日産、ゴーン体制になって263万台から542万台に! ホンダどうなる?

最近ギョウカイで話題にあがるのがホンダの国内戦略だ。ホンダ関係者やOBなど100人に聞くと99人までは「アメリカ市場用に開発したシビックを日本導入してもマーケットがない!」と言い切る。つまり売れないと解っているのに強行されてしまう、ということ。こんなムナしいことはありません。皆さんの会社のプロジェクトで「絶対ダメだと思っている」事案が動いたらどうか?

同じようなケースがつい最近あった。昨年のホンダF1です。始まる前の段階で「ダメでしょ!」とハッキリ解ったので私は指摘した。開幕後は多くの皆さんそう感じたことだろう。夏休み前になると”ほぼ”全員がこのままじゃダメと解ったハズ。なのにそのまんまの体制のまま今年3月まで動いてしまった。ダメなのに同じ体制で続けるのを見てるホンダ関係者は辛かったろう。

同じことがシビックで起きる。いや、社内だとジェイドとグレイスの大失敗も予測できていたそうな。大半のホンダ関係者は二度と繰り返したくない、と思っているに違いない。昨日箱根で話をしたホンダの皆さんは全員「シビックが悪いクルマということではなく日本じゃマーケットありません。情けないです」。第二次世界大戦の我が国も判断ミスでドロ沼にはまった。

さて日産である。実質的に財政破綻し、ゴーンさんが乗り込んできた時の日産の販売台数は全世界合算で263万台だった。そして2015年は2倍の542万台である! 日産社員の顔ぶれと言えば基本的に同じ。つまり同じスタッフでいながら、TOPが変わっただけでこんなに伸びるということです。それくらいTOPの指導力や判断力って業績に左右される。

興味深いのは日産の国内販売台数。こちらはリーマンショック以後、ひたすら逃げまくるというセンスの無い販売戦略を続けた結果、2000年で73万売れていたのに、2015年は三菱自動車製の軽自動車を含め53万7千台にまで落ち込んでしまった。企業の業績を決めるのは最高責任者or現場TOPの判断です(日産の国内販売の低迷はゴーンさんに責任無し)。

参考までに書いておくと、三菱自動車の2000年は全世界で164万台。そして燃費不正前の好調な2015年は121万台。やはり大きく台数を落としてしまっている。この場合、明らかにTOPの経営判断や戦略の失敗だ。三菱自動車のポテンシャルをキッチリ活かしてやれば、2000年の164万台など余裕。10年以内に200万台規模まで伸びる可能性だって大きい。

経営判断のミスは関係者の「やる気」に大きな影響を与えてしまう。今のホンダを見ているとアメリカの好調さで全てをカバー出来ているけれど、本来ならそれ以外の市場だって拡大出来る可能性を持つ。キチンと伸びる経営をしていれば、日本やヨーロッパの工場だってフル稼働体制に持ち込め、世界販売販売台数が増えていただろうことは間違ないです。

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