世界は全開でカーボンニュートラルへ! グランドプラン無し&利権まみれの日本は?
日本では一部の「知ったか層」が欧米のカーボンニュートラルへのパワーダウンを語っている。ホントにそうなのか? いくつか数字を上げてみたい。まずアメリカ。大量に天然ガスが採掘出来るため再生可能エネルギーに興味ないかと思いきや、なんも! アメリカ、家庭用の太陽光発電だけで直近の8年で毎年原発4基分(4GW)づつ増えてきている。直近で50GWに達した。
アメリカホンダの屋根だけで2000kWのメガソーラー
アメリカ、私の家にも導入しているプラグインソーラーが人気。安価なアメリカの電力料金ですら10年で投資コストを回収出来る。もちろん企業の太陽光発電も増えてきており、直近の3年は家庭用と合わせ毎年原発15基分以上の発電量になってきた。100%化石燃料で発電しているハワイは全米で一番電気料金高いため(それでも日本と同等)、プラグインソーラーの導入が急増中。
欧州といえば2022年は太陽光が7GWの風力3GWで原発10基分! 欧州は緯度が高いため、太陽光より風力を増やそうとしている。太陽光と風力は発電する条件が違うため、なかなか相性良いという。興味深いことに再生可能エネルギーの発電比率をドンドン上げており、昨年あたりから余った電力を貯める技術の開発に注力し始めている。少なくとも乗用車は電気で走らせる方向。
中国はフルパワーだ! 2022年は原発60基分に匹敵する60GWの太陽光発電が導入され、今年も同じペース。遠からず昼間の電力は使い切れなくなる。ここにきて太陽光パネルを作る電力も太陽光由来になりつあるようだ。同時に進めているのが電気を有効に使ったり貯めたりする事業。考えてみたら電気自動車用に年間20GW級の電池工場をいくつか作ってます。
原発20基分の電池を作っているワケだ。中国と日本で開発している次世代の急速充電システム『チャオジ』が立ち上がれば、駐車しているときの電気自動車はカプラーを挿しておけばいい。電力余ったら充電。不足したら放電することで需給バランスをキープ出来る。電気自動車用電池の生産、中国では1年間100GWに達するイキオイ。数年で原発500基以上のバッファになる。
原発10基分の発電量を持つ巨大施設 写真/中国新聞網
翻って我が国を見ると経産省も環境庁もグランドプランを描けないで居る。いろんな利権団体に忖度しているからだ。そればかりか太陽光発電の普及にブレーキ掛けている地域だっであるほど。東京電力なんか売電料金は1kWあたり9円! 「導入しないでくれ!」と言ってるようなもの。そいつを40円以上で売ってるんだから酷いビジネスです。困ったもんだ。
個人的に興味深いのは原発のない八丈島。太陽光発電と電池を導入することでとりあえず島の発電で出る二酸化炭素を半分に減らせるだろう。その時点で島の発電所を維持するため、電力料金を2倍にしてやる。これで一段と自給意欲出るだろうから、15年計画で火力発電所を縮小していけばよかろう。八丈島には地熱発電のポテンシャルもあるため、カーボンニュートラルは可能かと。
原発利権の無い地域からカーボンニュートラルをすすめていけばいい。そんな政治家、日本にいないか。とりあえず八丈島のカーボンニュートラルは尽力してみたいと考えてます。少なくとも東京電力から電気買うより絶対安くなると思う。カーボンニュートラルのモデルケースになるようにしたい。
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7月末に日産サクラの累計注文台数が5万台を超えたとのニュースがありました。20kWh×5万で、1GWhになります。これだけで、原発1基のフル稼働1時間分です。これを多いとみるか、たかが1時間分じゃないかと見るかは人それぞれですが、日本全体でBEVが増えていけばかなりのバッファー量になるのは明らかですよね。
また、工場用地の工場の屋根と駐車場を太陽光パネルで覆い、工場稼働分の電力と従業員の通勤用BEVの充電に使い、さらには九州のように季節により太陽光の発電量を抑制している土地では、こういう工場に引き受けをお願いするば良いのにと思うのですが。さらに、従業員は帰宅後、BEVを自宅のV2Hにつないで放電するって社会になったら、電力事情が大きく変化すると思うんですが…簡単じゃないですけどね。
日本の行政は利権で動いていますから、我々庶民は自分の回りに働きかけすこしでもカーボンニュートラルに近付けられたらとは思っているんですが、今のままだと、残念ながら相当遅れそうですね。
八丈島のカーボンニュートラル化、めっちゃ応援します!
チャオジのカプラ挿しっぱなしで充放電、のところがそれをやってしまうとバッテリーの劣化は大丈夫なのかな?と心配してしまいます。
三元系リチウムイオン電池だと持ちそうにないと感じるが、リン酸鉄リチウムイオン電池だったら大丈夫なんだろうか?