太陽光発電バッシング急増中。果たして危険なのか? 中国利権なのか? 電気自動車との相性は?

ここにきて太陽光発電に対する批判記事が増えてきた。内容を読むと大ざっぱに以下4つの理由によるものらしい。1)中国利権だから。2)再エネ賦課金を負担させられるなど電気料金が上がる。3)自然環境に負担を掛ける。4)リサイクル出来ず危険なゴミになる--だからそんなもん止めちまえ、ということです。反対運動、著名な文化人や知識人も加わっている。

でん吉は電気を買わずに運用中

ホントか? まず利権。確かに現在太陽光パネルを生産しているのは”ほぼ”100%中国である。我が国が先行していたのだけれど、国のバックアップ無く中国に持って行かれた。したがって中国にお金が流れる。ただ石油利権や原発利権と比べたら圧倒的に少ない。2024年度の国内販売量はおよそ5.5GW。直近だと1kWあたり2万円程度。5.5GW分で110億円規模だ。

一方、化石燃料は17兆円規模。桁が3つも違い、お話にならない。しかも化石燃料って永遠に買い続けなければならない。中東にお金を払い続けるという絵図になってます。原発関連も大きなお金が動く。廃炉を決めながら技術的に不可能な『もんじゅ』と『ふげん』『東海再処理施設』の維持費(主に電気代。捨てているのと同じ)だけで年間予算335億円!

原発が安全ながら消費地に近い東京湾や大阪湾に

2)の再エネ賦課金は直近の発電コストを見ればナニに使われているのか解る。直近の発電コストを見ると、1kWhあたり太陽光が10円前後。化石燃料12円前後。原子力は誘致&廃炉コスト抜きで最低11.7円という状況。原発のコストには福島の膨大な対策費や前出のもんじゅやふげんなどの費用を含まない。しかも太陽光の買い取り価格は急激に安くなっている。

電力コストを大きくしているのは原発であり、太陽光発電についちゃドンドン安くなってます。私のウチなんか1kWhあたり9円でしか買ってくれない。買うときは40円以上だ。この流れ、電力会社が悪いんじゃ無く、石油や原発を維持したい皆さんによって作られたもの。再エネ賦課金の値上がりについて叩くべきは原発関連費用であり、太陽光発電じゃないと思う。

写真/人民網

3)自然環境に負担を掛けるというのは至極ごもっとも。100%賛同したい。そもそも太陽光発電パネルは掃除に代表されるメインテナンスをしなければならない。鳥の糞ですら発電効率落ちる。野山に太陽光発電を導入するのなら、ゴルフ場の跡地くらいまでに制限すべきだと思う。工場や建物の屋根、高速道路の上などが好適だと考えます。

4)アルミ枠とガラスとシリコンからなる太陽光発電パネルは現在技術開発が進行中。今は50%程度に留まるリサイクル率を上げていく方向にあり、法整備も進んでいる。5年もすれば安価にリサイクル出来るようになるだろう。その上でラミネート状のペロブスカイト構造を持つ太陽光発電パネルなど出てくればリサイクルはさらに容易になる。

以上、自宅に太陽光発電パネルを設置出来るのなら、太陽光発電し、余った電力は電力会社に売るんじゃなく電気自動車に入れて使うのが最もリーズナブルで環境にやさしいと思う。そういった意味では東京都の政策が環境&エネルギー問題に対する現時点で最も正解に近いと考えます。ウチも近々家庭用の蓄電池を導入する予定。

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2 Responses to “太陽光発電バッシング急増中。果たして危険なのか? 中国利権なのか? 電気自動車との相性は?”

  1. Hiro3 より:

    うちは広い田舎の家でソーラーパネルの設置場所に困らないので、家庭用発電ソーラーパネルと蓄電にとても興味あります。
    似たような環境の家庭はいくらでもあると思いますが、やはり何年で元を取れるのかが最も気になるところです。

  2. ナナシー より:

    世の中にはホントおめでたい人達がたくさんいます。
    少しアタマ使って考えればすぐわかると思うが。
    この記事読んで理解してくれる人が増えることを望みます。

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