中国の電気自動車が猛威を振るう、きっと!(29日)

・日産の完成検査不正の件、私ら専門家が危険性を指摘する問題ではありませんので静観します。

中国はアメリカと同じようなZEV規制(排気ガスを出さない自動車を一定台数販売するという法規)を2019年から始めることを発表した。当初2018年に「販売台数の8%」としてスタートさせようとしていたのだけれど、多くの自動車メーカーから「無理!」と反発された結果「2019年から10%」になったようだ。

ちなみに2020年は販売台数の12%だという。対象となるのはアメリカのZEV規制と同じく燃料電池車、電気自動車、PHV(電気自動車としても使えるハイブリッド車)の3タイプ。トヨタやホンダ、日産など大手日本のメーカーの場合、大雑把に言って2019年から3万台程度の電気自動車を販売しなければならない。

中国はリチウムイオン電池の輸入を認めていないため、電気自動車を作るなら車体も電池も現地生産することとなり、トヨタとホンダの場合、電池の調達から始める必要がある。といっても日本の自動車メーカーは優れた情報収集能力持つ。2019年の規制開始に間に合わせてくることだろう。

むしろ問題は電気自動車技術で中国が大躍進することだと思う。日本の自動車メーカーは電気自動車を作る技術を持っているが、電池を安価に大量生産する工場無く電気自動車の価格も高価。加えて電池の進化は日進月歩。中国で本格的な電池の生産が始まれば、技術もコストダウンも大幅に進む。

もちろん日本でも電池の開発を行っているが、価格競争力という点で厳しい。最新型の電池で1kWhあたり3万円程度する。中国の最新事情を調べてみたら、2~3年スパンで1kWhあたり1万5千円くらいになるようだ。大量生産を開始する中国のスタートダッシュに追いつけないと思う。

日本の自動車メーカーも電気自動車用の電池を中国から調達するようになるかもしれない。また、優れた価格競争力を持つ中国製の電気自動車は、世界中に輸出される可能性を持つ。いわゆる「ゲームチェンジ」という悪夢のような自体になる可能性も。日本の自動車産業にとって、かつてないほどの危機だと思う。

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