一部でウワサになっている「CX-60のディーゼルエンジンが壊れる」という件、少し調べてみました

ここにきて「CX-60に搭載されている3.3リッターの直6ディーゼルは10万kmくらい走るとヘッドガスケットが抜ける」というウワサなど流れている。読者から質問されたのでマツダに聞いてみた。すると「ディーゼルにトラブル出ているのは認知しています」。なるほどヘッドガスケット抜けらしい。ただディーゼルエンジンって丈夫。ヘッドガスケット抜けなど考えにくい。

そもそもターボならポップオフバルブ(リリーフバルブ)があるため、異常燃焼なんかしないと思う。そこで「ポップオフバルブは機能しなかったんですか?」と聞いたら「ポップオフバルブは付いていないんです」。可変ノズルターボでブースト圧のコントロールをしているのだという。なるほど最近のターボは可変ノズルターボを使いポップオフバルブ無しというケースが多い。

1980年代に黎明期のターボエンジンチューン車と付き合った私からすれば(ベストカーガイド編集部でジャパンターボのフルチューンしてました)、過給圧をコントロールすることの重要さは1000も承知。一瞬でも壊れる領域に入ったら必ずと言って良いくらいブローします。マツダのディーゼルエンジン、ガソリンエンジンと共用化が進んでいるため、過給圧に敏感だと予想される。

原因は? 排気側についているEGRバルブ(排気ガスをもう一度吸気側に戻すバイパス)がアクセル解度大きいときに閉まった際、一時的に吸気圧は高まる。そいつをターボで過給するため、オーバーブーストになるためだと推察する。ポップオフバルブならオーバーブーストを防止出来るけれど、可変ノズルターボだとレスポンスしきれまい。なんでポップオフバルブを付けなかったのか?

ちなみにマツダも原因を調査中とのこと。判明次第、教えてくれることになっている。現時点でマツダは瑕疵(不具合)無しと考えているらしく、保証期間を超えて壊れた場合、正規の修理代金を請求することになっているそうな。マツダに「多く発生していない事案なら無償修理にしたらいいのでは?」と進言したけれど、現時点で有償修理の方針は変える予定無しとか。

この件、新しい情報あればマツダから連絡くることになっている。個人的には壊れる原因を早く突き止めロムの書き換えなどで改良する一方、壊れてしまったエンジンについては(台数未公表ながら少ない台数のようだ)、無償修理が望ましいと考えてます。トヨタが初代初期型プリウスでやった走行用電池の生涯補償を考えたら微々たる金額。それで信頼性を得られると思えば安いかと。

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20 Responses to “一部でウワサになっている「CX-60のディーゼルエンジンが壊れる」という件、少し調べてみました”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    自分自身、乗用車を製造する現役国産メーカーで、いまだ保有できていないのがマツダと光岡です。

    光岡はともかくとしても、あの世に召される前に、マツダは是非とも愛車にしたいと思っています。

    そこでマツダといえば、ロードスターかディーゼル。オープンはビートを保有しているので、未経験のディーゼルに乗ってみたいなぁ〜っ。

    それにつけてもですよ、
    ディーゼルが10万キロでヘッドガスケット抜けなんて、どう考えても無償修理だと思うけど。せっかく新技術でチャレンジしているのに、フォローが足らず残念無念。。。

    マツダのディーゼルには、他にも煤詰まりやら何やらあるから、正直躊躇してしまいまする。

  2. ワンワン より:

    「現時点でマツダは瑕疵(不具合)無しと考えているらしい」っていう企業姿勢が、ラージシンドロームの病巣ではないのか。現在も不具合の数々が販売不振に繋がっている理由であることに気付け無い経営陣が、舵取りをしているのだろうか?

  3. 車大好きオジサン より:

    マツダディーゼルについてはYouTube「枯れた整備士ひでぽんちゃんねる」で数年にわたり書かれてます。240~250台のマツダエンジンをばらした話は、いかにマツダの会社がマツダユーザーをバカにした酷いメーカーだと分かります。マツダ自動車会社はVW、テスラと同様に信頼のできない消えていくべきメーカーだと思います。

    • マルコ より:

      ひでぽんさんがマツダをバカにしてるようにも見える。マツダはメーカーもディーラーも何もやってくれないからウチにきて~と言ってEGR制限する違法のパーツとソフト売ってるでしょう。車検は通ると言うからみんな騙されていると思うけど、黒煙が減って車検は問題なくてもNOx垂れ流しで排ガス規制に不適合になりますよね。国交省が目をつぶってるのか仕事をサボってるのか分かりませんが、いずれ摘発されるんじゃないんですかね。ひでぽんさんを信用するのは危ないかと

