改造車に厳格だったトヨタディーラー、Gazooラリーチャレンジで大変貌した。次は「人」を変える?
一昔前までトヨタのディーラーといえば改造車に厳格だった。社外アルミホイールを履いていたら受けてくれないことすらあった。サスペンション交換しているクルマなんか門前払い。そんなトヨタディーラーを大きく変えることになったのが、Gazooラリーチャレンジである。見に行けば解るけれど、スポンサーになってる全国各地のトヨタディーラーの桃太郎旗が立ってます。
ディーラー名で参加しているチームまであるほど。Gazooラリーチャレンジに出場しようとすれば、アルミホイールやサスペンションどころじゃない! フルバケットシートや、5点式以上のシートベルト、ロールケージまで付いちゃってます(笑)。もちろん全て車検対応の合法パーツながら、以前はそれすら受けてくれなかった。今やトヨタのディーラーは合法かどうかが基準です。
なんでそうなったか? こらもう簡単。当時社長だったモリゾウさんがGazooラリーチャレンジに参加するようになったからだ。「社長がやってるのならいいだろう」という流れもあれば「社長に同じことをやりたい」みたいなケースだってあるだろう。モリゾウさんが出ることによりGazooラリーチャレンジはモディファイに対する御赦免状(束縛から解放されること)になった。
今後は「人に対する御赦免状」になったらいいと思う。終末に静岡県の裾野市で開催されるGazooラリーチャレンジのコドラは日本経済新聞の記者さんです。ベストカーの本郷君が別件で話をしていた時にGazooラリーチャレンジになり、冗談半分で「コドラやりませんか?」と言ったら「やりたいです」とな! メディアの基本は現地現物主義。実体験が基本だ。
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実際、ラリーを見に行ってもレースを見に行っても、4~5回くらいじゃオモテしか解らない(10年以上取材してる人は相当解ってます)。特にクルマ好きというベースの無い記者さんじゃ無理。でも参加することで様々な体験が出来る。そもそも一般道を全開で走るなんて経験、クルマ好きだって出来ない。クルマの魅力の何分の1かは簡単に味わえない「走る」にある。
かといって会社員という立場でモータースポーツに出るのは難しい。危険が伴うからだ。そんなハードルを取り去ったのもモリゾウさんである。「トヨタの社長が参加しているスポーツのレベルなら大丈夫」ということです。モリゾウさんが出ているから許可が出た、という人の話をたくさん聞いた。自動車担当の記者としてもモータースポーツを知っておく価値あります。
前述の通り今後は普通の人にクルマの奥行きを知って貰う場にもなっていくだろう。私の場合、第一弾は若手ジャーナリストの西川昇吾君だったけれど、残念ながら「対向車が来ない一般道を全開で走る」というラリーの楽しさの本質を紹介しきれなかった。記事を見ると時間を守ることの記述ばかりでした(笑)。今週の日経新聞の記者さんには楽しさを味わって頂きたく思う。
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