三菱自動車も危険水域へ

連日のように米ビッグ3の苦戦は報じられているけれど、日本にも厳しい状況のメーカーがある。三菱自動車だ。11月の販売台数を見ると、対前年比54,3%。何と半分になってしまった。新型車を投入した軽自動車も伸び悩み、87,5%という数字。

今年の前半は仏PSAグループ向けのアウトランダーやロシア市場が絶好調だったこともあり工場もフル稼働に近い状態だったものの、10月から世界的規模で失速。11月に入って一段と在庫が増えている模様。日本市場はディーラーの維持さえ困難になりつつあるようだ。

希望の星だったiMiEVも、ガソリン価格下がるや話題に上がることも少なくなり(宣伝予算無いため積極的な攻めが出来ない)、このまま発売しても収益に結びつかないだろう。加えてiMiEV以外、来年は新車無し。限られた宣伝予算で現有の車種ラインナップのまま頑張らなければならぬ。

早い段階で抜本的な見直しをすれば、まだまだ何とかなる。けれど現在の方針を変更しないまま年越しした場合、相当厳しい数字や収益になること間違いない。数字が出る前であっても新聞などで悪いニュースが取り上げられたなら苦しい話題ばかりになってしまい、負のスパイラルに入ります。

ここで頑張れば破綻した後のクライスラー(新しい枠組みで再スタートすることになるだろう)から技術開発の依頼などが多数入ってくる可能性大。こんな時こそ話題を提供し、元気さをアピールしたらいい。

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4 Responses to “三菱自動車も危険水域へ”

  1. アマチュア部員 より:

    今年の4月に日本自動車研究所でiMIEVやR1eなど数台のEVを運転してみました。
    1台あたり10分間ぐらい試乗でしたが、静かで力強い加速フィーリングは各社のEVに共通する乗り味でした。660ccエンジン搭載のiやR1よりも乗り味は良く感じました。
    しかし、言い尽くされたことですが航続距離の短さが問題ですね。しかもバッテリーが切れてしまったらレッカーを呼ぶしかないという不便さ。
    普通のガソリン車なら近くにスタンドがあれば携帯用タンクに数リットルほどガソリンを入れて給油することもできますが、EVにはそのような方法が現時点ではないようです。
    フィルムカメラ→デジカメ、VHS→DVDレコーダー、など道具が進化する場合、多少失う部分はあるにせよ、大半は「便利だ」と感じる物でないと普及はしにくいように思います。
    急速充電スタンドが沢山できて、充電時間も5分間で80%ぐらいできて、しかもバッテリーの耐久性も上がり、1充電で300kmぐらい走れる、そして燃費(コスト)はガソリンの1/3となれば、ガソリン高などの追い風がなくとも消費者(私)は自然にEVに買い替えると思います。
    現時点のEVはインフラの少なさも含めて不便すぎると感じています。今後のインフラ、バッテリー技術などの発展に注目しております。

  2. タケゾウ より:

    すみません。ひとつ質問させて下さい。
    「早い段階で抜本的な見直しをすれば…」とあるのですが、三菱はこれからどのような対策をすれば良いのでしょうか?
    リコール·脱輪事故以来、ひたすら低姿勢で真面目にやってきたという印象しかないのですが、現在の方針には何が足りなかったのでしょうか?

  3. Ito より:

    三菱に元気がなくなると、iMiEVの登場も怪しくなるので心配です。
    トヨタがプリウスを投入したときは利益的には真っ赤っ赤で思ったよりも売れませんでしたが、いまのニーズ変化を予測して根気強くやり続けました。すぐに金にならないからやめるということにはしてほしくないですね。
    EVは車体よりも先に充電設備を強行的にでも設置しないと、結論的にダメです。ETCが始まったときは誰も通らないのにほとんどのインターにゲートができてました(国はそういう利権や金が絡んだことになると威勢よく動くんですかね)。ETCとはちょっとワケが違いますが、本当に次世代車で国の経済を支えるのなら、そのくらいのことはいとわないべきだと思います。ダム一個作る金あれば、ほとんどの幹線道路に充電器くらい設置できるはずです。
    個人的にiMiEVみたいな車は作ってほしくないですね(さっきと言ってること違いますが)。あの航続距離ゆえに160kmしか走れない→実用的でない、とレッテルがはられてしまいました…
    バッテリーさえたくさん積めば航続距離は延びます。電池のエネルギー密度を20%上げて、あと100kg分積めば300km弱走れます。ここまでくれば実用的です。
    電池が増えるとコストが上がるという大問題がありますが、充電スタンドがあると言う前提なら客は安心して買えますし、需要が増えれば量産に踏み切ることができ価格も下げられます。
    そんな簡単にいくわけがありませんが、国や地方自治体のリーダーシップはそういうところで試されるべきだと思います。

  4. アマチュア部員 より:

    Itoさんの仰るとおり、充電スタンドもETCの時と同様に力を注いでもらいたいものです。
    先日、エコプロダクツ2008の会場でスバルのEVステラを見てきました。
    この車、1充電で80kmほど走れるそうですが、今後リチウム電池の電極にバナジウムを使うことにより2倍以上の航続距離が可能だとのことでした。
    EV業界では2009年を“EV元年”と位置づけているようですので、本格始動は始まったばかりという感じです。今後どのように進化していくか楽しみです。
    それと、ホンダはデトロイトモーターショーでの新車発表を見合わせたとのニュースがありますが、賢明な選択ではないでしょうか。
    ビッグ3がこれだけ窮地に立たされている中、新型インサイトなんかを発表したら完全にアレですよね。
    トヨタも新型プリウスはデトロイトでは発表しないんでしょうね。
    しかし自動車業界も大変なことになってきましたね。なんとか乗り切ってもらいたいと願うばかりです。

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