中国市場その後
中国市場での日本車の売れ行きが戻りつつある。暴動の後、1年くらいは厳しいだろう、と思っていたけれど、半年で相当回復している。例えばホンダは前年同月比で6,6%減という状況。暴動直後は53%減となっていただけに、急回復と言ってよい。常識的な価値観を持つ中国人、考えている以上に多いようだ。
ちなみにトヨタは11,7%減。日産16,6%減と、やはり随分回復してきた。順調にいけば暴動前の数字まで回復する可能性大。今後、日本の自動車メーカーの中国市場拡販の動きは大幅にスローダウンするだろうけれど、最悪の状況を脱したと考えていい。ただ中国熱は去った。地に足を付けた展開になるかと。
そもそも中国政府は今以上の外資導入を望んでおらず。もはや中国に自動車技術が根付いており、今年の上海ショーあたりから中国メーカーの新型車も続々出てくるに違いない。今後の需要の伸びは中国開発のクルマで、みたいな流れになっていく。中国政府が考えた「絵」の通りに進行しているから素晴らしい。
まぁ日本のメーカーにとっても、すでに中国は魅力的な市場じゃなくなっている。上がった利益の半分は中国側に持って行かれ、半分の利益だって日本に持ってくるのが難しい。工場としての中国も、労働賃金上がる一方。それでいてデモなど抑えるのに苦労する。今や東南アジアの方がはるかに魅力的と言えよう。
最近の自動車メーカーの動きを見ていると、リスクの細分化をしている。大きな市場に集中せず中規模で進出、横の連携を取ろうというもの。東南アジアの場合、タイを中核に、インドネシア、インドといった拠点を充実させ、さらにベトナムやマレーシアも育てていく。安価な部品はカンボジアやミャンマーでございます。
幸い、どこの国でも日本の企業は歓迎されている。他の国より日本の海外進出はスマートだからだ。仏教国はタイを。ムスリムの国はインドネシアを見ている。いずれも日本の企業を見ると無理なく溶け込みながら、日本流の品質管理をしていく。ここにきて若手の優秀な日本人が増えてきた。行けそうな雰囲気です。
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新聞では、中国販売未だ回復せず的な論調がありますが、最悪期と現状を踏まえると充分回復基調にのっているのですね。なるほど〜。