ランクル・プラドのディーゼル登場
マツダを除き、ディーゼルの普及が進まない。すでに技術レベルでは厳しい排気ガス規制のクリアも不可能じゃなくなっていると思われる。なかでも日産についていえば、2008年時点で当時世界一厳しい排気ガス規制だった日本の『ポスト新長期規制』をクリア。世界初の新世代クリーンディーゼル車となった。その気になれば、現行エクストレイルにディーゼルを積むことも可能。
加えて日産とエンジンやシャシを共用するルノーは、日本の厳しい規制と同等の『ユーロ6』(ヨーロッパ規制)をクリアしたディーゼルをラインナップしており、ヨーロッパで販売されている日産車に搭載している。同じくホンダもユーロ6をクリアする1,6リッター4気筒ディーゼルを持っているため、日本の排気ガス適合を少し行えばSUVのCR-Vに搭載出来ることだろう。
なぜマツダを除く日本のメーカーはディーゼルエンジンを日本で販売しないのだろう? 最も大きな理由だと思われているのがアメリカ市場である。すでにVWやベンツなどディーゼルエンジン搭載車を発売しているものの、売れ行きを見ると伸び悩んでしまっている状況。意外なことにハイブリッド車もプリウスなど一部車種を除き、好調とは言えない状況にある。
理由は二つ。あまり知られていないことながら、アメリカではディーゼルの燃料となる軽油がガソリンより高い。下の写真は2月4日時点のハワイ州に於けるガソリン価格。レギュラーだと1リッターあたり100円ながら、軽油だと145円もしてしまう。ちなみに日本はレギュラー125円の軽油105円という最新の相場。日本と逆である。なぜそんなことになるのか?
ガソリンも軽油も液体の価格を見るとほぼ同じ。日本で価格差出るのは、ガソリンの税金の方が軽油の税金より20円ほど高いからだ。税金という点からすればほぼ同じのアメリカの場合、一昔前までほぼ同じだった。しかしシェールガスからガソリンが取れるようになって以後、軽油の価格だけ上がり続けている状況。少なくともハワイ州では多少燃費良くてもディーゼルは意味なし。
アメリカ本土は様々。ガソリンと同等のスタンドもあれば、1ドル以上高いスタンドもある。そもそも都市部では軽油を置いていないスタンド多い。さらにハイブリッドの伸び悩みの理由にもなっていることながら、高額車ほど自分の小遣いでは燃料を入れない。会社持ちだか、ら少燃費良くても関係ないワケ。アメリカで売れなければ、日本のメーカーも開発に熱心じゃなくなるという寸法。
ということで当面マツダの独走は続く。そんな中、トヨタが夏にもランクル・プラドの3リッター4気筒ディーゼル搭載車を発売する。車重のあるSUVは排気ガス規制のハードル低く、だからこそパジェロもディーゼルエンジン搭載車を出している。ランクル・プラドのディーゼルが出れば、一番美味しいのは競合車として取り上げてもらえるパジェロだと思う。
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