日本車が中国で電気自動車を売るなら急速充電器に巨額の投資をしなければならない

乗るとスゴく良いMIRAIなのに毎月2桁の台数しか売れない大きな理由は「水素ステーションが増えないこと」だ。こう書くと「日産は電気自動車を売るにあたり全国のディーラーに急速充電器を設置した。トヨタも水素ステーションを作ればいいだけ」みたいに思う人が非常に多い。確かに顧客第一主義をモットーにするトヨタとしちゃ例外的に顧客を完全に無視したと思う。

トヨタに聞くと「インフラを自動車メーカーが手がけることに躊躇します。水素ステーションも自社では設置してないですけれど相当の資金を投入してます」。キュービクル付けて電気を引っ張れば急速充電器は作れるものの、水素インフラの整備ってトヨタだけじゃ無理。そこで仲間を集めて展開しようとしたのだった。されど結果的に水素ステーションは増えていかない。

中国で電気自動車作りに参入する場合、同じことが起きる。テスラを始め急速充電施設は自前で構築しなければならない。もちろん公共の急速充電器も少なからずあるけれど、やはり十分じゃないという。ちなみにテスラは中国だけで1600カ所に1万基以上のスーパーチャージャーを設置している。顧客サービスのため独自の急速充電網を構築しないと困るのはユーザーです。

さて日本勢である。押っ取り刀で中国市場に電気自動車を出そうとしたら、独自である程度の急速充電器を設置しなければならない。しかも中国の急速充電器性能は急速に向上しており、今やチャデモの主力である50Aなんかじゃお話にならない。ミニマムで150A。50Aの6倍の早さになる300Aを超える性能持つ急速充電器すら出回り始めた。相当の投資が必要である。

とはいえ投資しないと公共の急速充電所が電力不足の際、困窮してしまう。ユーザーとしちゃ当然ながら急速充電所を持っているメーカーを選ぶことだろう。日本で言えば日産ですね。じゃ投資すればいいでしょと思うかもしれなし。この点についていれば「トゥレイト」(遅い)と言われる。これから投資しても、電気自動車が売れなければお金を捨てるようなもの。

こらもうテスラと規格を同じにして頭を下げるか、BYDなど中国メーカーにお金払って使用する権利を買うかのどちらかになるのだろうけれど、独自展開より安く付くとはいえ、日本の自動車メーカーも魅力的な条件を付けない限り少なからぬ出費になることだろう。今から中国の電気自動車戦線とガチで戦って行くのはレベルの高い戦略が必要になってくる。さてどうする?

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2 Responses to “日本車が中国で電気自動車を売るなら急速充電器に巨額の投資をしなければならない”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    中国でBEVを売るなら今後はChaoJiへの対応が必須になるでしょう。これが最低ラインです。
    車側の急速充電器はサプライヤーに作ってもらえばよいのですが、その急速充電を受け入れられるバッテリーの開発もしなければなりませんね。結局電池の技術力に話が戻ってくるのか。

  2. ボヤキ爺 より:

    新しいエネルギーで走る車を売ろうとしたら、その新しいエネルギーを供給するシステムを作らなきゃならないのが常識ですよね。
    電気の供給が無いところで電化製品に価値はないのと同じです。
    先のトヨタの新しいバッテリー戦略が発表されましたが、あのスゴイバッテリーにどういう充電装置で充電するのか話は無かったんですよね。
    ミライを売り出しても水素ステーションの整備に力を入れなかったのと同じですよね。
    2025年までに、トヨタのお店に充電器を設置するとの約束がありますが、それについての発表は無い。つまりは、水素も電気もヤル気が無い。HVで、稼げるだけ稼ごうなんですかね。
    技術の日産は、e-powerで、電動車の扱い技術を磨く方に走っていて、EVはまぁソコソコって感じになっちゃってるように見える。ただ、この日本の空気を読めば、EVで独り歩きは怖いって気持ちもわかるけど…
    テスラは、EVメーカーとしてだけでなく、充電インフラの整備、蓄電池事業、VPPでスマートグリッド的な取り組み等のEVを活かすための事業を進めてますが、マスク氏は、最初からこれらを狙ってたのでしょうかね。
    EVを売るため、そして売ったEVを顧客が社会活動の中で活かせるようにと考えた結果が、こういう方向性を産んでいるんじゃないかと思っています。誰か聞いて欲しい。

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