メルセデスのブランド力、1960年代は成功の象徴だったアメ車のように落ちて行くと思う

一昔までのクルマ好きからすれば、ベンツSクラスといえば「いつか乗ってみたいクルマ」の筆頭だった。雰囲気や質感もさることながら、やはり頑丈で長持ちするというバックボーンが大きかったと思う。しかし! ここにきてSクラスの値落ちが激しくなってきた。電子制御部品だらけになった結果、壊れると驚くほど高い修理コストを必要とするようになり中古車業者も嫌うと聞く。

といった観点からSクラスの電気自動車『EQS』を見ると「大丈夫かいな!」と思う。上の写真はインテリア。もはやメーターパネルから助手席の前まで全て液晶! これが壊れたらどうなる? まぁ5年/10万kmまでは『EQケア』というのがあり、保証してくれるから問題無し。おそらく10年くらい壊れないと思う。されど10年経ったらどうか? 使用環境によっちゃ液晶に厳しい。

10年後にこいつを交換しようとなったら、どうなるんだろう? すでに初期に販売されたリチウム電池を搭載したマイルドハイブリッドのSクラスは電池やインバーターが壊れ始めており、修理出来ず交換。200万円以上掛かることも普通だという。ちなみに走行用電池は心配していない。EQSだと10年/25万kmまで保証するとなっている。このくらいは余裕だと思う。

というのもEQSの航続距離は、欧州の信頼できるEVサイトによれば普通に走って640km程度だという。3元系リチウムイオン電池の充放電回数を700回として45万km。25万kmなら余裕だと思う。時間軸でも初期のリーフが出て11年。電池の液漏れなど物理的なトラブルは出ていない。電池については初期故障を除き、心配しないでいい。保証だって10年と長いし。

されど液晶パネルやインバーターに代表される電池以外の保証は5年しかない。大金持ちなら「3年で乗り換えるから何の問題も無い」になるだろうが、中古車で買う人からすればロシアンルーレットのようなもの。メルセデスの正規中古車ならある程度の補償を付けてくれるだろうけれど、普通の中古車屋さんは手に負えない。私が中古車屋さんであれば扱わないです。

こうなると当然の如く下取りは正規ディーラーに限定され、中古車価格も下取り価格もコントロールされることになる。おそらく一段と査定価格は下がっていくことだろう。こうやってブランド力も落ちて行く。1960年代、アメリカ車って憧れだった。メルセデスの10年後は、中古車価格が二束三文になり結果として誰も買わなくなったアメリカ車のようになるかもしれません。

<おすすめ記事>

6 Responses to “メルセデスのブランド力、1960年代は成功の象徴だったアメ車のように落ちて行くと思う”

  1. ばんちゃん より:

    最近のヨーロッパ車、液晶だらけになってしまいましたね。逆に日本車が保守的になり、古くさい感じになり残念なんですが、ヨーロッパ車の液晶、正直、使いやすくはないです。

    日本も最近、液晶の位置真似している感がありますが、もっと奥の方で視線移動を無くして、物理スイッチとのコラボレートとか、新しい提案が欲しいです。

    義兄が整備士ですが、ディーラー以外での整備が難しい時代になってきました。ベンツの値落ち激しいので、ディーラー以外の安い中古は魅力ですが、故障が心配で高人気車を定期的に乗り換えた方が得なのがSDGsに逆行しますね。

  2. 猫まんま より:

    前々から不思議なんですが外車は品質が良くなったとか言ってるけどなんで初期保証が3年6万kmとかなんでしょうね?品質に自信が有るなら標準10年10万km、延長保証10年15万kmにすれば良いのに。

  3. エイヨー より:

    2020年製GLE450に乗っていますが、エラーメッセージが頻繁に出ます。
    ヤナセに聞くと事例があるそうで、対策しますと言ったきりナシのつぶて。
    冬には周囲センサー?が反応して、ブーブー煩い。
    直6ガソリンエンジンは気持ちよく回りますがミッションは衝撃が大きい。
    9年前のC63はまだ乗りますが、GLEは来年レクサスに乗り換え予定です。

  4. よしの より:

    今のベンツやBMWは新車5年乗り換えの人以外は買えないですよ。

    これは一部の中古を扱っている人からも話題になりましたが
    中途半端な電動化の影響で修理に出したら100万超えとか当たり前の状態になってますし
    ある意味本当のお金持ちの車にはなったのかもしれませんが
    長く乗る車ではないですね。

  5. ひろと より:

    メルセデス乗りの人の動画見ると、助手席ドアが急に開かなくなるとか、液晶モニターが急につかなくなって、丸ごと交換になった話をしててびっくりました。
    新車だと1000万以上する車なんですけど。。
    それも新車で買ってこうなったらしいので、保証ないと怖くて乗れませんね。

    ちなみに先代のCクラスもエアサスが故障しまくりで、新型は普通のバネサスになったみたいですけど、信頼性は大丈夫なんでしょうか…
    外車はモデル末期を買えという話はよくありますが、信頼性という面ではやっぱり日本車には及ばない印象です。

  6. ezk より:

    資産と思って乗るわけではないですが、やはりちょっとでも長く壊れずに乗りたいものです。
    リセールバリューのあるブランドであればなおさらでしょう。
    クルマを長く乗ることを前提としていないのがこれからのクルマメーカーのようですね。
    リースで乗るを一歩進めてサブスクで乗る時代に合ったクルマづくりが求められているのだとしたら、好きなクルマに手を入れ長く乗ってという20世紀的価値観の「マイカー」は絶滅してしまいそうです。
    異業種からの自動車業界への参入組にとってはこれは大きなメリットになりそうなどと思ってしまいました。

コメントを残す

このページの先頭へ