初めて見ました

どんなビジョンを発表するかと思いきや、驚くべきことに中身ほぼ無し! 事業は予定通りに進捗しているとのこと。記者からの質問も、全て「認識している」「対応している」「今は中身はいえんけど」というフォーマットでの答え。例えば下のデータ。固定費を削減することにより、売上高利益率7%を達成するという。内容は「2輪事業とエンジン車で利益を出す」。

考えて頂きたい。直近の売上高利益率は4輪部門で1.3%。言うまでもなく全てエンジン車だ。今後、電気自動車が増えると同時にエンジン車の全台数は減っていく。全需1000万台とした時、電気自動車300万台になるとエンジン車は700万台。今のままのシェアをキープしたって30%も減ってしまう。実際はトヨタのようにエンジン車で販売台数落とさないメーカーもあると思う。

となれば只でさえ中国で販売台数を落としているホンダなどは厳しいと思う。そもそもエンジン車で勝ち残る作戦が見えてこない。なんせこの生き残り勝負、規制強化の2026年に決着する。トヨタはすでの絶好調状態になっているハイブリッド車のラインナップを現在の台数で維持したまま売ろうとするだろう。ホンダを見るとアメリカも欧州も日本も戦える競争力あるハイブリッド無し。

今回「国内の電動化を加速」ということで上の資料を出してきた。軽自動車を除けばわずか2車種。これで「加速!」と言われると、ウナるのみ。はたまた上海ショーについての印象をメディアから問われても「認識している。対応を考えている。言えんけど」。危機感を持っているのかもしれないが、記者会見の雰囲気からすれば違う星の話のような感じ。

もしかして三部さんに問題があるんじゃないのかもしれない。だって裸の王様です。社長にここまで空っぽな答弁をさせるなんて考えられない。私が三部さんの側近なら上海でショックを受けたことや、今のホンダに足りないモノ。そして危機感を1万%持っていることなどを語らせるだろう。メディアだってバカじゃない(一部鵜呑みの人もいる?)。

このままだと救世主が現れない限り厳しいかもしれない。1955年と1965年の経営危機は、朝鮮戦争とベトナム戦争の特需で救われた。特需無ければホンダは無い。1990年代初頭の赤字は(三菱自動車に吸収されるとまで言われた)、有沢さんのクリエイティブムーバーシリーズに救われている。有沢さんいなかったら違うホンダになっていただろう。今度はどんな救世主が出てくるか?

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6 Responses to “ホンダの社長記者会見、中身無し。ブレーンいない? もしかして裸の王様なのか”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    私にも、確かに中身のない(ご本人が言うように広く→薄く)感じで聞こえました。今まで言ったことをまとめたような、状況報告のような。
    だれもテスラのようにアッと驚くことを求めているわけではありませんが、それはアナリストが記事にしてたよ、という事をいまさら。
    それに、ホンダは社長が変わってから「さらにEVメーカーになります、FCやります」といってICE開発者を冷遇していたのに、またぞろ「ICE(2輪含めて)・HEVでもうけて将来に投資していきます」といわれても正直「どの口が(笑)」
    国内のEVもNシリーズベースと小型2車種でさみしい限りですし、アメリカもGM協業車とソニー協業車だけしか出てこないので、全部が円満に売れても縮小方向。
    これから使えそうなe:HEVもシビックに載る一本だけ。
    はじめて「これは詰んだか?」と言う言葉が自分から思い浮かびました。
    中国に行った5人の方、なんて報告したのでしょう?それとも聞き入れてもらえなかったのかな。

  2. アミーゴ5号 より:

    有澤さんに反応しました。

    確か、ワンダーシビックや2代目プレリュードのTV-CMを手掛けた方だと記憶しています。

    What a wonderful world のワンダーシビック、ボレロの2代目プレリュード。今Youtubeで見ても、超カッコイイ。シビレます。

    クリエイティブムーバーの企画の元締めの有澤さんが、あのCMを創ったと知った時は、クルマ創りというものは、頭脳明晰で努力を惜しまないのはもちろん、圧倒的な千里眼とセンスがないとマネジメントできないのだと痛感しました。

    今のホンダは、少し前に崩壊寸前だったF1体制とよく似ていますね。問題は個々人というよりも、マネジメントなのだと感じております。

    社長もさることながら、アメリカかぶれの役員やら管理者やらが何人もいそうですネ。

  3. サマンサ より:

    この人社長になって真っ先にガソリン車全廃する!とぶち上げてたけど社内で全然すり合わせしないで一人で決めて言ってそうですね。
    その後もソニーと協業すればテスラと戦える!とか夢みたいなことばかり言ってるから皆にそっぽ向かれて裸の王様状態なんでしょうかねえ。

  4. フランス車が好き より:

    発表内容は数字は出したものの具体性のない「夢」のない内容でした。勝ち筋が見えなく逆に不安にさせるものでした。
    また記者さん達からの質問に的確に答えていませんでした。まさに的外れといった感じ。
    厳しめの質問では今時点で考えがまとまっていない、知っていることを喋っているだけで担当部門に任せてるような理解していないような話口調でした。
    隣に青山氏を立たせているのも自信がないからではないかと思われるような、あれではステークホルダーは納得できず今後の先行きに不安を感じたことでしょう。
    コンセプト勝負ならタヌキも出てくるやもしれませんが、基本的なスペック、コスト、ソフトウェアで競争力がないなら一発当てるのも厳しいでしょう。
    大丈夫かホンダ?

  5. 納豆 より:

    動画を5分見て、続きを見る気が失せました。なぜなら、ホンダのフィロソフィーが全く感じられなかったためです。

    なぜ世界中でホンダが熱狂的に支持されてきたのか。もう少し掘り下げると、本田宗一郎という人はなぜ世界のHONDAを築きあげることができたのか。
    その本質を社内全体に向けて徹底的に叩き込むことが社長の基本的な役割でしょう。それがしっかりとできていれば、組織は自発的に回り出すはずです。

    EVの時代になったとしても世界の人々が熱狂する根本原理は普遍ですから、まずはホンダのフィロソフィーを社内で復活させるところから始めて頂きたいと強く願います。

    三部さんは大変実直で生真面目なお人柄だと感じましたが、宗一郎さんの薫陶は受けていない世代だと思います。

    潜在意識に刷り込まれるほど宗一郎さんが残した実績や言葉を反芻して理解することで、EVの時代においても、ホンダならではの他メーカーが真似のできない戦略とは一体何なのか、本質から迫ることができるようになると思います。

    Powerd by HONDAに胸をときめかせた世代だからこそ、あえて厳しく書かせて頂くならば、今回の発表はコンサルが責任ない立場で流行の要素を寄せ集めただけの内容に聞こえました。

    このままでは、本当にホンダの未来はないかもしれない。
    それくらいの危機意識を持たざるを得ない会見だったと思います。ホンダならではの戦略を見せない限り、生き残れないでしょう。

    心から応援しています。

  6. なお より:

    HONDA内でワイガヤ的な自由闊達な意見交換する場で若い人材のやる気とやってみな的な任せる風土が無くなったのかな?
    最近だとN-BOXとS660位しか無いのではないかな?
    EVで過激なスポーツカー作りますで良いと思う。走行距離や電費なんて今はたいした問題ではないのだから。
    あとデザインがもっさり感満載なのとガンダムやエバ感はもういいです。

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