日産のECO戦略

日産が粘りを見せている。地味で話題にならないけれど、22日に発売された市販車に採用している燃費向上技術、なかなか渋い。一つはナビを燃費低減
センサーとして初めて活用したこと。進入するコーナーの大きさや、料金所までの距離をナビで判定。エンジンブレーキの利き(燃料カット領域を増やす)を燃費ベストにコントロールしてやろうというもの。

この技術を伸ばしていけば、ハイブリッドなどは登り坂が続くときにバッテリーを使い、下り坂に掛かったら充電ベースの制御を行うなども可能。発電機付きEVの場合(プラグインハイブリッドも含む)、目的地を入力すれば、距離、勾配、渋滞、気温など総合判定し、車載バッテリーと発電機の稼働を最適にコントロールすることまで出来てしまう。将来絶対必要な技術です。

もう一つはバッテリーの充放電制御。すでに広く使われるようになっているものの、日産はさらに改良を加えてきた。簡単に解説したい。オルタネーターを常時発電させるようにしておくと、けっこうな駆動エネルギーをロスしてしまう。しかしアクセルオフの時だけ稼働させてやれば、エネルギーを効率よく回生できる。
超ウルトラミニ簡易ハイブリッドのようなものです。

少し大きめのバッテリーを搭載し、発電専用として使っているオルタネーターをセルモーター兼用に変えてやれば、効率の良いアイドルストップ装置に発展していく。これなら大幅なコストアップ無しで、街中では10〜15%の燃費向上が期待出来ることだろう。ハイブリッドに代表される大技でこそないものの、その気になればまだまだ燃費改善のネタがあるというこ
と。

残念ながら日産の体力や知力が大幅に低下している。こういった渋い技術こそキッチリとアピールし、実用燃費の良さを訴求していかなければならないのに、直近の日産を見ているとGT−Rネタばかり。もったいないと思います。最近の日産車、試乗会以外でほとんど乗っていないのだけれど、実用燃費けっこう良いそうな。

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1 Responses to “日産のECO戦略”

  1. Ito より:

    1.5L車であの燃費とは日産の意地もすごいと思いました。実用燃費は初代プリウスの8〜9割まで来てる感じがします。
    10万キロのLCAを、現行プリウスと1Lのヴィッツで比較してみましたら、10万キロまではヴィッツのほうがCO2少ないです(逆に、10万kmで取り返してしまうプリウスはすごいですが…)
    24km/Lくらいの車を大幅な追加装備なし、価格アップなしで実現できればそれはそれでアリだと思います。
    ICEはもう限界だ!と言われ続けても、新設計で10%、設計変更で3%くらい燃費あげてくるんですから、ICE時代の最後の粘りを見ている気がします。

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