メルセデスF1、可変トーがけっこう良い仕事をすると私は考えます。ただレッドブルホンダだって‥‥
間もなく2020年シーズンのF1が始まる。シーズン前テストの速さを見ると、メルセデスとレッドブルホンダのタイムは超接近していた。ベストラップを見たら0,073秒差。タイヤはメルセデスの方が柔らかいC5。レッドブルC4ということを考えると、レッドブル有利という人もいるけれど、ほぼ同じといっていい。ただメルセデスには可変トーシステムというアドバンテージがあるようだ。
改めて説明するまでもなく「トー」とはアライメントの一種で、上空から見た時、左右タイヤが並行ならトーはゼロ。前方が狭まっていくのは「トーイン」といった具合。直進安定性だけでなく、ステアリング切った時の左右輪のスラスト(横滑り角)が変わり、コーナリング性能へ影響を与える。もちろんトーだけじゃなく、キャスター角やキャンバーを総合して考えなくちゃならない。
プレシーズンテストのタイムを分析すると、絶対的な速さはあまり変わらないようだ。じゃなぜ採用するのか? 一つ言えるのは、ハンドルの切れ角によって適切なトー角が違うこと。低速コーナーと高速コーナーの適正トー角は違う。バルセロナテストの後、私はタイヤ寿命に影響すると考えた次第。するとどうよ! 開幕戦オーストラリアで使うタイヤがピレリから発表された。
ピレリ発表のタイヤ本数
メルセデスだけ『C4』と呼ばれるソフトタイヤを10セット選んだ。フェラーリとレッドブルは、ベッテルを除き『C4』を9セットと、『C3』というミディアムを3セットにしている。どういう意味か? メルセデスの方がソフトタイヤ使った時の「美味しいグリップ」を長持ちさせられるのだろう。例えばレッドブルが20ラップ使えるしたら、メルセデス25ラップといったことです。
余計に使える5ラップでソフトタイヤの性能を活かせば、その分だけ速いと言うことになる。パワーユニットでホンダがメルセデスに並んでもシャシで優位に立てるという狙いなんだと思う。今のところ2020年シーズンは可変トーを禁止するという動きになっていないため、タイヤ負担の大きいサーキット(オーストラリアなどはタイヤに厳しい)ではメルセデス強いかもしれません。
ただし! レッドブルだって新しいコンセプトの技術を仕込んでいる可能性ある。ホンダもエンジンに一工夫しているというウワサも流れてたりして。ホンダ、第2期は常識外れと言える様々なアイデアを使っていた(今でもナイショにしている技術が存在するという)。結論から書くと、勝負は始まってみないと解らない。新型コロナでF1も揺れているが、今のところ開催するという。
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