日産の再興策『Re:Nissan』に誰も突っ込まない。ルネッサンスってか!

昨日打ち出した2万人のリストラを含む『Re:Nissan』はゴーン氏が1999年に発表した『リバイバルプラン』と同等レベルの痛みを伴う。そいつにルネッサンスみたいなタイトルを付け「上手いネーミングだ!」と悦に入ってる関係者がいるだろうことを考えると、いろんな意味で覚悟不足です。というのもゴーンさんは「公約を実現出来なければ経営陣は総辞任する」と言い切った。

2025年度の見通しで最も「ホントかね!」なのが販売台数見通し。上は日産の資料なんだけれど、中国だけ13万台ほどの減少を見込んでいるものの、日本なんかわずか1万台減。大損失になっているアメリカも3万台減。例えば日本。軽自動車を除き、これといった新型車は来年3月までに出る予定無し。どんどん商品力を失っていく。しかもトヨタの生産に余力出ており、納期短縮傾向。

4月の販売台数を見ると、日産の売れ筋TOP3であるノートとセレナの登録台数は前年同月比80%。エクストレイルなんか30%という超低迷状態。エクストレイル、新型RAV4にも喰われる。期待の軽自動車だって6月に登場するムーブとガチで当たることだろう。今のまんまの販売戦略だと売れ行きを落とすだけ。かといって値下げすれば利益率が大幅に下がるため難しい。

値引きなど販売奨励金は2025年度決算に計上していない。ちなみに2024年度の決算を見ると海外分を含め当初予算より3000億円多く使っていた。それで何とか335万台を売った。値下げも販売奨励策も取らず、2024年度と同じラインナップで同じ台数を売る、と主張しているワケ。甘い見積もりはどこから出ているんだと思う。このままだとどうなるだろう。

販売奨励金を使わなければ確実に台数を落とす。値下げしたら利益率を落とす。台数が減ったら売り上げが減る。工場稼働率も落とす。じゃ正解はナニかといえば、販売奨励金を計上して台数を確保して利益率下がることを覚悟するか、台数を減らして売り上げが減ることを覚悟するか、だと思う。どちらも赤字になるけれど、そいつを前提にしないと話は進まない。

ゴーンさんは真正面から戦った。エスピノーサさんは逃げて言い訳しているし覚悟も示さない。そんなTOPにクビを切られたらどうか。工場を畳まれた地元はどうなる? ゴーンさんくらいの責任感が欲しい。そして表面を繕う数字でゴマかなさいようにして頂きたい。決算発表の際、全ての質問にゼロ回答ですよ。日産は日本の財産だ。クルマ好きにとっちゃ大切なブランドです。

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2 Responses to “日産の再興策『Re:Nissan』に誰も突っ込まない。ルネッサンスってか!”

  1. アクシオム より:

    久しぶりに日産販売店に出向いて、RZ34のパーツを注文しに行き、決算発表で色々情報が出ているけどどうですか?と伺うと、ほとんどの車種で受注停止になっているようです。3月は決算ゆえに売るものがあったけど、4月には主力のセレナ、ノート、エクストレイルでも受注停止が5月からあるし、在庫もそんなにありませんと・・・
    どうやら夏までにセレナとエクストレイルはマイナーチェンジがあって、エクストレイルは北米で昨年から発売されているロッククリークなるオフロード仕様が設定されるそうです。
    あとは・・・どうやら新型軽自動車はルークスのフルモデルチェンジがあるとか。それに新型リーフとキックスの投入は来年3月までにあるとのことでした。

  2. ばんじ〜 より:

    残念ながら日産だけでなく
    国内企業の競争力がダダ下がりの印象です
    もちろん企業トップの采配は大きいとしても、政府というか省庁というか の責任も重大だと感じます
    親分が日頃言っている利権とかしがらみとか、本当に、国民のことを考えてはいないのだなあ と虚しくなります
    役人は選挙できないんですよねぇ日本では

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