日本の自動車産業にとって生命線と言える5月のアメリカの販売台数が出ました! 厳しい

4月3日以降、日本からアメリカに入ってくる自動車について27.5%の関税が掛けられている。突如決まったことなので4月は輸出調整が一部間に合わなかったものの、5月は各社関税対応している。つまり日本からの輸出を絞ったと思う。結果どうなったか? 5月のアメリカの販売台数を見ると、昨年の5月比で日産は-3.9%。マツダ-18.6%。スバル-10.4%となった。

全ての自動車メーカーがマイナスになったかとなればそうでもなく、トヨタは10.9%。ホンダ6.5%。三菱13.7%増になっている。まぁ三菱は増えて9194台。トヨタの24万176台と比較になりませんが。トヨタは現地生産も輸出も巡航ベース。伸びているのはハイブリッド人気が相変わらず続いているということになる。ホンダは日本から輸出してないため、現地生産です。

アメリカの販売台数を分析すると、やはり輸出比率の高いマツダとスバルの影響が大きいということになる。6月28日時点で関税問題は決着していないため、6月に続き7月の輸出台数も減らすんじゃなかろうか。けっこう痛いです。マツダ 世界生産台数を見たら昨年5月比で-10%と厳しい。アメリカや中国だけでなく欧州の販売台数が-21.7%となったあたりも問題。

という状況の中、マツダの株価が27日にポンと上がった。上がる要因ないと思える。なんか抜本的な対応策をしているのか? マツダと同じくらい厳しいのが日産。下は5月の世界生産台数なのだけれど(クリックすると大きくなります)、低下に歯止めが掛からない。今後、中国は落ち続けるだろうし。アメリカも抜本的な対応策無し。今年度1兆円を超える赤字か?

地味に厳しいのがホンダ。世界生産台数は10ヶ月連続して減り続けており、今年1月~5月の台数は前年の90.9%に留まってしまっている。日産との業務提携の話が出た時に「ホンダもじり貧」と書いたけれど、これまた状況に変換無し。ホンダの場合、縮小均衡策を上手にやっているということなんだけれど、今のままだと遠からず大リストラが必要になります。

数字を見ると足を引っ張っているのは中国。倉石前会長時代の中国戦略が大失敗だったということになる。私ですら当時ずっと指摘し続けていたことなので十分予想出来ていたこと。ホンダに限らず、マツダも日産もごく少数(一人か二人)のトンチンカンがオウンゴールしちゃう。解っていて失点するのだから悔しい。重くて大きい荷物を背負った経営再建は辛いです。

右肩上がりの時代、クルマの評価だけしていればよかったのが懐かしい。

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