  4. ひでぽん より:

    YouTuber 枯れた整備士ひでぼんチャンネルさんが言うには
    排ガス規制対策のためEGRバルブで排ガスをインテークに戻し過ぎているため経年劣化で内圧が上がりガスケット抜けが起こると解説されていました。マツダはその事をわかっているが、エンジンの保証期間中はなんとかなりそうなので対策はしない方針のようです。EGRを減らせば壊れないようですが、排ガス規制をクリア出来なくなるので何もしないとの解説でした。
    私は動画見てそう認識しました。

    • アンチ より:

      そのひでぽんさんの所でやってるEGR電動ファンイコライザーが悪さしてるんじゃないの?
      EGRで排ガス戻しすぎても、酸素不足で出力低下して内圧が上がることないと思うんだけど。
      逆にEGRを作動させないようにして、排ガスを戻さないようにすれば、酸素量が増えるので、必然的に出力が上がって、シリンダー内圧が高くなるので、ガスケット抜けが起こりやすくなる。
      自身のとこの施工でそのイコライザーを付けたら「酸素量が増えてトルクが10~15%アップ」って宣伝してますよ
      通常よりパワーアップさせてるならガスケット抜けしてもおかしくないと思うけど
      マツダに寄り添ってるように見せて、ネガキャンしてるようにしか見えないんだよねあの人

      • マルコ より:

        EGR電動ファンイコライザーの作動原理からすると正にその通りですよね。EGR制限する違法ソフトなのに車検は通る範囲でやってるとか適法のように偽っているからユーザーは違法とは知らずにひでぽんさんに流れてしまう。それを入れるとメーカー保証も受けられなくなってしまうから板挟みになるユーザーは可哀そうですね。車検で黒鉛濃度しか測らないからNOx垂れ流しにしても車検が通ってしまうのは問題ですが、巧妙な手口でその裏を突いてる業者も問題ですね。それを黙認する国交省も問題じゃないかと。ひでぽんさんの違法パーツ、違法ソフトは大問題が発展する前に食い止めてほしいですね。

  5. 芭蕉 より:

    カッコいいしコスパも良いCX60 XD Drive Editionを発表し売る気マンマンのようだけど、徹底的な既存ユーザー対応で信頼回復しなければラージの未来は無いって簡単なことが、この会社の経営陣には分からないようですね。

  6. はまはま より:

    600万のディーゼル車を買って10万kmで大修理、そんなもんだろと納得する客は今どきおらんでしょう。
    86のエンジン破損とはわけが違う。

  7. アクシオム より:

    今年8月に納車したCX-60は、XD Lパッケージ AWDなので、まさに10万キロ過ぎれば該当する案件ですね。
    正規の補償に、特別保証に加入し5年走行距離無制限のプランに入ればカバーできますが、もしかするとリコールかサービスキャンペーンするかもしれませんね。

    それよりもサスペンションをはじめ、車体剛性じたいちょっと締まりがないクルマですね。CX-5と比べて、微振動が多いのと、静止時にクルマを揺するとぶわんぶわんに揺れますね。

    本日発表のCX-60一部改良・・・最量販パワートレインのXD、グレード思いっきり改悪ですね。エントリーグレードのSP廃止で、Drive EDITIONなるLパッケージとSPを統合したグレードにするとは・・・
    CX-60は、本当にまったく売れないPHEVなんか廃止し、北米仕様のCX-70や90にあるマイルドハイブリッドの6気筒ガソリンターボでも設定した方がよっぽどいい。

  8. KAZU より:

    こんにちは、マツダCX-8 XDに乗っています。

    噂のソースであろうYouTube「枯れた整備士ひでぽんちゃんねる」の動画は私もみました。

    ヘッドガスケットが抜ける件も大問題ですが、CX-60/80の煤掃除はエンジンを下ろさないとできないというのが(30~40万かかるそうです)、かなりネックでヘッドガスケット問題も含めてCX-60/80は10万キロ以上乗るとリスクしかないと感じています。

    10万キロ以上走っている個体は中古車価格が暴落しそうですし、10万キロ走ってなくてもリセールもかなり悪くなりそうですし・・・

    個人的にCX-80はかなり魅力的なのですが、メーカーがユーザーの立場にたった何かしらの指針を出さない限り、購入するのは厳しいですね・・・

  9. もっち より:

