マツダがパナソニックの三元系リチウム電池を2028年から採用との報。+αの情報無いと不安感残る

マツダが2028年発売と言っていた次世代の電気自動車プラットフォームに搭載する電池をパナソニックの円筒形リチウム電池にすると発表し、大手メディアは高く評価している。この発表、電気自動車を見てきた私からすれば「う~ん!」。「2028年時点で円筒形リチウム電池なの?」でございます。円筒形となればテスラ用に開発している三元系リチウムの『4680』となる。

左から「1865」。現在主流の「2170」。右が「4680」

間もなく和歌山工場で試作を開始するようだ。現在の三元系リチウム電池より高性能とされているが、スペックを見るとエネルギー密度でトヨタが2027年にも出すと発表しているバイポーラ型リン酸鉄リチウム電池と同等レベル。それでいてコストは40%以上高いと想定される。2028年時点ではさらに高い性能を持ちながら安価な電池も登場していることだろう。

ちなみにトヨタも次世代の三元系リチウム電池を開発しているようだけれど、そいつはバイポーラ型の三元系リチウム電池であり、4680を圧倒するエネルギー密度を持つ。こう書くと「4680はバイポーラ型じゃないの?」と思うだろうけれど、円筒形という時点で「違いますね」。マツダがもう一歩踏み込んだ情報を出してくれないと不安感あります。

そして「トヨタから調達出来ないの?」ということ。私はてっきりトヨタから電池を融通してもらうものだと思っていた。そもそも2028年という電気自動車プラットホームの投入時期からして2年遅い。もしかするとマツダ内部にアメリカの情報通がおり、2026年から始まる「35%を電気自動車に」という法規適用を2028年にするという情報を得ているのかもしれません。

少なくともトヨタが2026年に向け新型プラットホームに新世代電池を搭載するというスケジューリングしている中(ホンダも新プラットホームを投入)、マツダの「2年遅れて旧世代の電池を搭載する電気自動車を発売します」というシロウトしか納得出来ない発表をしたことに疑問を感じます。こうなると「秘密兵器を用意してるんじゃないか?」と思ってしまう。

いずれにしろ2026年まで2年半しか無い。そろそろトヨタ以外もステークホルダーを安心させてくれるような情報を出していかないと、関係者や関係会社は不安で仕方ないと思う。私がトヨタ以外のディーラーに勤務しているなら、トヨタに転職するか他の仕事を探すか考えちゃいます。関連企業の皆さんだって様々な準備が必要です。

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