原油流出事故
メキシコ湾で続くBP海底油田からの原油流出事故は、史上最悪の環境汚染になるだろう。人類に決定的なダメージを与える、と主張する学者も少なくない。現時点ではメキシコ湾内に留まっているため、日本からすれば対岸の火事といったイメージ。果たして安閑としていられるのか?
最新の情報など。
直接的な環境被害という面からすれば、現状じゃ心配無い。メキシコ湾から流出するという最悪の事態を迎えても、大西洋のみ。太平洋に流れ込む心配はしなくていいだろう。ただ少なくともメキシコ湾内&沿岸地域は想像すら出来ない規模の、かつ壊滅的なダメージを受ける。海洋生物の死滅に留まらぬ。
・最新の流出状況
ちなみに1989年にアラスカで発生した史上最大と言われるタンカー事故すら流出量4万KL。20年経った今でも環境被害が残っているほど。今回の事故は1日で1万KL近く流出しているという。年内に流出を抑えられる可能性は限りなくゼロに近いので、下を見て200万KLという膨大な量である。
御存知の通り地球上の酸素の大半は、海に住む植物プランクトンが供給してます。二酸化炭素も植物プランクトンで吸収し、そいつの食物連鎖の末、海洋生物の糞になって海底に沈められる。地上の植物も二酸化炭素を消費するが、最終的に、ほぼ同量の二酸化炭素を出す。単なるリサイクルなのだ。
海洋と大気の循環、海面に薄い油膜1枚出来ただけで阻害されてしまう。地球温暖化&酸素の問題一つとっても、広大な海域が汚染されたら決定的なダメージを受けるのだった。大西洋に流れ出すようなら、さらに被害は広がって行くだろう。海流に乗ってしまうとヨーロッパだって他人事じゃない。
すでに米国議会は紛糾する気配を見せており、早くも海底油田の開発にストップが掛かった。現在稼働している海底油田も今後どうなるか怪しい。もしかするとい世界規模で海底油田開発に規制掛かることだろう。このところ新しい大油田見つかるの、海の下ばかり。実際、原油相場は上昇中だ。
もちろん自動車産業にとっても大きな影響出てくることは間違いない。ますます石油依存度を低くしなければならない、ということである。こらもう欧米共、国策になる可能性大。電気自動車にとって決定的な追い風か。燃費の良いハイブリッド車や、小型軽量のエコカーも需要増えるハズ。
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私も国沢先生と全く同意見です。
海底油田の開発は、エネルギー問題解決の一つの解答でしたが、
今回の件で大分後退してしまいました。
今後、欧米の先進国中心に代替エネルギーへのシフトは加速すると予想します。
そういってる間に、中国は先日カナダとエネルギー開発協力に向けて動き始めました。
カナダは核燃料のウラン埋蔵量が世界3位と言われています。
日本は1位と言われるオーストラリアと強い関係を持っていますが、
のんびりしていて、いつの間にか蚊帳の外なんてならない事を願います。
本当にひどい事故です。
原子力発電所の事故に匹敵するような事故かと思います。
何ヶ月も経った今でも、原油流出が止まっておらず、現在も被害が拡大中というのが、最悪です。
(第一報を聞いたときから、「こんなもの止められるのか」と思いましたが。
また、「途中で止める弁などはないのか」と思いましたが、理由は分からないが作動しなかったとのことです。)
以前何度かBPのブレーキオイルを使っていたので、多少親近感はありましたが、残念です。
(品質が良いという印象はありませんでしたが)
BPは、この前にも2度ほど大きな事故を起こしているようですし(それで社長も変わったとのこと)、今回の事故に関しても、コストダウンや工期短縮のために必要なことを省いたりいくつかの法令違反をしているようなので、決して万全の注意を払っていたのに事故が起きたという訳ではなく、起こるべきして起きた事故だと思います。(決して起きて良い事故ではありませんが)
現時点でも流出が続いており、流出を止めたり、流出したオイルの回収や、被害者への賠償が先決かと思いますし、まだ制裁金がどうこういうときではないですが、当然制裁金は必要で課させるでしょう。
(もちろん、賠償金額も大きなものになるでしょう。(とりあえず、本件被害を賠償するための基金が設立され、BPが 2兆円出したそうです。(アメリカから要求された) ) )
トヨタのリコール隠しのとき、本来は制裁金 1兆円とも言われましたが、それよりもはるかに重く、制裁金は 10兆~40兆円くらい課されるべきと思いますし、課されるように思います。
また、トヨタの件は(1兆円と決めた人の中にも)倒産しても仕方ないとまで思った人はいなかったように思いますが、本件はBPが倒産しても仕方ないようなことかと思います。
( 制裁金は、このような事故を 2度と起こさせないためにも必要かと思います。( 安全性を軽視して事故を起こしたときなど。) 日本は制裁金が少なすぎると思います。BPは、少し前にも2度くらい事故を起こしていたようですが、そのときに多額の制裁金を課されていれば、安全を軽視しコストダウンするよりも安全対策をする方がコスト面でも良くなり、安全性を軽視しない企業に変わっていて、今回の事故も起きなかったかもしれません。また他の企業も、当然注意するようになるでしょう。)
また、イギリスでは、重油流出のことより、この件により業績が悪くなり年金が減ることばかりが心配されているようです。(国やイギリスの企業がBPに多くの年金基金を投資しているとのこと。) イギリス人は、このようなとき自分たちの心配ばかりでなく本来の被害を受けた側のことを考えれる人たちだと思っていましたが残念です。またヨーロッパの企業(BP)は、安全性を重視する企業かと思っていましたが、コストや工期短縮のために安全性を軽視していたようで残念です。( トヨタの奥田氏と非常に仲が良かった小さなタイヤ部品企業(ただし仲が良かった会長は亡くなった)の人が言っていましたが、トヨタではヨーロッパから工作機械を購入すると、安全装置がたくさん付いているので、まず安全装置を取り外すとのことです。)
また、BPの株主は金銭上の被害(?(加害者ですが))を受けることになりますが、当然です。株主が、安全を軽視しても利益を求めていたかもしれません。どちらにしても、その前に 2度ほど大きな事故を起こしていたようなので、安全を重視させるべきだったでしょう。
また、2度とこのようなことが起きないように、規制なども厳しくなるべきであり、厳しくなるでしょう。原油の供給量が減ったり価格も高くなるでしょうが、それだけリスクが高いことを行なっているのであり(リスクが高いところでしかオイルが採れなくなってきた)、決して今後このようなことが起きないように、安全性が高められるべきです。もし安全性が確保できないときは、海底油田の開発の禁止も仕方ないかもしれません。
とりあえずは、早く流出が止まることを願います。