日本車の行き方

日本の自動車作りはどちらに行くべきか、と何の意義もないのに最近考えている。一つは間違いなくハイブリッド車に代表される環境(燃費)技術だろう。こらもうすでに日本勢が圧倒的なリードを奪っており、少なくとも今後10年近くはアドバンテージを確保出来ると思う。EVも5年くらい優勢か。

問題は「世の中お金持ちばかりじゃない」ということ。おそらく低価格のベーシックカー市場が、金額ベースでハイブリッド車と同じくらいになると予想している。その時に日本勢はどうしたらいいか? 妙な例えになるけれど数の勝負を避け「人気ラーメン屋さん」になることを狙ったらいいんじゃなかろうか。

もう少し具体的に書く。人気のラーメン屋さんの商売を見ていると、価格は確かに若干高い。されどウナギや寿司まで行かず、あくまでラーメンの相場の上限に止まっている。一方、ラーメン屋さんにとっても、作った分だけ間違いなく売れれば経営的に十分成り立つ。ユーザーは常に待っているのだから。

ベーシックカー市場は今後、予想以上に大きな規模となるだろう。ガソリンエンジン車だけでなく、EVも派生するに違いない。その中のトヨタ/ダイハツ連合だったら100万台を狙う。ホンダは60万台、といった具合で、どんなに売れてもそれ以上作ることは考えず、価格もコンパクトカーの上限に留めておく。

そういったクルマ作りが出来たら、価格競争に巻き込まれず、しかもブランドイメージも崩さないで済む。中国などに進出しているサプライヤーに協力してもらえば、きっと中国の独自ブランドより10〜20%高いくらいの価格で作れることだろう。日本の工場では先端技術のクルマを生産すればいい。

総合的に考えると日本から海外に生産の拠点を移すことになるが、我が国の政治や、社会主義のような平等を是とする最近の国民性を考えたなら、日本で安いクルマを作ることは難しい。今回の不況と、それに対する政治や国民の反応を見て、きっと多くの自動車メーカーやサプライヤーは海外に軸足を移す決断をしたと思います。

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8 Responses to “日本車の行き方”

  1. HT より:

    格差が広がり、限界を迎えたのが今の日本社会だと思います。決まり決まった道を一歩踏み外せば一気に転落し、そのまま這い上がれないという仕組みはおかしい。派遣や契約社員などの非正規の拡大、新卒大学生の内定率の低下など、今までの社会の仕組みじゃ対応していけない現実があります。
    20〜30歳代には昔の世代ほどのハングリー精神は無いかもしれない。でも、それに変わる新たな文化や考え方を持っているはずですし、いくら悪く言おうが、若者に活力がない社会に未来は無いです。
    「社会主義的」との事ですが、社会福祉系は元々若干そんな面があります。例えば介護関係でも「痴呆」は「認知症」に。 「徘徊」は「歩き回り」に。「障がい者」「子ども」他にも色々あるでしょう。
    民主党には一刻も早く、環境分野など最先端の技術開発・製造に大量に投資して、雇用を大幅に拡大する事を期待したいです。

  2. ぱんだねこ より:

    こんばんは。
    よく引き合いに出される家電では、メーカーは日系でもその中身は「外国製」であることがしばしばです。今は高価な液晶テレビも外国製があります。イオンの液晶テレビなどです。映ればいいや、という人向けです。
    たぶん、自動車もそんな感じになるのではないでしょうか。次期マーチは逆輸入になるので、それが先頭を切って、普及価格帯をになうことになると思います。日本のメーカーは工場や品質のオペレーションを間違えなければ大丈夫だと思います。
    また、日本はそう大きい国ではないのですから、レクサスのような高級大型車は国内ではあきらめた方が良いとおもいます。プリウスは1.8Lですが、1.5L以下の車を充実させて欲しいです。速度リミッターも150km/hにして、無駄な性能を剥ぎ取る。たぶんそれで、間に合うのでは。
    中国やアジアでもまだ日本のメーカーを指名買いしてくれるので、そういったお客さんも大切にしたら良いと思います。中国は偽物問題・品質問題があるのが難点です。国外にばら撒く分には国ぐるみで「知らぬ」で通せるでしょうが、国内にそれをしたらきっと混乱すると思います。
    自動車は評価が定まるまでに時間が掛かります。定まってない状態で、とにかく安さで売れている中国車。でも大体10年後くらいに答えが出ると思います。7,8年大きな修理なく使えれば中国車は、各国で定着するでしょう。いくら安い中国車でも壊れるたびに買い換えるわけには行きません。第2のヒュンダイ・ポニーになる可能性もあります。
    その評価が定まる前に、EVでも普通のガソリン車でも「日本車」を指名買いしてくれるようにしたいです。
    先端技術を使う車は、そのまま開発を突っ走るしかないですが、一方で、中東・アフリカでは、まだ日本の中古車が人気があります。新車の韓国・中国を買うか、中古で故障しない日本車を買うのか迷うそうです。そういった人向けに良心的な車を提供し、次の種をまいていけば、案外うまくいくのかなと思います。

