ヤブレカブレ
これぞ「荒唐無稽」というものである。すでにクライスラーはディーラーで販売する新車の大幅値引きを行っている。メディアじゃ「従業員販売価格」などと報じられているけれど、大雑把なイメージで言うと15%引き。4万ドル(360万円)のSUVだと6千ドル(54万円)引きです。KUREのコラムで書いた通り、2005年の夏から開始しているのだ。
なのになのに! 月末から同程度の規模の特別値引きを行う。”財源”はすでに交付されている15億ドル(1350億円)の政府援助なのだという。1台当たり平均1500ドルとすれば、100万台分に補助を出せる。もし100万台の在庫がキレイさっぱり消えたなら、来期の赤字はゼロになること間違いなし。いろんな意味で一息付ける。
もちろん間違いなく1年以上破綻の時期を延ばせるだけでなく、フィアットとの提携も優位にすすめられることだろう。作戦としちゃ素晴らしい。ちなみに値引き総額およそ30%にも達するのだから強烈! 200万円のクルマが60万円引きの140万円です。日本車で言うと190万円のインサイトは133万円。こら魅力的でしょう!
決定的なダメージを受けるの、ますます在庫処分が困難になること間違いなしのトヨタ&日産のV8エンジン搭載SUVだと思う。全く援助無しの日本政府と違い、敵はタッグを組んでいる。その財源となる米国債は日本が買っていたりするのだから皮肉です。ただ今回の施策も抜本的な解決にはならないと考えます。
かつてない規模のリストラや米国内生産設備の廃棄、さらにはフィアットが開発する小型車の成功などいくつかの「大成功」を重ねられるだろうか?
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1年以上前の話ですが、現在住んでいるアメリカ西海岸の地元の某ディーラーでは「なんと今なら一台買えばもう一台無料でついてくる!(buy one and get one free)」などという、とんでもない事やってました。
その当時はTVのCMでこれをガンガン流してて、一部で話題になってましたけど、その後どうなったのかは分かりません(こちらではディーラーは自動車メーカー直営店ではないので潰れたかもです)。ほんと、やぶれかぶれですね。
ちなみに、うちの近所ではbig three系列の某ディーラーが潰れて、馬鹿デカイトラック(ピックアップトラック)やSUVなどが数十台も埃まみれになったまま放置陳列になってます・・・。