圧縮着火エンジン、スーパーチャージャー付き簡易式ハイブリッドのため超高価
スカイアクティブXの圧縮着火エンジンについて書いたら、知り合いから「圧縮着火をハイブリッド用のエンジンとして使えばいいでしょ」と聞かれた。話を聞いてみたらスカイアクティブXについての詳細を知らないことが判明。確かにどんなエンジンなのか理解していない人も多いようだ。簡単に言えば、スーパーチャージャー付きの簡易式ハイブリッドという複雑な構成です。
手前にスーパーチャージャーが付く
まずエンジン本体のコストは直噴の2リッター4気筒と大差なし。この時点なら簡素なポート噴射式エンジン使うプリウスより販売価格にすると数万円高で収まる。しかしスカイアクティブXはスーパーチャージャーを組み合わせないと上手くいかないということで普通なら10~15万円高になってしまうスーパーチャージャーと、冷却系を必要とします。もう高そうでしょ?
その上、オルタネーターをモーター&発電機として使う簡易式ハイブリッドまで組み合わせている。これまた一般的に10~15万円高くなるアイテムです。つまりけっこう高いワケ。どれどれ、とばかりマツダ3の2リッター『プロアクティブ』の価格を見ると、ディーラーに事前配布されている資料によれば247万円。そして圧縮着火エンジン搭載のプロアクティブは314万円!
何と67万円も高い! エンジン出力は普通の2リッターが156馬力。圧縮着火181馬力と若干パワフルながら、アメリカ仕様に搭載される2,5リッターなら189馬力で、そこには届かず。気になる燃費だけれど、マツダ曰く「現行のディーゼル並です」。同等の出力となれば2,2リッターディーゼルでJC08は19.6km/Lとなる(1,5リッターディーゼルだと21,6km/L)。立派なデータだ。
カッコ良いカローラのステーションワゴン
一方、マツダ3のライバルとなるカローラ・スポーツは、プロアクティブと同等の装備内容持つ『G』で252万7千円の34,2km/Lである。カローラ・スポーツはあまりカッコ良くないけれど、今後、カッコ良いセダンやステーションワゴンなど出てきます。デザインでオウンゴールしまくってるトヨタが良い方向を向き始めたら、価格でも燃費でも厳しいんじゃなかろうか。
前回の記事で書いた通り、スカイアクティブXだけだと欧州とアメリカの燃費基準をクリア出来ない。かといってスカイアクティブXをハイブリッドのパワーユニットとして使った場合、シンプルなトヨタのハイブリッドをコスト的に大きく上回ってしまう。すでにハイブリッドだって徐々にコストダウンが進む電気自動車と勝負しなければならなくなってきた。
勝ち目はあるのかな?
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