日本勢電池、日本以外は全滅へ! 新興国の電気自動車用電池は中国勢に持って行かれると覚悟した方がいい

次々に残念な話が入ってくる。中国のCALTはタイに大規模な電気自動車用電池の工場を作る計画を進めている模様。タイも電気自動車を普及させようとしている。だからこそトヨタはハイラックスの電気自動車を開発中で、生産もタイになるようだ。ただトヨタを持ってしてもタイで安価に大量の電池を入手する明確な計画は持っていないように思う。どこかから調達するしかあるまい。本来ならパナソニックあたりが作ってくれたらいいのに。

しかしパナソニックは熱に強いリン酸鉄リチウム電池を作るノウハウは持っていない。人間と同じくらいの熱にしか耐えられない三元系リチウム電池だと、50度以上になることも多いタイでは(今年44度という気温を記録。それより渋滞時に路面から喰らう遠赤外線などが厳しい)絶えず冷却していないければ厳しいと思う。リン酸鉄リチウム電池の弱点である外気温低いときの性能低下も下がって10度というタイの気温なら全く問題なし。

BYDもタイに20万台規模の電気自動車工場を建設中。当然ながらCATLと別に20万台規模のリン酸鉄リチウム電池を作る工場を考えていると思う。CATLとBYDだけで40万台規模! トヨタはBYDともCATLとも良い関係を持っているため、どちらかから調達することになるだろう。つまり日本の電池が入り込む余地無し! そもそも三元系リチウムを作っているようじゃお話にならない。いい加減古い技術だと言うことを認識すべきだろう。

この流れ、タイだけじゃないと思う。BYDもCATLも中国の企業ながら政府と関係の無いいわゆる「民族系」。中国から普通に出てこられる。工場だって普通に海外に作る。アメリカや欧州だってキチンと手順に沿って海外生産された電池なら企業の国籍が中国だって阻害出来ないです。もちろん第一汽車や上海汽車、広州汽車など半分政府がオーナーの中国企業は海外進出について様々な問題出てくるので難しいと思います。

日本だって例外じゃ無い。政府が中国からの電池輸入を禁止したら、CATLやBYDが工場進出してくる可能性あります。というかその前に日本勢の電池は価格も技術も競争力を失ってしまうと思う。未だに全固体電池で巻き返せるなんていう夢から覚めた方がいい。全固体電池だって中国や韓国に技術で勝てたとしてもコストじゃ絶対勝てないです。電気産業はインバウンドで稼ぐ方向を考えた方がいいかもしれません。

 

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3 Responses to “日本勢電池、日本以外は全滅へ! 新興国の電気自動車用電池は中国勢に持って行かれると覚悟した方がいい”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    三元系リチウム電池だと、タイの気温では人間が暑さを大丈夫と思っても電池冷却のためクーラー冷媒を効かせる必要があります。いくら電池容量が稼げる三元系でもかなり電費に不利ですね。
    bz4xの実電ピが他車より悪いのは、この辺に原因があるんではないかと勘繰ってしまいます。
    遠出もできるという売りでPHEVに注力する手もありますが、BEVより安くはできません。
    嗚呼、パナソニック!!!

  2. z151 サンバー愛好者 より:

    私みたいな輩が国産産業を結果駆逐してしまう元凶なのかもしれませんが、性能が良くて価格が妥当であれば国産にこだわらないんですよね。

    素朴な疑問としてはトヨタだったら結局自前で電池作りそう(無理ならデンソーかアイシンがやりそう)なのに原料確保に留まっている点。
    現時点で噂にも出ないならさっさとCATLやBYDに生産任せて買った方がいいということなのかなと。
    3年くらい前でしたか、サムスンやLGケミじゃなく中華電池メーカーとのみ大型契約をトヨタがしたと聞いて、もうこの辺りから2次電池の競争は「勝負あった!」だったのかも。

  3. tonpochi より:

    CATLが凝縮系電池を発表しましたね。負極材は明かされていませんが、重量エネルギー密度が最大500Wh/kgということで、3元系バッテリの2倍、LFPバッテリの3倍以上の性能を有しています。全固体電池の一本足打法のトヨタには寝耳に水。もう終わった感があります。
    高級車向には凝縮系電池、大衆車にはLFP電池、入門者にはナトリウムイオン電池と言う具合になるのだと思います。どうする日本?このままじゃ液晶や白物家電と同じ運命に。

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