    私は逆に「YouTuber 枯れた整備士ひでぼんチャンネルさん」が販売してるROM書換*のせいだと思ってますけど、ほんとに無改造車でも起きてるんでしょうか?
    —–
    *EGR量を減らしてトルクアップさせてる奴
    EGR量を減らすと不活性成分が減って酸素分圧が増えるので燃焼が良くなってそのままの噴射時期や噴射量でもトルクも上がるんですが、筒内最高圧力ならびに燃焼室壁温のエンジン設計上の制限値を簡単に超えてしまいます。
     さらに元の制御はEGR量を直接測る代わりにλ(燃焼後の酸素残量)コントロールしているようですが、EGR量を減らすと酸素がまだまだ余ってるっていう計測値になるので噴射量がさらに増える方向になって、さらにトルクは上がるんですが、それに伴って上がってしまう筒内最高圧力も燃焼室壁温も計測してないようですから、そりゃ耐久性が確保できなくなっても当然と言えば当然と思われます。
    (本人も最初は温度が上がるんで対策に苦労して出すのが遅れたって言ってました)

  10. DJデミオ より:

    DJデミオディーゼル乗りです。
    他の方も書いてる元マツダ整備士ユーチューバーさん公表してる事は偽り無しのリアルな話です。4発ディーゼル系は吸気周りの煤の対策を早めにすればまた永く乗れるの事ですが、6発ディーゼルはヘッドが長くヒートした時の歪みで抜ける。車載では清掃が難しい。燃費は悪くないがランニングコストが掛かる。マツダディーゼルは終わりですね。

  11. 名無し より:

    基本的にディーゼルは、ブーストのオーバーシュートでもガソリンのようなノッキングは、起きないので。
    ガソリンのようなリーンバーンでノッキングが起こることがないのです。ディーゼルは、常に超リーンバーンですから。あとEGR過剰も関係無いかと思います。
    EGR=一度燃焼した排ガスを吸気へ還流
    酸素率が当然低いので燃やせる燃料が少なくトルク(燃焼圧=燃焼温度)が上がりません。
    排気側の制御バルブが完全閉鎖する機構なら起こりうるかもなので完全否定は、できませんが。ちなみに10万kmでガスケット抜けした個体、その前にラジエター割れが起こって交換修理してます。多分同時にオーバーヒート起こしてるかと。オーバーヒートだとエンジンヘッドは、歪みますよね?ガスケットも抜けますよね?

  12. キクチ より:

    有償修理ですか・・・
    買わないほうがいいですね。

  13. マツダ頑張れ! より:

    ガスケット抜けを起こしたエンジンをメーカー調べれば、温度上昇によるヘッドの歪み起因なのか?
    シリンダーの圧力の上がり過ぎなのか?
    原因ぐらい分るはずですよね?

  14. キムコ より:

    CX-60の3.3D、11万km走行でヘッドガスケット抜けが発生しエンジン載せ替えとなりました。
    EGR電動ファンイコライザーは施工しておりません。
    ディーラーで点検中にリザーバータンクから冷却液が吹き出しているのをサービスマンが発見。載せ替えの運びとなりました。
    「ひでぽんが」と言うだけでアレルギー的に否定的な反応をするのをよく見かけますが、そう言った事象が起こっていることは事実です。
    国沢さんにもこの事象はしっかり追っていただきたく思います。
    足回り、トランスミッション、そしてエンジン、CX-60はあまりにも問題が多すぎる。

    • マツダ頑張れ! より:

      修理代はどのぐらいでしたか?

      • キムコ より:

        私の場合はディーラーがマツダと掛け合った結果無償交換となりました。マツダ100%出資のディーラーだったのが幸いした?のでしょうか。それとも毎月オイル交換(5000km毎)で、車両状態を把握していたにもかかわらずこの事態に陥ったことに対する償いなのかは分かりません。

  15. エッカルト より:

    要するに、人見さんが言ってた「電気一切無しでハイブリッド同等の燃費はだせる」「アドブルとかの補器一切なしでエミッション規制値はクリアできる」「ワシらの燃焼理論とその具現化で全部解決」は全部ウソだったってことになる?嘘ついてた??

    しかも、どうもうまくいかんってこと薄々かはっきりかは分らんけど認識はしてたけど市販車として販売していたってことになる。結果重大な欠陥が表に出てきた。そのツケについては客に負担を強いるという事???

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