リン酸鉄リチウムより安価なナトリウムイオン電池ってどんな?
上海ショーでBYDはシーガルという小型電気自動車のスタンダード仕様(航続距離305km)にナトリウムイオン電池を搭載すると発表した。ナトリウム電池ってなにか? 簡単に言えばリチウムの代わりにナトリウムを使った電池。高価で稀少なリチウムや、ましてやさらに高価で稀少なニッケル・マンガン・コバルトも使わない。原料としては最も安価で豊富。
特徴も熱に強いため急速充電性能が優れており、リン酸鉄リチウムと同じく発火の危険性ほぼ無い。また低温に弱いリン酸鉄リチウムと違いマイナス20度でも普通に使えます。課題はエネルギー密度。今まで100Wh/kg程度とされており、これだと電気自動車用としては使いづらい。三元系リチウム電池が300km走れるだけの電池重量だと100kmしか走れないワケ。
そんなことから日本の電池メーカーはリン酸鉄リチウムイオン電池と並び「使いモノにならない」と手がけなかった。関係者に聞いてみたら「やってみよう!」という気持ちが無かったそうな。そうそうに見切ったワケです。されど中国は諦めなかった。日本勢が全て見切ったリン酸鉄リチウム電池は今や世界の電気自動車のニュースタンダードになりつつある。
ナトリウム電池も同じ。昨年時点でCATLは160Wh/kg程度のエネルギー密度を持つタイプを発表していた。今回BYDがシーガルに採用したナトリウム電池は200Wh/kg程度のエネルギー密度を持つらしい。加えて熱に弱い三元系リチウム電池より密集したバッテリーパックになるため、容積あたりのエネルギー密度だと20%程度しか負けていないという。
だからこそシーガルのようなコンパクトサイズの電気自動車なのに305kmという航続距離を持たせている。BYDが発表したデータによれば電池容量30.5kWhという。そして安価な電池価格をキチンと車両価格に反映し、144万円というエンジン車と同等レベルの価格を付けてきた。エンジン車と同じ価格でエネルギーコスト安く、寿命は90万km以上。スマートグリッドにも使える。
ナトリウム電池が実用化されたら電気自動車の課題とされてきたリチウムやニッケル・マンガン・コバルトといった材料の問題は無し! 走らせるための電力は土漠地域に再生可能エネルギーで作る。電気自動車大嫌いだ君達が否定材料として使ってきた「ダメな理由」はドンドン減って行く。悲しいかなナトリウム電池も日本の電池メーカーは全て乗り遅れた。
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> 日本の電池メーカーはリン酸鉄リチウムイオン電池と並び「使いモノにならない」と手がけなかった。関係者に聞いてみたら「やってみよう!」という気持ちが無かったそうな。そうそうに見切ったワケです。されど中国は諦めなかった。
どこかで聞いたような話です。青色発光ダイオードもこんな感じで
諦められた方法が最終的にノーベル賞までになった。
この技術で10年後15年後に「中国初のノーベル賞」なんてことに
なったら悪夢ですね。支那嫌いだからじゃありません。
素人目にも日本の経済界産業界には、きっと大ダメージになるからです。
バブル崩壊後or小泉政権でも仕事改革など以降、日本がなくなった。画期的な家電やオーディオなども出てこなくなりましたね。寂しい。政治でも防衛税とか言ってる馬鹿な財務省や政治家がいる。戦艦などは建設国債でしょ。マスコミは勉強不足だから、政府の借金は国民の借金と報道している時点で勉強不足だとわかる
このシーガル、エッジの効いたデザインがカッコいいです。
コンパクトで航続距離あって安価なら、2座席スポーツカー持ちのセカンドカーとしてすごく魅力的です。
正直欲しいw
電池の重量当たりのエネルギー密度は電池のパッケージの影響が大きくて、陽極剤・陰極剤・電解質で決まる理論的なエネルギー密度と完成品のエネルギー密度かなり違うんですよね。
わかりやすいのだとテスラが4680という大型化したパッケージの導入で密度上げたりしてますね。
30.5kWhで、144万円。
たった1年で宏光EVの次が出てきたと考えると恐ろしいと私は思います。
五菱とテスラが台数争いをしているあいだに、BYDはこっそりとこれを開発していたのか。
それだけ、中国内での競争が厳しいのだと思います。
かつて、日本国内でも自動車メーカーが10社近くあって世界に売って出てしのぎを削っていたのですが…(遠い目)
BEV車を所有し何台もののBEVをレポートしているYouTuberがATTO3のレポートで電欠をやらかしています。
テスラ3でも近い経験をしているという事でリン酸鉄リチウムバッテリー残量が10%を切る辺りから残量が当てにならない(あっという間に減る)リスクがあるようですね。