ヤマハの300馬力を搭載するフネに乗りました。3215万円。輸入艇の価格、高くなりましたね

私はBOTY(ボート・オブ・ザ・イヤー)の選考委員でもあるので「シートライアル」と呼ばれるフネの試乗会にも行きます。本日試乗したフネに一度味見してみたかったヤマハの300馬力船外機が搭載されていた。4169ccのV6エンジンを使っている。2021年に発売されたのだけれど、このサイズ、日本での売れ筋はスズキ。ヤマハに乗ったことなし!

フネはフィンランドの『クラーケン』という新世代のモデルだ。ハル(船体)の先端がほぼ垂直に落ちている。長さの割にナローなシルエットをしており、いかにも速そう! クルマと同じくフネにもボディタイプがあり、この手は「ランナバウト」と呼ばれる。クルマもランナバウトという表現を使うけれど、フネ用語です。ベースの近所を走り回って遊ぶというイメージ。

本日の東京湾奥は穏やかでランナバウトを楽しむには最高でしたね! クルマだと300km/hくらいの速度感がある40ノット(73km/h)オーバーも楽しめた。ちなみに40ノット出すと、海面はコンクリートに近い硬さになる。剛性の無いハルだとクラックが入ってしまうほど。クルマで300km/h出したことのある人でも、海の上での40ノット超はシビレますね。

40ノット以上出るフネって数少ない。ジェットエンジンを使い、浮上して走る東海汽船のジェット船で最高速43ノット。この速度で波に当たったら空を飛ぶ。実際、今回のフネでも小さい引き波(他のフネが作った波)に当たり半飛び。そしてヤマハの300馬力は5500回転で吠えている! なんたってバルクヘッドも無いエンジンが1.5mの距離で全開ですから。

船外機、塩水をバシャバシャカブる(笑)。耐久性と信頼性を確保するのが難しい。船外機の世界シェアの比較は難しいけれど、金額ベースだとの3分の1がヤマハ。4分の1マーキュリー。続いてスズキとなり3メーカーで70%以上を占める。ホンダは? 意外にも5%を少し超える程度で苦戦中。以上4社にトーハツを加えると90%近くなると思う。中国や韓国も台数ベースで増加中。

クラーケンの本国サイト

ちなみにクラーケンの27T-TOPは3215万円。フェラーリのローマと同じくらい。円安のため輸入艇の値上がりが大きい。このフネも本国のベース価格で1650万円。これに税金や高騰している運賃を上乗せしての2520万円だから納得出来る。そうそう。ヤマハの300馬力でした。期待値より騒音レベルと振動は大きめ。スズキの300馬力と互角。クルマ以上に営業力勝負となってる理由が解りました。

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2 Responses to “ヤマハの300馬力を搭載するフネに乗りました。3215万円。輸入艇の価格、高くなりましたね”

  1. A.jack より:

    久しぶりのマリンレポートですね
    40ノットオーバーは未体験ゾーンですが、
    凪じゃないと飛び跳ねて腰痛めそう……
    300馬力とはいえ船外機一発で3,200万円とは驚き‼️
    昔ならディーゼル2機掛けが余裕で買えました。
    5年位前に日産サンキャット26船外機225馬力、クラウン中古車並みの価格で購入して愉しんでいます。

  2. 猫まんま より:

    ボートで73kmも凄いけどそう考えると戦艦大和はとんでもなかったんですね。あの巨体で27、5ノット(51km)とか。まあ馬力も15万馬力とかですが。
    さらにとんでもないのがアメリカのアイオワ級で21万馬力で33ノットで約60km。しかもどちらも公試だからかなりサバ読んでるって話もあります。(戦艦の最高速なんて軍事機密)
    疑問なんですが船って止まるときはどうやってるんでしょうかね?スクリュー逆回転とかさせてブレーキかけるんでしょうか?

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