ホンダの課題
昨日はホンダを大いに高く評価した。ホメてばかりだと公平じゃないので課題など。今回、次期型レジェンドと目される3モー
ター式ハイブリッド車もお披露目された。すでに何度か紹介している通り、前輪を3,5リッターV6+モーター内蔵7速ツインクラッチで。後輪は左右2つの
モーターで駆動する。
後輪左右のモーターは別個に稼働するため、発進時は左右一緒に動き、コーナリング時に左右の駆動力差を出してクルマ
を曲げようとする。いわゆる「トルクベクタリング」を行う。昨年試乗した時はツインリンクのオーバルコースだったため、コーナリング時の効能についちゃほ
とんど体感できず。
今年はハンドリングコースでの試乗ということもあり、効能がハッキリ解った。試乗車は大げさな介入をさせているため、
テールスライドしてるんじゃないか、と思えるくらい気持ちよく曲がる。ハンドル切ってアクセル踏むと、重たいハズのフロントノーズが瞬時にコーナーのイン
側を向く。こりゃ面白い!
これだけ曲げられるのなら、いかようにもセッティング出来ることだろう。しかし! 現在販売しているBMWの5
シリーズやアウディA6、ベンツEクラスのハンドリングに不満があるかと聞かれたら「いいえ」だ。そもそも十分なパフォーマンスを持っている。これ以上
コーナーを速く曲がっても意味無し。
というか絶対的なコーナリング速度も、限界領域でのハンドリングも、レジェンド(アキュラRL)のメイン市場である日米じゃ現状で何ら問題なし。むしろ思い切った軽量化など行い、小排気量エンジンを搭載して燃費を稼ぐようなクルマじゃないと存在感を出せないだろう。加えてデザインも大きな課題だ。
アキュラというプレミアムセグメントの意義をもう一度考え直した方が良い。今のままだと、ハード的にどんなに優れたクルマを作っても「優れた商品」にならないと考えます。アコード級くらいまでなら、商品力で勝負できるものの、プレミアムセグメントは日本人が得意としない「プラスα」の魅力を持たせないと。
・ECOカーアジアは「フォードが低燃費ミニバンを発表!」
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現在、国内のオートバイ販売額はハーレータビットソンがトップだそうだ。ホンダが一番かと思いきや、確かに高速道路のサービスエリアには多数のハーレータビットソンが停車している。ハーレータビットソンのヒットは「大型バイク+憧れを抱く思想」のパッケージングである。高級車やスポーツカテゴリーはこの憧れを抱くその車に込めた思想の醸成が鍵であり、性能やカタログデータ+アルファの無形部分が大切なのだろう。
そうなんですよね。そもそも最終型レジェンドも「SH-AWD」四駆システム搭載でメチャクチャ速く走れるし曲がれるのに、ソコは殆ど見向きもされませんでしたし話題にもなりませんでしたからね〜。コーナリングの「絶対的スピード性能」が訴求ポイントになってクルマが売れる時代はもうそろそろ終わったと思った方が良さそうですね。同じコーナリングでも「フィーリングの良さ」を追求した86やロードスターの路線がこれからは現実的だと思います。でもちょっと魅力を感じなくはないですけどね(笑)。