日産とルノー、お互いの持ち株比率を15%から10%に引き下げ。インドの合弁会社も解消へ
日産とルノーの距離がまた開いた。1)お互いの持ち株比率を15%から10%に引き下げ、2)共同出資していたインドの合弁会社の株をルノーに全て売却(620億円ほどになる)。3)日産はルノーが立ち上げた『アンペア』という電気自動車会社への出資を取りやめ、といった具合。ルノーは日産に対する関心を失い、距離を置こうとしているように見える。実際そうなんだと思う。
これで「ルノーが再び日産を助ける説」は完全に消えた。そして次に日産の株を買おうとしている企業は、すでにルノーが供託している18.7%と合わせ、日産とルノーの了承あれば容易に23.7%を取得出来る。例えば鴻海が日産と組むことになるなら、ちょうど良い持ち株比率かもしれません。3分の1を超えると拒否権が生じるため、日本政府も「そらダメでしょ!」。
鴻海側にしても持ち株比率が低すぎると日産の業績回復で株価上がった時の利益少ない。23.7%ならまぁまぁ美味しいです。ルノーとしても日産が破綻して株価ゼロになるよりずっと良い。もちろん日産の株を買うのは鴻海やホンダでなく、その他の企業と言うことも十分あり得るけれど、今回ルノーが手放す5%はその企業が買うことは間違いないだろう。
間違うのを躊躇わず書くと、私は鴻海との距離が縮まったよう見える。というか、日産のリストラを最小限に済まそうと思ったら、日産に自動車の生産委託をする企業しかありませんから。ホンダのような重なる機能を持つ企業であれば日産の工場は3分の1くらい閉めないとならない。開発部門や本社機能、営業部門も3分の1のリストラが必要になってしまう。
一番痛手が小さくて済むのは鴻海です。
<おすすめ記事>