三菱自動車はホンダと日産の経営統合に参加しないというニュースが流れているけれど‥‥
読売新聞のスクープだと思うのだけれど、三菱自動車はホンダと日産の持ち株会社に合流しない意向だという。さもありなんです。本日の時価総額を見るとホンダの7.9兆円に対し日産1.6兆円。三菱自動車と言えば7千億円。合計すれば10兆円になるが、日産は三菱自動車の株を24%ほど所有している。大ざっぱに言って日産1.8兆円。三菱5千億。となると三菱自動車5%しかない。
5%の権利や発言力や影響力ってどんなモノか? ”ほぼ無い”と考えていいんじゃなかろうか。現在進行形で三菱自動車は日産に対し、感謝もしているけれど反発も感じている。具体的に書くと、東南アジア戦略以外、ナニかやろうとすれば全て日産に「お伺い」を立てなければならない。国内ですら新しいビジネスを始めようとすれば、日産のゴキゲンを取る必要ある。
もちろん日産が前向きの会社なら問題なし。されど今の日産は、今のダメな状況にした日産だ。ホンダならいいか? ホンダサイドは歓迎の意を表明しているように思う。それでも5%の発言力でいいのか、ってことになります。三菱自動車はある程度フリーハンドで動きたいのだろう。もちろん緩い提携は望んでいると考えます。おそらく三菱自動車も前向きかと。
さて。ホンダ日産グループに入らない三菱自動車は盤石かとなれば、これまた厳しい。やはり電動化にしろ車載OSにしろ、次世代技術への刷新やスケールメリットは必要。三菱自動車のストロングポイントとされる東南アジアを見ると中国本土からはみ出した中国車の最重要市場になっているし、そいつと戦うべき準備をしているトヨタという強敵だって存在する。
もう一つ。三菱自動車の中に「パジェロを伝家の宝刀」と考える皆さん達もいる。パジェロさえ出せばムカシの強い三菱自動車に戻る思っているのだろう。それは少しばかり違うんじゃなかろうか。エクスパンダーに代表される「良品廉価」でいながらタフというあたりが三菱自動車の根っこ。今やパジェロのようなクルマを売れる国や地域って少ない。
そんなことで三菱自動車の「合流しない」は賢明な選択だと思う。同時に、待った無し&失敗無しに舵取りが必要になってくる。当然ながら三菱自動車ファンとしちゃ「頑張れ!」と応援したい。
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