ホンダ、F1撤退により日本とヨーロッパ、東南アジア、大洋州で輝きを失うだろう

ホンダの経営陣を筆頭に、多くの人は「F1なんかやらなくてもクルマの売れ行きは関係無い」と思っていることだろう。どっこいそんなことありません。お酒のコンクールに興味無くても「金賞受賞」と言う実績あれば買う動機になる。ゴルフ競技をTVで見ない人だって、ゴルフクラブは有名選手が使っている銘柄を使いたくなる。テニスラケットだって同じでしょう。

考えて欲しい。ヨーロッパの有名ブランドのバッグを10万円としよう。日本のバッグメーカーが全く同じ機能や品質持つバッグを作り10万円の値札を付けたらどうか。絶対売れない。これ、ホンダの経営陣だって解る? まぁ1万円だって厳しいです。こうなると中国で5000円のバッグ作ってるブランドと勝負しなくちゃならないし。ライバル多く、厳しい戦いになるだろう。

クルマを「道具=文明」を考えるか「趣味の対象=文化」という意味合いも大きい。文明として考えるのであれば実用性だ。コストパフォーマンスが重要になってくる。同じサイズ、同じ性能、同じ信頼性なら安いクルマを選びますワな。どんなに上手に宣伝したって高い値を付けたら売れない。マツダと同じだ。ブランドイメージ無い自動車メーカーは安いクルマしか売れない。

自動車の場合、ブランドイメージを作るには古今東西「競争」しかない。トヨタはWRCに復帰してからヨーロッパでの販売台数を大きく伸ばした。現代自動車もヨーロッパでトヨタ以外の日本の自動車メーカーをケ散らしている。競争に出て勝つ=技術力が高いという証明なのだった。ホンダ、直近はF1で存在感を示しており、徐々にヨーロッパでのプレゼンスを上げていた。

今回F1文化に砂掛けて逃げ出すことで、もうヨーロッパ市場はニッチもサッチもいかなくなると思う。安ブランドとの価格競争になり、当然ながら勝てず撤退を余儀なくされるだろう。どんなに二酸化炭素排出量を減らしても、高い価格付けらず儲からない。ヨーロッパに於けるホンダは「終わった」かと。イギリスから逃げ出したことも決定的なダメージになる。

日本市場だって厳しかろう。F1撤退のニュース、大手メディアすら伝えた。F1参戦はホンダのブランドイメージ向上に大きなパワーになっている。F1に興味無い人でも「ホンダ凄い!」とどこかで考えてます。今回のような礼儀知らずの撤退をしたら10年くらいカムバック出来ない。その間、ホンダのブランドイメージは日本でも薄れ、軽自動車とコンパクトカーしか売れなくなるだろう。

八郷社長は「環境対応に注力するため」をF1撤退の理由にしたけれど、燃費規制厳しいヨーロッパや日本じゃブランドイメージ低下によりジリ貧になる可能性高いため取り組んだって意味無し。もはや4輪車はアメリカ一本足打法+東南アジアの2輪でやっていこうということなんだと思う。つまりホンダって防戦一方になっちゃうワケ。夢を失い今後伸びる可能性を「摘んだ」。悲しい。

そもそもカーボンフリーと言ったって燃料電池や電気自動車はGMの威を借りる。100歩譲ってF1を止めるのはいいと思う。だったら同じくらい大きい夢を打ち出して欲しかった。

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