日産、日立から電池を?

第2報です。第1報は少し稚拙でした。

『読売オンライン』に「日産がアメリカで2013年に発売するハイブリッド車に日立製電池を採用。日産NECは使わず」という記事が出たら、「リーフの電池を日立から調達するのか?」という質問を頂いた。まず当該記事を読んでみた。「系列崩しを行い価格競争をさせ、調達コストを引き下げるのが狙いだという内容。

1999年のゴーンショックで鋼材の納入先を絞り込んで値引きさせた」。この時点で記事の内容は実情とやや違うように思う。電池は量産効果を追求している段階にある。分散させるより集中させた方が有利かと。リーフの販売台数だって計画値に届いていない。電池はもっと生産しなければコストダウン進ます。

成長しきっている産業である鉄鋼は縮小均衡や経営努力も必要だったことだろう。されど電池って体力無し。しかも新興の電池メーカーが販路で困っている。なにしろ現在採用されている電池は、コストダウンと信頼性確保を一歩づつ進めてきた。日立が食い込もうとすれば、スタートから両方頑張らなくちゃならぬ。

なんで日立は破れかぶれの戦略に出たのだろう。こら簡単。危機感が大きいんだと思う。長い時間と開発予算を投じ開発してきたリチウム電池ながら、このままだと実用化すること無く終わってしまう。だったら損を覚悟で勝負してみよう、ということです。逆に勝負できる自信や技術力を持っているのかもしれません。

実際、円高のままだとアメリカで生産されるハイブリッド車には韓国メーカーの電池が採用されるだろう。ここで表舞台に出なければ勝負することなく終わる。何度か書いてきた通りリチウム電池って液晶パネルや太陽光発電パネルに似てます。どこかで勝負しないと、そのまんま消えていくしかない。

日立としちゃ「ここが踏ん張りどころ!」と踏んだワケです。このニュース、主役は日産でなく日立。日産は「勝負の場を与えた」のだった。安く買えるメリットも大きいけれど、全く新しい電池だけに不具合出したりするリスクも追わなくちゃならぬ。新興勢力の日立や東芝に韓国勢や中国勢と負けないよう頑張って欲し
い。

・ECOカーアジアは「リーフの電池寿命、10万kmで78%?

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3 Responses to “日産、日立から電池を?”

  1. お惣菜 より:

    別件ですが、特許電子図書館を見ていたら、スバルがNECと共同で最近の日付で電池に関する特許を取っていました。
    まだ共同研究はしているのでしょうか。

  2. motocompo より:

    現在、日本の課題は40兆円の国税収入しかないのに100兆円の国家予算を20年間近く続けてること。
    さらにGDPが増えないのに一方的な円高になってること。一方、毎年2桁成長続けてる中国は、ドルペグ政策でほとんど元高に向かっていません。
    異常な円高のために液晶も太陽電池も、そして今後リチウム電池も日本製はコストでまったく勝てる見込みありません。
    統括経済で円安に誘導するしかないのに、日銀も財務省も頭の良い人が揃いすぎてその手法もご存知ないようです。

  3. 小林 英弘 より:

    なるほど。第2報を読んでよく判りました。
    日立の電池を搭載した日産HV車やEV車が少しでも売れて欲しいですね。それで国内電池産業が成熟して海外勢と価格で勝負出来る様になれば国内の製造業も活力を取り戻すかも!? いや絶対そうなって欲しいですね!
    しかし国沢さんは「素人には事の真相を読み解くのが難しい事柄を判り易く噛み砕いて素人にも容易に理解出来る簡潔明瞭な文章を書く」能力が抜群に長けてますね! もちろん釈迦に説法ですが(笑)。前回のアルコールの話といい、多種多様な分野に渡って読み手に確実に内容を理解出来る文章を書いてくれる自動車評論家の方って他にいないと思います。
    PS:先々週末に海に行った時、駐車場に白いリーフが停まってました。白いのを見たのは初めてだったので一周回ってジロジロ見てしまいましたが(笑)、やっぱりカッコイイです! 香川県ではインフラ整備が全く追い付いていないのでなかなか売れてない様ですが、この位のレアさを感じる頻度で見る方が新鮮でいいですね(笑)。プリウスの様に街に溢れかえると、この独創的なスタイルを持ってしてもさすがに飽きてしまいますよね? 全く勝手な意見ですみません(笑)。

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