ホンダF1前途多難?
2月1日から4日間行われるF1のヘレステストの3日目が終了した。気になるマクラーレンホンダの内容を見ると、信じられないほど厳しい。なにしろ1日目と2日目を通じ満足に走れず、両日共に6周ずつ出来たのみ。大半の時間をピットの中で過ごすことになる。かろうじて記録できたタイムは、勝負になるとかならないのレベルでなく、文字通り「流しただけ」。
2日目のテスト結果を終え、メディアのテストレポートといえば、おしなべてやさしい。新井F1プロジェクトリーダーの「順調にチェックを進めている」とか「多少のトラブルは覚悟している」といった無難なコメントをそのまま伝えている。ライバルチームは100ラップを超えるような文字通り「開幕に向けての貴重な最終テスト」を行っている中、走れれば十分だと言う。
3日目。これまたモータースポーツメディアによれば「周回数は30周を超え、順調なテスト」と報じている。しかし実情を見ると順調どころでなく、開幕までの短い期間に果たして戦闘力のある状況まで開発できるのか、という厳しい厳しい内容。タイムを見て驚く。フェラーリSF15-Tの1分24秒357に対し、アロンソが乗ったマクラーレンホンダは1分35秒553!
もう少し詳しく書くと、動くか動かないかと言われていたロータスE23ですら1分26秒824。マクラーレンホンダが走った午前中はウエットだったとはいえ、目安になるようなタイムを出せていない。というか、3日間まともに走れていないのだ。ここまで読んで「シェイクダウンテストなのだから問題無いのでは?」と思うかもしれない。確かに開幕まで1年あればいい。
開幕まで1ヶ月少々になった上、そもそもマクラーレンのシャシは十分な戦闘力を持つ。ドライバーだって問題なし。単純に「エンジンを載せ替えただけ」なのだ。ホンダ筋から聞いている情報通り「すでにパワーはTOPクラス」だというなら、キチンとドライの時間も走れただろう。加えてラジエターなど補機類を装着し、サーキットのラップを模したベンチテストだって行っているはず。
なのに3日目の午後は冷却系のトラブルで走れず。ヘレステストはもう1日残っている。もしかして素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるかもしれない。ただ3日目までの走りや準備体制を見る限り、今までのホンダのF1参戦体制と全く違うような気がしてならない。御存知の通りシーズン途中のエンジンの大幅な設計変更はレギュレーションで禁止されている。戦闘力無ければ、1シーズン棒に振ると思う。
果たして最終日にどんな走りを見せてくれるだろ? 毎年F1は開幕レースが大いに楽しみだけれど、今シーズンは日本時間の本日夕方から行われるヘレステスト最終日も大いに気になる。
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