ライバル対決禁止?
新製品が出たら同じクラスのライバルと比較する、というのはバイヤーズガイドの基本である。しかし! 10年ほど前からタイヤについちゃ「比較を禁ず!」となった、ということを何度か紹介してます。結果、タイヤに優劣あることをユーザーは意識しなくなり、アジア製の安タイヤに押されることになってし
まった。
1年ほど前から一部の輸入車も同じような協定を始めたらしく、競合車との比較をされないよう、ライバルが出るとしばらく自社の同じクラスのクルマを広報車から引っ込めるということを行っている。確かに短期的に見れば優劣付かず、性能の悪い商品でも売れ行きを落とさず済む。けれど長い目で見れば、「比較させない」=「戦線離脱」になります。
さて。プラグイン・ステラは、
以前も書いた通りiーMiEV発売の前日にデビュー。日本初の量販EVとなった。したがって本来なら8月下旬売りの雑誌あたりから、比較試乗の記事が出るハズ。けれど出ない、と思う。スバルは「iーMiEVと比較するならプラグイン・ステラを貸さない」と断っているからだ。なぜだろう? 理解に苦しみま
す。
確かにバッテリー容量少なく、後続可能距離は短い。でもそれはクルマのコンセプトであり、長く走れる方がエラ
い! ということにならぬ。そればかりか、FFのプラグイン・ステラはRRのiーMiEVより回生を多く取れるため「電費」を比べれば有利。最新のバッテ
リーさえ確保できたなら、相当なポテンシャルを持っていると思う。
といった特徴も「比較まかりならぬ!」と言って
しまった時点で、訴求できる機会を失ってしまう。スバルの技術者にとって残念なことです。どちらも赤ん坊。私らだって優劣を決め付けるような内容にはしないのに。ちなみに三菱自動車は「もし台場などで撮影するなら遠慮せずスバルさんのEVもウチの急速充電器を使ってください」。
新しい技術はよきライバルに出会い、切磋琢磨しながら伸ばしていくべきだと思う。かつては厳しい時も「精神的な余裕」や「おおらかさ」を持っていたスバルながら、最近そいつを失ってしまったのが残念です。レオーネ時代の最後の頃など、厳しく評価されるのを覚悟で頑張っていたのになぁ。
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