  3. hide より:

    海外のあちこちで仕事をしている目でいわせてもらえれば、日本が格差社会なんてのはちゃんちゃらおかしいですね。マスコミの情報に洗脳されている証拠でしょう。
    はっきり言って、日本ほど国民全員が豊かで格差のない社会はありません。
    海外の貧困は生死のレベルですが、国内の貧困はぜいたくできるかどうか?では?
    まともにどんな仕事でもいいからやってみれば、賃貸の住処が借りれて食うにも困らないはず。
    節約すれば中古の車だって買えるでしょう?
    海外は中間層でも車1台が手に届かない国、エアコンが買えない国がほとんどなのですよ。
    ニュースは正しい情報を流しているのではなく、流したい情報を流しているのです。大切なことは自分の目で実際に見ることではないですか?

  4. AA より:

    メーカやサプライヤが今後海外に軸足を置くということに同感です。
    現状の日本で格差がひどいなんていっている人はきっと海外を知らないのでしょう。これでも
    かなり格差は少ないほうです。
    優良な納税者をさらに苦しめ、税金を納めていない人に金を恵んでやる方向に国が動いており国民もそれを望んでいる以上、
    生き残りたい会社は日本からでていくしかないでしょう。
    そして歴史が証明している失敗を繰り返すのではないでしょうか。
    競争を拒否すれば破滅がまっているだけです。
    まさに現政府が目指している世界です。
    民主党には長期的な成長戦略がありません。
    足元の金の配分ばかりに気が行っています。

  5. hide より:

    ほんとに今みたいな状況が10年続いて車のマーケットとしても旨みがなくなれば、自動車メーカーに限らず海外で戦える力があるところほど、海外に軸足を徐々に移していくのでしょうね。
    税金面でもしかり。企業にとっていやすい所は税金が安く、規制の少ないところです。日本はあきらかに反対の方向に向かってます。
    海外と日本の販売比率が5:5を超えたとき(しかも輸出でなく現地生産、現地販売で)に日本に本社をおくメリットはビジネスに限った場合になにがあるのでしょうね。。。

  6. 阪神ファン より:

    製造業が海外へ行くのは当然の結果でしょうね。市場が日本だけでなく世界になってる以上、ある程度は仕方がないと思います。それに加え日本人自らの責任もあるのではないでしょうか。
    派遣についても問題だと思います。良い面悪い面両方あるはずが、一方的に製造業への派遣禁止。また、日本の終身雇用は古い、これからは実力社会で外資系、派遣でいろんな会社を経験し実力をつける等ということが、もてはやされていた時代があったと思います。個人的にはそうは思いませんでしたけど・・・。
    そんなこと言ってたら企業が海外へ出て行くのは当然でしょう。

  7. ijiok より:

    昨日のWBSを観た限り、やはり正社員の給料を下げて同一労働同一賃金制にしなきゃいけないのでしょう。
    社会主義的資本主義?は個人的には賛成です。
    治安にも影響してると思いますし。
    民主党は北欧型を目指すのでしょうから、その為の増税もやむを得ないと思っています。
    京大が電池技術研究のトップとは知りませんでした。
    そういうのは事業仕分けでカットしないでほしいです。
    スーパーコンピュータは要りませんから。

  8. lucky より:

    いつも拝見させて頂いています。
    戦後の歴史を見てみると、日本は、いろいろな製品を輸出し大幅な貿易黒字になり、現地生産に切替えて来ました。車などの製品は、価格の安い物は日本メーカーの他国の生産品を、日本仕様にして輸入すれば良いと思います。
    また、日本国内では次世代のハイブリットや電気自動車など、環境面で優れた最先端の製品を創り、国内生産で採算が合う製品化を進め、世界中に発信してほしいです。
    皆さんが知っている通り、日本には、資源がありません、その変わり、頭を使い工夫し、皆が使い安い物を創り出す技術が有ると思います。
    私の勝手な思い込みかもしれませんが?信じてます。

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