ボディブロー
この数日、自動車メーカーが出している数字を見ると深刻な状況である。リーマンショックの時の巨額な赤字は大量に抱えた在庫車のためだった。けれど在庫車は売れば換金できるため、赤字からの回復も早いし容易。一方今回の状況を見ると「売るモノがない」。在庫持っていないので、表面的には巨額な赤字になら
ず。
でも固定費はかかってしまう。メーカーもディーラーも社員を解雇するワケにいきませんから。全くお客の入らない飲食店をイメージしてもらえばいい。半年間お客さんのいない状態が続いたら、相当の蓄えを持っていないと立ちゆかなくなる。何とか生き延びたとしても、その分のマイナスをカ
バーすることなど出来ない。
毎月1億円分の材料を仕入れて、9千万円の固定費を使い2億円で売る商売をして3ヶ月分の在庫を抱えれば、本来6億円の売り上げになるのにゼロ。ただ在庫の6億円を売ってしまうと平常に戻れる。固定費の分もカバー出来ると言うこと(国内の工場は2ヶ月近く止まったけれど、海外は稼働していた)。
しかし「生産出来ない」ということは大きな赤字にならない反面、単純に固定費だけ消えていく。前述の毎月仕入れ1億。売り上げ2億円の商売だと9千万円は固定費だと考えていい。生産が正常化しても、生産停止中の固定費をカバー出来ないワケ。このあたり、大手メディアは気づいていないし、取り上げていない。
というか、恵まれた環境にある大手メディアの記者さん達は「固定費の支払いに困る」という実感がないんだと思う。100歩譲って自動車メーカーなら耐えられるかもしれない。されど危機的な状況を迎えている部品メーカーも少なくないと考える。ディーラーだって厳しいだろう。広告落ちた自動車雑誌も辛い。
このままだと2011年の生産台数は前年の半分になってしまう可能性も出てきた。繰り返すが、出てくる赤字額を見るとリーマンショックの時より小さいだろう。でも深刻です。じゃダメかといえば、そんなことない。フル稼働開始まで生き延びることが出来たなら、突如先も見えて明るくなると思う。
むしろ厳しいのは政府。利益や売り上げ伸びなければ納税額も大幅に減る。おそらく2011年の税収は下を見て10兆円くらい少なくなるかと。当然ながら支出を絞ることなど出来ない(平常時だって出来なかった)。となっても一般企業は関係なし。政府もたまには民間企業の厳しさを実感し、頑張ってみたらいい。
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政府は、民間企業にできないワザ(増税)をすぐに使いますもんねぇ・・・。ほんと、厳しさを実感してほしいです。民間なら、給料やボーナス減は当たり前ですが、公務員の給料削減なんて頭にもなさそうですし・・・。
国を経営しているといった意識がほしいところです。
ところで26日の読売新聞によると、電気F1カーの開発は既に始まっていると記事がありました。電気自動車のレースが開催されれば楽しそうです。
本当にそのとおりだと思います。それでもこの円高は、どういうことなのでしょう。
国内企業が円を調達するために、外貨を売っている影響が大きいと思いますが、それ以上に世界の日本に対する信頼感というか、すぐに立ち直るという期待感を感じます。
ただ個人的には、東北の海岸線を見てきた実感ですが、今回ばかりは数年間の日本経済の低迷は覚悟しました。
ホントに国は安直に必殺技の「「収入減を増税でまかなう」を使いますね〜「ガソリン(レギュラー)が160円/lを超えたら25円減税」も止めちゃいましたし。多分、今年度の人勧(=人事院勧告)は「震災復興と国の減収を補うため」と大義名分が立てやすいので0.5位下げ(昨年度は0.2下げ勧告でした)の勧告が出るんじゃないでしょうか? そうしたら地方公務員の棒級も右にならえで同じ内容に…これではハイオク11/kmのトルネオ君に財布を全て食べられてしまう〜(笑)。
2011年の税収予測が、40兆円程でしたから、下手した30兆割れってことでしょうか?
民間企業はどこも大変ですね。大黒柱の自動車産業の製造力は年末まで回復しませんしお先真っ暗ですね。
ただ東京電力は金銭的に負担が増えたとしても、一時国営化して、官僚利権から切り離してから、民間企業に戻したほうが良いですね。
結構な中小企業が潰れる中で、その最もたる要因の東京電力が株式を上場したままの復活は見たくないです。
また原発は国営化が望ましいです。民間では到底扱えない代物であることは分かりましたし、補償も国がやらないと不可能ですから、さっさと国営化して欲しいです。
国政選挙が出来たなら、「原発国営化」とか言って選挙すれば、案外勝てるんじゃないでしょうか。