日産、4～6月の赤字2000億は想定内。年間で1兆円超えも余裕の想定内。来期は？

日産の株主総会が開かれた。その場で2025年度4月～6月の第1クォーターの赤字は2000億とアナウンスされた。この金額を見て「厳しい数字だ！」と報じるメディアもあるけれど、予想の範囲内です。日産の業績予想が珍しく当たった。昨年度からの流れを見れば、もっと悪くてもおかしくなかったと思う。厳しいのは本格的なリストラが始まるこれからです。

まずクルマ関連の利益は減る傾向。すでに4～6月期の販売台数が厳しいし、7～9月期に期待出来るモデルだってなし。むしろアメリカなど販売奨励金（インセンティブ）が必要になってくる。頑張って4～6月期と同じ業績を残せても2000億円の赤字。ここでトータル4000億円の赤字になる。さて。このあたりからリストラに掛かる費用も乗っかってくるんじゃなかろうか。

人員を2万人減らそうとすればそれなりの資金が必要。工場を閉めるのにもお金掛かる。居抜きで売れば収入になるかもしれないが、追浜工場を閉めようとしたって簡単に決められないと思う。未だに「どこの工場を閉めるか決めていない」と言ってますから。2万人の人員削減だって簡単なことではない。切られる側からすれば死活問題。経営陣は安泰なのに。

10～12月期も新型車は間に合わない。よって売り上げ増えず、販売台数減少＆販売奨励金増額というダブルのハンデを背負う。リストラにかかる費用も重荷になってくるだろう。10～12月期の赤字額は1.5倍の4000億になると考えます。140円以上の円高になると一段と厳しい数字になっていく。このあたりで日産は「運転資金調達」という次の一手が必要になってくることだろう。

日産のキャッシュフローは2025年3月末で2兆2千億円。2025年12月末には1兆5千億円程度。そして2025年度に必要な社債（借金）の償還が7800億円ほどある。2026年1月～3月期の決算で4000億円の赤字になるとキャッシュフローは2千億円になってしまう。ルノーの株を全て売却したって1000億円にしかならず。業績悪いとお金も借りられない。積み将棋なら「投了」かと。

最近エスピノーサさんがメディアの取材を受け「ワタシハニッサンガダイスキデス」。気持ちはよ～く解った。メディア側は具体的な数字を出し、それをどうやって乗り越えるのか聞いて欲しい－－ということを聞きたい私は取材を受けて貰えないと思います（笑）。やはり概念や気合論じゃなく具体策を知りたい！　答えられなければ具体策を持ってないと言うこと。

エスピノーサさんが経営TOPになって3ヶ月になる。これだけあれば具体的な再生プランを作れることだろう。なのに詳細は一切出てこない。隠しているのか、それとも閉める工場を発表できないでいるのと同じく、調整に難航しているかだと思う。スピード感という点で全く足りない。前述の通りキャッシュフロー無くなり困窮するまでの余裕は6ヶ月しかないです。

クルマ好きにとって日産は大切なブランド。先日のこと。縁あって上のような名刺を作って頂いた。ギャラ無し100％ボランティアながら、こういう名刺を作って貰うと新聞沙汰になるような行動は100%出来ない（今までもないですが）。でもクルマ好きとしちゃ光栄×100万倍である。日産、クルマ好きが応援できるような対策を次々と打ち出して欲しい！

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