マツダEZ-60、中国で正式発売! お買い得感の高いPHEV(250万円~)の売れ行きが良い
マツダの中国生き残り戦略の二の矢となるEZ-60が正式に発売された。同期生であるトヨタbZ3Xや日産N7は順調な売れ行きを見せており、前者が7千台平均。後者も1万台平均で売れている。N7、最近の日産の中では希少なヒット車になった。私も上海ショーで実車を見て「こらイケる!」と思った次第。その時の記事はコチラからどうぞ。機能テンコ盛りで安いです。
上海ショーでは価格を発表していなかったEZ-60ながら、同級生を参考にしてきた。同級生との決定的な違いは250万円スタートのPHEV(電池容量32kWh)を持つこと。全長4850mm×全幅1935mm×全高1620mmのSUVとして考えたらPHEVはお買い得感が強い。一方、電気自動車は315万円スタートで少し高いため厳しいかもしれない。中国、PHEVも環境自動車に含まれる。
すでに4万台のバックオーダーを受けているというから、コンスタントに5千台くらい売れたらマツダにとって救世主になることだろう。何より長安マツダの工場稼働率(南京工場)が高まることで一息付ける。今後も2車種ほど新型車を投入するという。ちなみにセダンのEZ-6はPHEVで290万円スタートとやや割高だったため、月販平均2千台といったイメージ。
じゃマツダの明日はピーカンかといえば、なかなか難しい。というのもEZ-6もEZ-60も長安汽車のプラットホームを使っており、エンジンやモーター、電池まで長安汽車開発となる。長安汽車はピンで同じレベルのクルマをマツダ車より安価に売れる一方、マツダはおんぶにだっこ。マツダが関与したの、デザインくらいだ。主導権がどちらになるかといえば、長安汽車だったりする。
ここからの舵取りが難しい。長安汽車からすれば独立したいだろう。その方が儲かりますから。マツダは少しずつ依存度を減らしていきたいところ。ただ長安汽車にとっても欧州市場を考えたならマツダのブランドイメージを上手に使いたい。どういった展開になるかは戦略次第だ。いずれにしろ毛籠さんの「緊急手術」により撤退の危機にあった状況から抜け出せた。今後に期待したい。
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アップルというファブレス企業のお手本がありながら、ドイツ他、欧州各メーカーは(+日・米も)、基幹技術・特許は独占して中国にEVをつくらせるようなビジネスしませんでしたね。しなかったのか、できなかったのか、いろいろ検証してみたいものです。
一方、中国EVメーカーも当初NIO、Xpengなど取り上げられていましたが、怒涛の波で来たのはBYDのみ。この点、中国のEV政策が~、と あきらめるより、BYD単体の企業活動に注目したほうが良いかもしれません。
個人的に欧州メーカーのEV失敗は、角々ロボット地味たデザインにもあると思っています。それまで優れていた欧州カーデザインを何故崩してしまったのか。日本車のデザインは粘土を付け足すようなデザインだから駄目なんだよ~と某有名デザイナーが言っていましたが、今の欧州EVはレゴブロックで付け足したようなデザインです。
逆に、中国勢はクラシックなカーデザインで、食指が動くのはこちらですね。
日経クロステックによると、欧州EV傾倒のあまり、エンジン技術者達は中国企業に青田買いされてしまったようです。日本でも、どこかで聞いた話ですね・・・。
それで欧州が再びエンジン回帰している中、中国エンジンが進出しているそうです。う~ん、なんとも皮肉な・・・。ここまでなると欧州勢、本格的に厳しそうです。日本から助け舟を出すべきでしょうか・・・
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/092601860/