合成燃料、欧州とアメリカは全く違う方向になりそう。そしてクルマは電気が主流に
欧州はカーボンニュートラルに向かって突っ走っているが、当然ながら「理想」と「現実」には開きがある。中でも2030年の「エンジン車販売禁止緩和か?」が興味深い。加えてeフューエルの基準が少しずつ変化しているようだ。アメリカはアメリカで欧州と違う合成燃料の基準を作ろうとしてます。最新の合成燃料事情について紹介してみたい。けっこう興味深い内容だったりします。
まず欧州。乗用車については100%電気自動車か燃料電池車という方向だったものの、ドイツなどの強い反対で「空気中の二酸化炭素を回収して作る合成燃料なら認める」という譲歩をした。そして最近になり「廃棄物を使った合成燃料も認める」という方向になりつつある。この情報を受け「そらみたことか!」という声も出てくると思うけれど、決定的な弱点を持ってます。
コストだ。廃棄物を使った合成燃料は、当たり前ながら廃棄物が無いと作れない。すでに廃棄物は高騰しており、その上で製造コストも掛かってくる。エネルギーコストとして評価すると電気の方が圧倒的に安くなる。欧州に於ける合成燃料は航空機や、軍関係、政府関係、消防車、警察車両に限られると思う。乗用車の電気自動車化はブレーキ掛からないと考えてよさそう。
アメリカは州が国くらいの強い自治権を持つ。環境意識高い海沿いの11州とテンガロンハット被ってフルサイズのピックアップに乗る人が多い中西部と違う選択になりそう。もちろん海沿いは定めれた電気自動車の販売比率を守っていくに違いない。中西部は穀物などから作る合成燃料を認め、総合的に二酸化炭素の排出量を減らしていくということになる可能性が大きい。
穀物から作るバイオメタノールを使う合成燃料はガソリンと大差ない頒価になるだろう。すでにバイオ系の合成燃料に注力しているアメリカの石油大手も出てきた。ただ中西部は日本車の希薄地域。あまり期待しない方がいいと思う。いずれにしろ状況は日々動いている。加えて普及のタイミングを読むのが難しい。ここから先は企業の体力の情報種収納力、経営陣の読みが勝負になります。
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