日産、投資ファンドの対象になってきた。粗っぽい動きになるような気しかしない

業績の低迷を受け、日産株は11月11日に369円まで値を下げた。しかし急に盛り返り、15日の終値で430円と5日間で13.35%も上がっている。この間、日産の業績が良くなるような話などなし。改革を進めるという動きも出ていない。じゃなんで上がったかといえば、オアシス・マネジメントとエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが日産株を買っているというウワサになったからだ。

オアシス・マネジメントは香港。エフィッシモ・キャピタル・マネージメントがシンガポールの投資ファンドであり、どちらも株価低迷している企業の株を購入し、モノを言う株主になって介入。値上がりしたら手放して売却益を取る。後者は9月末時点で日産株の2.5%保有していることが11日に判明している。そんな情報流れると。勝ち馬に乗ろうという投資家が出てきます。

おそらく遠からず投資ファンドから経営陣交代の話など出てくるに違いない。実際、今まで株主達が黙っていたのか理解に苦しむ。内田さんが社長になった5年前と比べ,日産株は37%も落ちている。ちなみに同じスパンだとホンダ29%上昇。トヨタ74%上昇だ。どんな指針から評価したって内田体制の失策は明らか。遠からず激しい動きが出てくるんじゃなかろうか。

さて。投資ファンドの経営テコ入れで日産の株価は上がるだろうか? 自動車の場合、テコ入れを始めてから製品になるまで簡単な改良で2年。抜本的改革やデザイン変更は4年掛かる。そこまで持つか、だ。下は直近の日産車の納期。どれも即納に近い。人気車だと言われているノートやセレナ、エクストレイルですら即納。アリアやSAKURAだって即納。半分以上受注すら止めてるトヨタと全く違う。

アメリカでは利益が吹き飛ぶくらい多額の販売奨励金(値引き)を使っており、しかもリースなので3年後にはクルマが戻ってくる。これまた人気ないと叩き売りしなければならず収益を悪化させる。さらに2026年に5000億円を超える社債(会社の借金)の償還をしなければならない。投資ファンド、もしかしたらクルマという特殊性を理解していないかもしれません。

短期で立ち直らせることなど難しい。ゴーンさんの時は村山工場や座間工場、荻窪工場といった都市部の不動産に代表される日産グループ全体に資産あり、それらを売却することで資金繰りしました。今や日産に大きな資産などない。日産を立ち直らせようとしたら、短くて5年スパン。その間、支え続けなければならない。出来るのはホンダのような自動車企業くらいだ。

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