マツダMX-30ロータリーEVデビュー! これほど売れ行き厳しいことが解っている新型車は珍しい
藤原前社長の自信作となるロータリーエンジン積んだPHVのMX-30は、日本で売らないと考えていた。出したって買う人が少ないとハッキリ解っているからだ。しかし流れは簡単に止められないらしい。9月14日に発表され11月発売という。改めて簡単に紹介しておく。ベースになるMX-30はプリウスやカローラクロスと同じCセグに属す。CX-30と兄弟関係です。
17.8kWhの電池を搭載し170馬力のモーターで走る電気自動車に、72馬力/830ccのロータリーエンジンで駆動する発電機を載せたものだと思えば解りやすいと思う。830ccで72馬力はけっこうパワフルなエンジンだと紹介しているメディアもあるけれど、おそらくロータリーエンジンの仕組みを知らないのだろう。もしかして排気量をレシプロと同じに考えている?
ロータリーエンジン、ローターが1回転するとエキセントリックシャフトは3回転する。一方、ローター1回転で1回爆発。つまりクランクシャフトだと4ストロークの1.5倍の排気量と同じ爆発回数になる。12Aは573ccの2ローターでレシプロ換算だと1719cc。654cc×2ローターの13Bで1962ccとなる。830ccシングルローターの8Cはレシプロ換算は1245ccとなる。72馬力ならeパワーと同等だ。
熱効率の悪いロータリーエンジンにとって厳しいのが燃費で、ハイブリッドモードだと15.4km/L。ほぼ同じ車重となるセレナeパワーの20.6km/Lに遠く及ばない。ちなみにMX-30が重いのは、観音開きというボディ構造のためです。まぁ電気自動車モードで100km近く走れるだろうからエンジン回す機会は少ないだろう。とすれば何の為のロータリーなのか解りませんが。
先日取材会が行われたのだけれど、不思議なことに1度もエンジンを掛けさせてくれなかったそうな。撮影で動かすときもモーター。始動厳禁です! このあたりが現在の総開発責任者であり藤原前副社長の片腕だった廣瀬氏の持ち味か(笑)。ちなみにシングルローターはエンジンの掛け止め時に揺れやすい。はたまた冷間時始動直後の排気ガスを無臭化するのも難しいと私は考えます。
価格はウレタンハンドルのベースグレードが423万5千円スタート。460万円のプリウスPHEVと同じような装備内容の『ナチュラルモノトーン』というグレードになると478万5千円。おそらくプリウスPHEVの価格を参考にしたんだと思う。ベースとなるMX-30と同じような商品力と考えていいだろう。MX-30の売れ無さ具合を考えたら、MX-30ロータリーEVも厳しいんじゃなかろうか。
ただロータリーエンジンファンのクルマ好きとしちゃ大いに興味深い。きっとエンジン掛けっぱなしで走っちゃうかも。マツダファンなら今が出番! これほど売れないことが予想されるクルマって少ない。ぜひとも買ってください。乗れば案外個性的だと思う。マツダファンなら間違いなく気に入るハズ。廣瀬氏は発展系あるというロータリーながら、99.99%最後になる。案外価値出るかも。
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ご無沙汰しております。
ローター1回転で3回爆発、その間にエキセントリックシャフトは3回転するので、2ストロークと同じく1回転に1度の爆発です。2ローターならこの2倍になります。
ただし税法上は2倍でなく実排気量の1.5倍相当とされています。これは1967年にロータリーが登場した頃は2ストも4ストも販売されており、爆発回数が2倍違っても同じ税額だったこと、しかし同排気量の4ストはもとより当時の2ストと比べても出力が高めだったこと、さらに搭載車両の車格なども考慮されたためです。
ところで最近は当時のロータリーを知る人が少なくなり、間違った情報が氾濫しています。13Aの圧縮比が10.0とwikipediaに書かれているのを見て頭が痛くなりました。マツダロータリーは日本が誇る技術遺産、微力ながら情報発信を続けたいと思っております。ちなみに13Aの圧縮比は9.1が正解で、当時の10A、12Aの9.4とも違っていました。
試乗会の様子を伺う限り、性能面でも価格面でもデザイン面でも、ロータリー車としての優位性はない。ロータリーの終わりの始まりだろう。勢い余ってマツダ本体までが、終わりの始まりにならない様、願うしがない。
このニュース、地元紙とローカル局は大絶賛報道の様子です。
ローカルマスコミにしっかり分析出来る記者がいるとは思えませんが、地元マスコミにチヤホヤされるのでマツダも遠くから聞こえてくる耳の痛い意見は無視してるのかもしれませんね。
件の某氏が気になって検索してみたら、何やらコンサル会社の代表をされてました。
どんなコンサルタントするのでしょうか?
これも親方に全く同感です。
今後生き残るにしてもトヨタの様に水素ロータリーとして水素を直接燃料にするか、ですね。
ガソリン燃やしてるうちは構造上、燃費でロータリーに全く勝ち目ないと思います。
燃費向上目的のハイブリッドに使う意味と商品性が全く無いと思ってます。
メディア取材についてはYouTubeで試乗シーンが全くないのに違和感を感じてましたが、エンジンを始動させなかったという事情があったのですね。。。
何のために広島までメディアを呼びつけたのかよく分かりません。
私もFD型に24年も乗っててマツダファンですからマツダには落ち目路線を走ってほしくないと思ってます。
とは言え、BOOMBOOMでスカイアクティブを使った販売戦略は好きになれませんでした。
白地に青のロゴからレクサスみたいな黒基調、レクサスとは客層も商品も異なるのに敷居を高くしてモデル末期でも値引きゼロの強気な販売をしてました。
結局、ロータリーの後はドイツ車ばかり(E、E、3)を乗り継いでます。
来年早々納車の初ポルシェがMTエンジン車として「あがりの一台」になりそうです。
車が家電製品(←EV)になったら信頼性を信じて国産に戻ろうと思ってます。
MX-30のPHEVをもしトヨタのクオリティで作っていたら、そこそこ買う人はいるかも。面白いものが好きな初代リーフについたアーティアダプタみたいな。ただし、トヨタのクオリティには車そのものの質感・信頼性だけでなく、お店の対応や補修部品の供給も含まれます。
あまり修理対応がよくないマツダ車(先代アテンザすらもう見かけないくらい無くなるの早い)として出てくるとちょっと心配になってしまいます。
そして、ハイブリッド走行時の燃費はよくないですね。
BMW i3はレンジエクステンダーだったので、エンジン発電走行時の燃費は良くなかったと記憶しています。MX-30は燃費で判断する限りPHEVというより、レンジエクステンダ―ですね。ま、エンジンを回す機会は減ってしまいますが。
ロータリーエンジンがスカイアクティブXよりシンプルなのは認めます。XはスーパーチャージャーとかMHEVとか、補機がたくさんついていました。複雑な方が故障も多くなる。その点心理的にはいいのかな。でもそらならエンジンかけさせてくれよとは思います。
日本は過去の栄光にしがみつきすぎです。
当時革新的なパッケージで出たからこそ今も語り継がれているのであって、決して懐かしがることではない。
1960年代に戦前の技術を振り替えっているようなものなのですよ?そんなことで新しいものが生まれますか?
国沢氏の予想(希望)に反して、英国で限定400台があっという間に完売!
と言う報道が昨日あった。
残念でした。