ワークスとしての覚悟
モナコGPとニュルの24時間耐久レースの結果を見て「こういった時期に行うモータースポーツというのはとても難しいですね」と痛感した。まず
F1。予選後ろからワンツーというトヨタの結果を見てビックリ。開幕4連戦は「今後こそ優勝か?」と期待したくなるような速さを見せていたのに、ヨーロッパラウンドに入るや失速。
私自身「ヨーロッパラウンドに入ればディフューザー分のアドバンテージが無くなる」
と思っていたけれど、これほど低迷するとは。仕上がってくれば圧倒的な優位性を持つだろうカーズを使用していない点など考慮すると、来シーズン参戦の可能性が極めて低い。となれば残るシーズン、何の意味も無い戦いになってしまう可能性大。
豊田次期社長のツルの一声が無い限り(絶対勝て! という一言でいいと思う)、早くも消化試合です。インプレッサもニュルの24時間レースで大きな看板を失った。御存知の通りインプレッサWRXというモデル、ランエボと並び「世界最速の2リッターモデル」と認識されてます。それがVWの新型シロッコに完敗したのだ。
新型シロッコは2リッターターボを搭載するスポーツモデルがあり、そいつをニュルに送り込んできたのだけれど、速いの何の! ランエボについちゃプライベートチームなので、負けても問題ない。されどインプレッサはワークスという看板背負っての参戦。STIのWebを見ても気合い十分。クラス優勝か、少なくともTOP争いすると思ってました。
STIのポテンシャルは極めて高いと思うのに……。新型シロッコはVWモータースポーツチームからのエントリーで、デビューウィン。これ以上書かないけれど、イ
ンプレッサの記事を書くときの「一般道での王者」という表現は難しくなりました。さらにVWから新型ゴルフの『R20』(2リッター4WDターボ265馬力)も出る。
日本人の美しさの裏打ちになっている「武士道」という精神からすれば「お家の名誉をかけて戦う場合は弱音言い訳一切なし! 負けたら……」という覚悟必要。されど「試合しない」というんじゃ武士道など語れぬ。だったら機が熟すまで町の道場を陰から支援するのが一番だと思います。
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トヨタF-1、モナコでの失速は単にストリートコースとの相性の悪さかと。路面状況良好なコースには良いんですが、路面状況悪いとどうにもならんでス。今までモナコはいいトコ無しですから。次戦のトルコは大丈夫かと。来期参戦は不透明ですが、今シーズンのカーズは来年のレギュレーションでは使用できませんので。
私もニュル24時間、モナコ、インディー、全て観ました。インターネット中継で見れるなんて、いい時代になりましたよね。
私が見ていて思ったのは、日本の自動車メーカーは「日本の若者のクルマ離れ」全然OKだと考えているのだろうということ。もし若い人たちにクルマのカッコ良さや、自社のクルマをアピールしたいなら、ニュル24時間耐久レースほど格好の場はない筈。
なんてったって、テレビゲームのグランツーリスモを実車でやってようなレースなわけですから。
もし、本気なら必勝ワークスチームを送り込んで、並み居るドイツのスポーツカーを日本車がぶち抜くシーンを深夜の地上波枠をスポンサードして生中継したら、宣伝効果バツグンなハズ。
しかし、それをやらない(やれない)ということは、やる気が無い=日本の若者にはクルマを買ってもらわなくていい。ちょっと極端ですが、そんな風に感じました。
まぁ、今後、中国など大きな市場があるわけですから、わざわざ大変な道を選ばないということかもしれませんね。
個人的にはGT-Rにいたっては不戦敗というイメージすら感じました。