新型N-BOXの自動ブレーキ誤作動の続き
数日前に紹介した新型N-BOXの自動ブレーキ誤作動の件、ホンダに取材しました。この動画、研究所でもキッチリ検証したそうな。結論から書くと3つのファクターが重なった非常に珍しいケースであり、新型N-BOXと同じボッシュのレーダー+カメラを使っているシステムは、ホンダ車以外でも同じようになるという。以下、じっくり聞いてみたので紹介したいと思う。
https://youtu.be/meIieHe23n8?t=11s
まず一つ目のファクターはステップワゴンが出てきたあたりにある高さ20mmくらいの鉄板。ボッシュに限らずこの手の段差はレーダー波の反射が大きいという。特にレーダーをバンパー部分に付けるようになってきたため、距離あると20mm以上の”障害物”に見えるという。ただボッシュのシステム、レーダー波だけに反応しているワケじゃない。普通の段差ならスルーする。
そもそも20mmの段差で急ブレーキを掛けていたら誤作動しまくり危なくって仕方ない。開発を担当したボッシュも、車載してセットアップしたホンダもこの点はしっかり解っており対応済み。ということで二つ目のファクターとして、段差のある場所から出てきたステップワゴンの存在が出てくる。ちょうど鉄板の位置に出てきたたため、カメラは車両として判断。
しかもレーダーの”測距精度”にちょうどマッチしたあたりでカメラもクルマをキャッチした。鉄板の反応は車両だという判定を下す。これで二つのファクターが重なるのだけれど、それでも緊急ブレーキは掛けないという。というのもステップワゴン、すでに遠ざかってますから。実地検証してないけれど、緊急ブレーキ掛けたときは70~80mくらい離れている。
レーダーの方は鉄板の場所に車両が居ると判定しているけれど、カメラは遠ざかっているため普通なら緊急ブレーキのトリガーを引かない。けれど動画のケースでは緊急ブレーキまで掛けてしまった。最後のファクターは何かと言えば、光線の加減だという。ボッシュのカメラはモノクロ。ちょうど真横からの光だったため、ステップワゴンのボディ後面のコントラストが厳しかった。
ちなみにこういったケースで誤作動したケースはこれまでないという。ホンダもボッシュに対し強く改良を迫れるに違いない。自動ブレーキの歴史はボルボXC60から9年。ホンダがレーダー+カメラ使ったシステムを始めてから3年半。ボッシュ使ったのはN-BOXから。そういった意味じゃ開発段階で出し切れていないエラーもあるかもしれない。この動画、貴重な資料です。
もし自動ブレーキ付きクルマに乗っていて、何も無いのに緊急ブレーキまで掛かったケースの動画あれば、どんどん教えて欲しい。メーカーに投げ、改良の役に立てて貰いたいと思う。”誤作動の動画”を提供して頂いた場合、メーカーからのお礼は当該メーカーで乗りたいクルマを一週間貸して貰う、なんていかがでしょうか? そのくらいならリクエスト出来ます。
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