我が国の最終防衛ラインである自動車産業に暗雲が出てきた。このままだと電気自動車負ける

我が国の貿易&貿易外収支の大きな柱となっている自動車産業は最終防衛ラインでもある。ここを破られたら守る手段無し! 他に稼げる産業は育っていない。そして今や自動車産業=電気自動車という流れになってきた。優れた商品を作れないとシェア奪われる一方になってしまう。一方、我が国は政治家も役人も国民も、第2次世界大戦前夜と同じような「日本凄いぞ!」状態。

BYDのドルフィン

真珠湾攻撃の前夜、我が国は日清戦争、日露戦争で勝ち絶好調だった。アメリカや欧州に勝てると真剣に考えていたのだから恐ろしい。当時、新聞などメディアも日本凄いぞ強いぞをアピール。ちょうど今の日本をイメージしてもらえばいいだろう。多くの人は「ホンキになったら日本も優れた電気自動車を作れる」と信じて疑わない。客観的に見たらすでに負け戦の兆候いくつか出てます。

最も心配なのは現在販売している電気自動車が負けていること。どんなひいき目で評価してもbZ4X/ソルテラはアイオニック5に勝てるとは思えない。ARIYAは優れた電気自動車ながら、価格まで含めた商品力で厳しい。日本以外の市場で日本の電気自動車が存在感を示せるかとなれば、すでに「いいえ」と答えざるを得ない状況になってしまった。BYDの電気自動車、ソコソコ良いと思う。

加えてライバルは日進月歩で前に進んでいる。1年ごとにハッキリ進化しているのだからいかんともしがたい。この状況を見ても依然として「電気自動車の時代なんかこない」と主張する知識人がいて、そいつに賛同する企業や人は少なくないのだった。「円安になれば日本でクルマ作って輸出」ということも考えられるけれど様々な規制で制限されてしまう(政治家が優秀なせいです)。

そもそも負けが込んでいる電機関係の企業に電池作りを依存している時点で無理筋なんだと思う。国際競争力なかったから縮小均衡を繰り返してきた。これからの5年間で勝負が付くと予想する。この間に抜本的な電気自動車の戦略を見直さないと縮小均衡の連続になるだろう。すでに「これ以上は伸びないでしょうね」と思えるメーカーもいくつか出てきた。10年後、勢力図は激変の予感。

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